不登校の保護者が詐欺に遭うような社会を許していいのだろうか?
「え? そうなんですか?」
東京のイベントが終わり、関東の不登校事情を聞いていたときのこと。
「詐欺とか多いんです」
聞いてびっくりした。
関西では、まだまだ不登校に関する講座とかは少なくて、親の会くらい。
なのに、東京では、そうやってなんだかきな臭い人たちが、「不登校は金になるぞ」と思って、保護者の方々からお金をむしりとっているらしい。
「まじかよ……」と思った。
不登校に関する仕事をしていて、情報が少ないなぁとは思っていた。
参考になる本もほとんどなくて、講座やイベントもない。
困っている人たちはたくさんいるはずなるに、情報がない。
そんなことを思っていたときに、こういった残念なニュースを聞いて、悔しいなと思った。
不登校に関して伝えられることを僕は持っている。
自分自身も不登校を経験しているし、日々、不登校の子たちと会っている。
なんでも分かっているわけじゃないけれど、毎日のように試行錯誤をして、うまくいく方法も少しずつ分かってきた。
講演や僕たちのイベントで伝えていたけれど、「それでは足りないな」と思った。
全国から「どうしたらいいでしょう?」という相談をいただき、「近くだったら講演に行きたいのに……」というメールが何通も届いていた。
「やるか……」
ずっとやろうかどうか迷っていた。
それほど時間があるわけでもない。
きっとお金にもならないだろう。
結果に繋がるのにも時間がかかるかもしれない。
でも、困っている人たちがいて、騙されて泣いている人たちもいる。
ならば、やるしかないだろう。
そう思い、Youtubeを始めた。
視聴回数が3桁にすら届かず、ほとんど再生されないこともあった。
メントスコーラやアルミホイルを棒でたたくといったYoutuberみたいなこともせず、ただ、真面目に、コツコツと不登校に関する動画をアップしていった。
すると、少しずつ、少しずつだけど、反応が出てきた。
LINE@でおこなっていた無料相談も、次第にメッセージが来るようになっていった。
まだ、チャンネル登録者数は389人で、たくさん見られた動画も4734再生回数くらい。
けれど、動画を見た人が「ここで動画を見て、不登校でも大丈夫だって思えました」とか「見ることで気持ちが落ち着きました」ってことを言ってもらえて、
心の底から「やって良かった」と思った。
まだまだ、全国に不登校で悩んでいる人たちがいる。
困っている人たちがいる。
時間がなくてブログすら読めない。
遠くて講座や講演会に参加できない。
そんな人たちでも、Youtubeなら無料で見られる。家で見ることができる。
家事の最中に音だけ聞くこともできる。
僕たちにとってお金にはならない。
でも、そんなことは大した問題じゃない。
困っている人たちがいる。
そして、僕たちが役に立てることがある。
ならば、やることは一つだけだ。
お腹をすかせた子に顔を差し出すアンパンマンのように、僕は自分たちが知っていること、
学んだこと、気がついたことを余すことなく伝えていきたい。
届けていきたい。
そのために、普段はお願いしたり、人に頼るのが苦手だけれど、バースデードネーションを始めた。
僕には、届けたい人たちがいる。
その人たちのためには、「恥ずかしい」とか「遠慮」とか、そんなことは言っていられない。
まだ見ぬ、不登校で悩んでいる人たちへ。
僕は、これからも動画を届けていきたい。
〈バースデードネーションのお願い〉