「私よりこの人の方が劣っている!」―「炎上」させる側に隠された心理

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「炎上」ということばには様々な意味があります。火が燃え上がるさま、野球でピッチャーがどうしようもなく打たれるさま、両方「炎上」です。これに最近では、Twitterやブログなどネット上での失言や悪事のカミングアウトに対して批判・中傷する意味も定着してきました。

自分も日常的にSNSを利用する人間ですが、とくにTwitterを見ていると、誰かがほぼ毎日のように明らかに高校生と思しきユーザーが「お酒を飲んだ」などとつぶやいているのを見逃さずにリツイートしています。中には身分が割れて、そのユーザーの実名や学校名が記載されたツイートまでリツイートされています。

なぜ悪ふざけツイートが止まらないのか。なぜ炎上させてしまうのか。

あらかじめ断っておきますが、ぼくはこのような悪ふざけツイートを肯定しているわけではありません。

まず、なぜ悪ふざけツイートをしてしまうのでしょうか。確かに突き詰めるとモラルやリテラシーが低い、ということでもありますが、これはちょっと前に取り上げた承認欲求でも説明ができます。「人と変わったことで目立ちたい」という欲求が、未成年にもかかわらずTwitterで飲酒・喫煙ツイートをしてしまう裏側に隠れている、ということです。

そして炎上させる側も、「それ相応の罰を受けさせる必要がある」「ネットの怖さを知らしめる必要がある」「何度も繰り返しやってしまいそう」などと言った意見があるようです。これはどっちかというと正義感からの行動と表現できますね。
(参考:「ツイッター炎上」をつくるのは誰か 炎上する側、させる側の論理|ザ・世論~日本人の気持ち~|ダイヤモンド・オンライン

では、なんで人は正義感から悪ふざけツイートを黙って見過ごせないのでしょうか。

炎上させる側も実は苦しんでいる?

これも匿名性、顔が見えないコミュニケーション、と言うことを考慮する必要がありますが、実は炎上させる側も心のどこかで苦しみを抱えていることがあります。

人間は弱いものを見つけるとどうしてもいじめたくなる生き物です。自分が気に入らないもの、社会的に許されないものを見つけると「この人は自分より劣っている」と感じ、苦言を呈さざるを得なくなるのです。それによって自分はこの人より優れているんだ、と優越感を覚えることができます。つまり、

「自分に自信がない・・・」「人より明らかに劣っている・・・」と思う

自分より何かが劣っている人を探し当てる

炎上させる

「自分はこの人よりは劣っていない!」と自信を取り戻す

というメカニズムです。これ、発想を転換すると、炎上させる側も何かしらの劣等感に悩まされているとは言えないでしょうか?

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もちろん、悪ふざけツイートについて、本気で「それはだめだよ」と注意している人もいると思います。が、中にはこのような心理で悪ふざけツイートを炎上させずにはいられない人々も存在しているのも、また事実です。

「批判」することがたやすくなった現代社会

ここまでの説明は、「炎上」を「批判」ということばに置き換えてもまかり通ると思います。現代社会は前述のようにTwitter、Facebook、ブログの出現で、誰でも簡単にどんなことでも批判できるような社会になりました。かくいうぼくも、ぽろっと何かに対して批判してしまいがちです(最近はそういうのやめよう、やめようと思ってるんですが・・・)。

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このような悪ふざけツイートではなく例えば何かの意見に違和感を覚えた場合、「こいつは何もわかっていない」と糾弾して相手を自分の意見に染めるのではなく、「この人と自分の意見は違って当然だ」と自己受容できるような感覚を身に着けて、うまくSNSを使いこなしたいですね。

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山本 駿

山本 駿

NPO法人D.Live スタッフ / 高校非常勤教員(社会科) 京都出身。中学3年間不登校。岐阜県内の大学を卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画。主にTRY部や不登校講演事業を担当しながら、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。