安心できる場所があれば、勉強の意欲も高まる〈TRY部 授業レポート〉

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さて、いきなりですが「安心できる場所」ってどういうところをイメージしますか?

自分を受け入れてくれるところ。
ありのままを見てくれるところ。

友人関係だと、気の置けない関係というやつでしょうか。

大人だと、自分から「安心できる場所」をつくることができます。

職場の人間関係で疲れても、同級生と飲んでいるときには、言いたいことが言えます。

でも、子どもにとっての居場所は、家と学校しかありません。

にもかかわらず、学校が安心できる場所とは言いがたいのです。

「失敗すると責められる」
「空気を読んで人間づきあいをいないとダメ」

学校が悪いというより、ある意味、社会がそういう環境なのです。

ずっと居心地が良いところにいられるなんて、かなり贅沢ですよね。

よく大人は、「社会に出たらそうなんだから、学校もガンバれ!」って言います。

しかし、以前とは比べものにならないくらい、子どもの人間関係は難しくなっています。

スマホの登場によって、子どもの人間関係が大人からは見えない。
学校以外の場所でも、学校の人間関係が付きまとってくる。

すると、グループや友人関係の付き合いでの失敗が、致命傷になる可能性があります。

自己主張の苦手な子。
うまくコミュニケーションがとれない子。
しゃべりベタな子。

そんな子どもたちにとっては、とてもしんどい時代です。

さらに、これから学校はアクティブ・ラーニングがどんどん増えていき、協同学習が多くなっていきます。

発表、対話、意見交換。
コミュニケーションの時間がどんどん増えてくる。

苦手意識を感じている子にとっては、学校は全然安心できるところじゃありません。

毎日、苦手なものを食べさせられるような感じです。

イヤになりますよね。

それでなくても、たくさんの人たちがいる学校では、心を許すことが難しい。

みんな多かれ少なかれ、仮面をかぶって生活をしています。

嫌われないように、空気を読み、自分を演じます。

そういう状況だと、「私のことをちゃんと分かってくれる」と思えるような友人を作るのは難しい。

自分をさらけ出す。
自分のありのままを受け入れてもらえる。

そんな場所が、安心できる場所だと僕は思っています。

学習意欲の基本は、「安心して学べる場所」です。

失敗しても大丈夫。
どんなことを言っても大丈夫。

なにかに怯えず、安心して取り組めることが、意欲を育む一歩になります。

だからこそ、TRY部では、「安心して学べる場所」づくりをとても大切にしています。

その一歩として、重要なことは、生徒同士が、お互いを信頼することです。

信頼をどうやって作るのか?

「信頼しなさい」と言ってもダメです。

ポイントは、どれだけ自分をさらけ出せるか、です。

自己開示と言いますが、お互いに自分自身をさらけ出すことが出来れば、信頼が生まれます。

「ここまで開けっぴろげに話してくれた」と思えると、「この人になら、どんなことでも話せる」と思えるのです。

そんな自己開示をするためのワークを、この日はおこないました。

新しい生徒が入ることになり、生徒同士が「あまり知らない」という状況でした。

そこで、まずはお互いのことをよく知り、信頼関係を築いていこう考えました。

準備運動としておこなったアクティビティは、「旅行トーク」

日本地図がかかれた白地図を用意し、行ったことがある県を色鉛筆で塗っていきます。

「広島県に行ったことがあります。修学旅行で行きました。お好み焼き美味しかったです」

行った県と一言コメントをして、次の人へ。

自分が行ったところなので、簡単に発言できます。
同じところへ行ったことがある子も多いので、共通項が生まれ、共感につながります。

思った以上に盛り上がりました!

次におこなったのが、メインのワーク。

『他己紹介をしよう』です。

他己紹介とは、自己紹介のように他人を紹介する方法。
お互いにインタビューをして、相手のことをみんなに紹介します。

このとき、安心してインタビューをするため、ある仕掛けをしました。

なんだと思いますか?
どうすれば、子どもたちが安心してインタビューができるでしょう?
どんなことでも言えるでしょうか?

ワークの説明をしたあと、僕は生徒に向けていいました。

「では、21時にここへ帰ってきてください。インタビューは、どこでやっても構いません。時間管理も任せます。それでは、いってらっしゃい!」

そう。
大人から見えないところへ行かせたのです。

大人が見ていると、「見られている」という意識がはたらき、「ちゃんと言わないとダメだ」という気持ちになります。

実際、僕たちの手から離れた子どもたちは、すごく和気あいあいとインタビューをしていました。

僕たちスタッフは、こっそり壁に隠れて、聞き耳を立てていました。

「実はな、女装してみたいねん。女装用の服ではなく、女物の服を着てみたいねん」
「クラスに気になっている人が何人かおるねん。まぁ、まだ好きまでは、いかんねんけどね」

まだ知り合いでもない関係性にも関わらず、ぶっちゃけトークが繰り広げられています。

これがまさに、”安心できる環境”だから言えることです。

学校で、「女装してみたい」と言ったらどうでしょう?

批判される、笑いものにされる、噂にされる。
ネガティブなことが予想されますよね。

でも、ここはそういう場所ではありません。
大人から離れ、子どもたちだけの環境になったことで、どんなことでも言えるのです。

そこまで心を開いてもらえると、他の子たちも安心して発言ができます。

「ぶっちゃけても大丈夫なんだ」と、思えます。

他の誰にも言えないことも言える、聞いてくれる場所になると、不安や悩みも気軽に話すことができます。

親にも先生にも言えない。
友達にも話せない。

今まで、話すところがなく、自分の中でなんとか押さえ込んでいた気持ちや言葉を発散させることができるのです。

そんな場所があれば、安心して、ガンバろうと思えます。

学習意欲も芽生えてきます。

僕たちは、TRY部をそんな”安心できる場所”にしたいのです。

TRY部 体験したいかた募集

対象:中学1年生 〜 大人だけの参加もOKです。
(大学生も参加できます!)

参加費:無料

場所: 草津市立まちづくりセンター(JR草津駅すぐ)

持ち物:筆記用具

受付日:毎週月曜日に体験を受付しております。

時間:19時15分までに草津市立まちづくりセンターの教室にお越しください。

申込み方法:info@dlive.jp まで、「TRY部体験参加」と記入し、お名前と学年(年齢)、簡単な動機、参加希望日を書いてお送りください。

※ お問い合せもinfo@dlive.jpまで

TRY部の詳細についてはこちらから

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田中 洋輔

田中 洋輔

1984年 大阪生まれ 立命館大学文学部卒 好きなものは、Mac/ライフハック/ラーメン プロ野球選手を目指すも、強豪校へ入り挫折し不登校に。大学に進学するも、引きこもりになる。周りの支援で復活。「自分のようにしんどい思いを子どもたちにさせたくない」と思い、2009年、学生時代にD.Liveを立ち上げる。不登校のときの話しや自尊感情(自己肯定感)に関する講演や研修をおこなう。夢は、「能力や環境に関係なく、全ての子どもが自分の未来に期待出来る社会をつくる」こと。学生時代は、お笑い芸人として漫才をしていた過去をもつ。