不登校の子どもが入学式・始業式を迎えるにあたって、親の気持ちの持ち方
いよいよ入学式や始業式が始まりますね。
この記事は、不登校のお子さんを持つ保護者さんが、入学式や始業式を迎えるときの心構えを助けるものになればと思っています。
まずはご入学・ご進学おめでとうございます。
近所のお家と同じような気持ちで入学式・始業式を迎えられないことに、「どうしてウチだけ、、」という思いもあるかもしれません。だからこそおめでとうございますから始めさせてください。
さて、いよいよ春休みも終わって入学式や始業式が目前となりました。
「今のところ子どもは学校に行くらしいけど、本当に大丈夫?」
「担任の先生は誰なんだろう。新しい先生だったら引き継ぎは上手くされているのか?」
「〇〇さんとは別のクラスにしてほしいと言ったけど、どうなったんだろう?」
などなど、もしかするとお子さん以上に入学式や始業式を心配されている保護者さんもおられると思います。
今日は入学式や始業式の心構えについての記事ですが、結論から書きますと曇りの日の遠足の準備と同じです。天気が怪しい日の遠足の日って、遠足の用意と学校に行く用意とどちらもしますよね。あんなふうに学校に行く・行かないの両方あり得ると考えておきたいです。
これはお子さんのためだけでなく、保護者さん自身のためにもなります。有り体に言ってしまえば、がっかりしないために両方の心構えをして欲しいのです。
「年度も変わったし学校行ってくれるだろう。子どもも入学式は行くと言っているし」だとか「始業式と2日目は行けたし、もしかしたらこのまま学校行けるかも」のように、学校に行けるだろうという期待だけを持っておくと、そうならなかった時にどうしてもがっかり感が出てしまいます。
年度はじめだからお子さん自身もうっすら「行けるかも?」と期待感を持っています。持っているからこそ、このがっかり感が心にズシンときます。学校に行けなかったとき、お子さんは自分で自分にがっかりします。「あぁ、やっぱり行けない。自分はダメなやつなんだ」と。
その上に、保護者さんや先生からのがっかり感を感じてしまうとどうなるでしょう。もはや学校どうこうではなく、自分はダメなんだとさらに自責の方向に向かってしまうかもしれません。こんなパターンは、保護者さんの望むところではないはずです。
ですから、どれだけお子さんが「行く」と言っていても、行かない選択肢や行かない可能性もクールに勘案しておきましょう。行けなかったら、それを話題にしなくて構いません。いつも通りに過ごしましょう。おそらく学校の先生から連絡は来るでしょうから、年度が変わって改めて確認しておきたいことを話すだけで十分です。
もし学校に行ったなら、そのことを褒めるのではなく、その日の出来事を話すだけで十分です。
「学校どうだった?」ではなくて、「知ってる人いた?」とか、「席は後ろの方?」などの答えやすそうな質問から始めるほうが聞かれる方は答えやすいと思います。お子さんが話したそうにしているなら、「今日はどんなことあったの?」と聞いてもいいです。
このとき、「明日も行く?」と確認しなくても大丈夫です。「明日はどっちでもいいよ」くらいで構いません。先生が明日も来てねと言ってる可能性があるので、「先生には明日も来てねって言われた?先生に言われたとしても、どっちでもいいと思うよ」で良いと、個人的には思います。明日のことを考えるよりも「今日は学校に行けた!それだけで花丸!」とお子さん自身が感じられる方が大事です。
最後に、どうしてこのような心構えでいることをお伝えするかの理由についてお話しします。
これまでたくさんのご家庭から不登校に関する相談を受けてきました。どのご家庭のお子さんも、だいたい入学式や始業式はがんばります。でも、どうしても息切れしちゃうんですね。期待感と頑張ろうという気持ちで。
一週間がんばって行けなくなった子や、一か月がんばったあとのテスト終わりから行けなくなった子も珍しくありません。ゴールデンウィークが終わるくらいまでは、行く・行かないのどちらもあるだろうという気持ちでいる方が、どうなってもお子さんの心に寄り添いやすいと考えます。