【11.11 不登校のおはなし会レポート】「不登校の保護者」がつながるということ

11月11日、「不登校のおはなし会」の第5回目を開催しました。

10名の定員が満員になった今回の「不登校のおはなし会」のテーマは、ずばり「フリースクール」。

弊団体もこの春からはじめた「フリースクール」という居場所はいったいどういうものなのか、実際にフリースクールに5年半通っていた経験がある私・山本がお話させていただきました。

結局、フリースクールってどんなところなの?―その3:保護者の関わり編」にも書きましたが、フリースクールは(毎日通うのは子どもたちですが)子どもだけの場所ではありません。たとえば不登校の子を持つ保護者がつながる場所としての機能も備わっています。

僕自身でもそうなのですが、学校へきちんと通う子どもが多いというこの世の中で、「実は自分不登校だったんだよね」という共通項を持つ人と会えると、ものすごく嬉しくなります。あとで知り合った人が不登校だったと聞いて「え、そうだったんですか!?」とびっくり仰天したことも幾度となくあります。

いつ不登校になってもいいように、と普段から不登校に関する情報を収集している親はほぼいないと思います。親自身が不登校ではなく、かつこれまでいろんなところで得た子育ての知識があるからこそ、子どもがいきなり不登校になると「どうすればいいんだろう?」と逆に迷ってしまうのでしょう。

そこでもし、同じ「不登校の子をもつ保護者」と知り合えたのなら。その気持ちをわかってくれる人と出会えたのなら。

僕は想像することしかできませんが、砂漠のオアシス以上に癒やしになるのだろうな、と思います。

今回の「不登校のおはなし会」、実は僕がお話したこと以上に印象的なことがありました。

2つのテーブルで、それぞれの話題が止まらないのです。

「うちの子はね、こういうことがあってね・・・」
「うわー!それすごいわかります!」
「それはね、きっとこういうことだと思うよ」

では、そろそろ休憩の時間となりますので・・・とアナウンスしても、話が止まることはありませんでした。あとで聞けば、なんと「不登校のおはなし会」の参加者発信でLINEグループまでできたんだそうです(!)。

「不登校のおはなし会」には、いま弊団体が不登校の子どもたち向けに運営している「昼TRY部」の生徒の保護者ではない方も来られます。そして滋賀県内はもちろん時々片道2時間かかるようなところからお越しになられる方もおられます。

それはつまり、「不登校」という共通項で繋がれる機会が少ないことを意味しているのかもしれません。

フリースクールは私設のところが多く毎月の費用がかさむのが現実です。少し遠いところに通うとなると定期券も必要になります(これは学割を発行できる場合があります)。以前引用した「フリースクールに通う不登校の生徒は全体の3%」というのも、こうした金銭面がネックになっている可能性も否めません。

だからこそ、もっともっと気軽に不登校のことを情報交換したり、悩みを打ち明けられる場が今求められているのだと痛感します。

それは、こうして「おはなし会」と銘打った場ではなく、お母さん同士でランチに行ったり、午後の1時間だけでもカフェでお茶をしましょうか、という場であってもいいと思います。たとえわずかな時間であっても、自分の思いを受け止めてくれる、あるがまま話すことのできる空間は、とても重要なのです。

会の最後、参加者の皆さんに感想を「漢字一文字」で表現してもらいました。

どれもとても前向きな感想でした。フリースクールという枠組みを超えて、不登校に関するお話もさせていただきましたが、それが何かのきっかけになったらいいな、と感想をお聞きしながら感じました。

拙い話で恐縮でしたが、ご参加いただいた皆様に厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

次回予告:12月の「不登校のおはなし会」は父親特集!

次回の「不登校のおはなし会」は12/10(日)に開催します。

テーマは「不登校 父親にできること」。普段仕事で家を空けることの多いお父さん。仕事を休まない限り「昼間の我が子」の状態を又聞きしか出来ないその立場で、不登校の我が子に対していったいどんな関わりができるのかを、年内最後にじっくりと考えていきます。

実際に不登校のお子さんをお持ちのお父さんをゲストにお招きすることも決まりました。いつもはお母さんが多い「不登校のおはなし会」ですが、今回はお父さんにもご参加しやすい日取りとなっています。もちろんいつものようにお母さんのみの参加、またご夫婦での参加も大歓迎です。

毎回あっという間に定員が埋まってしまいますので、お早目のお申込みをオススメいたします。ご参加お待ちしております!

イベント詳細

日時

12月10日(日) 14:00~16:30

参加費

1000円

プログラム

・自己紹介
・話題提供「不登校 父親にできること」
・質問タイム
・参加者みんなで話す時間
・ふり返りやアンケートなど

 

◆ 話題提供

・子どもが学校に行けなくなったときのお父さんの気持ち
・お母さんとどんなことを話し合ったか
・お父さんはどんな風にお子さんと関わっているか

 

定員

10名程度

会場

コワーキングスペースMaghouse
(JR瀬田駅最寄り)
アクセスはこちら

お申し込み

・メールでのお申し込み

件名を「12/10 不登校のおはなし会参加」とし、

本文に、お名前・ご住所・ご連絡先を明記のうえ、info@dlive.jp にメールをお送りください。

※こちらからのお返事が届かないケースが増えております。迷惑メール対策をされている方は特に、info@dlive.jpのメールが届くよう設定をお願いいたします。

主催

NPO法人D.Live

お問い合わせ先

info@dlive.jp

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この記事を書いた人

子どものころより人一倍敏感な特性を持ち、中学3年間を不登校で過ごす。大学卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画し、現在は通信制高校教員を両立しながらTRY部や不登校講演事業を中心に担当。HSP(Highly Sensitive Person)特有の繊細さを活かし、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。

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