【活動レポート】不登校の本当の解決に必要な期間について|学び舎傍楽での不登校のおはなし会

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こんにちは。

D.Liveスタッフの得津です。

 

 

 

先日、京都の町屋「学び舎傍楽」でおこなわれた不登校のおはなし会に、ゲストとして話題提供してきました。

話題提供と言っても、ぼくはほとんど話していません。それよりも、学び舎傍楽の主人である駒井さんに、子どもが不登校になったときの心の葛藤についてインタビューさせてもらうような形で進行しました。

 

不登校になった子どもを成人させた経験のある駒井さんだからこそ言える熱のこもったお話に、終始うなずきっぱなしでした。

特に、子どもの不登校が解決するのは何ヶ月じゃなくて何年もかかるとおっしゃっていたことが強く印象に残っています。

 

元々この言葉は、駒井さんのお子さんが不登校になった当時、駒井さん自身が不登校の親の会に参加されたときに主催の方から言われた言葉だそうです。初めてこの言葉を聞いたときは、「何年もかかるのか…」と長い長いトンネルが続くような気持ちだったとおっしゃっていました。

 

言われてショックだった言葉を、あえて参加された保護者さんたちにも伝えるのは、子どもをどうにかしようとする視点ではなく、自分自身の気持ちやあり方に目を向けてもらうためなのだと、お話を聞いて感じました。

 

課題を解決するように、あるいは病気を治療するように子どもと関わっていてもうまくいかないそうです。というのも、お子さんが成人し、働き出してからしばらく経ってからも、「あれが嫌だった、これが嫌だった」と言われることが続いたそうです。ですが、自分自身の気持ちや考え方について、それがどんなところから来るのかを考え、自分自身について理解を深めるようになりだした頃、お子さんとの関係が良好になったというエピソードをお話してくれました。

 

 

自分の考え方がどこから来ているのかを考えるなんて、ちょっと難しい話に聞こえるかも知れません。ですが、私たちはそれがオリジナルの考えと思っていることでさえ、かなり外部からの影響を受けています。

例えば、世代。ゆとり世代、さとり世代、Z世代などなど。世代を表す言葉はたくさんありますけど、この世代間における考え方の違いや、ある世代しか持っていない独特の考え方なんてものは、世代の中にいる人たちにとってはなかなか気付きにくいものなんです。

 

ジェンダーに対する理解や考え方が、ここ数年では好例だと思っています。

個人的に、すごく大きな変化だと感じているのですが、同性の恋愛を描いた作品が一気に増えました。ドラマや映画だけでなく、Twitterやインスタの創作マンガのような裾野のところでも、同性の恋愛を当たり前の恋愛ものと同じように描いている作品が増えています。そこに変な性愛描写を入れることなく、これまで少女マンガで展開されていたような恋愛劇を、男性同士や女性同士でも当たり前のように描いています。

 

おそらく一昔前だと、そのような作品は普通の恋愛ものとして受け入れられなかったでしょう。ですが、令和の時代を生きる子どもたちにとっては、同性愛も普通の恋愛の仲間で、何もおかしいところはないと思っています。少なくとも、我々大人の世代よりも、おかしいところはないと思いやすい時代を生きています。

 

 

不登校についての考え方も同じです。

ボランティアを希望する学生さんの動機が変わってきました。

 

数年前だと、「自分も不登校の経験があって、その経験を生かしたい」という、当事者性を持った学生さんからのエントリーが多かったのですが、今は違います。不登校になるのは別に悪いことでも特別なことでもなく、ただ、そうなったときの居場所が少ないことに問題意識を持っている学生さんのエントリーの方が多い。

自分に当事者性がなくても、自分に合わないに居続けることは良くないと知っている学生さんが多いです。

 

 

このように、相手や世代と比べて、自分の考え方がどのような要素で成り立っているかを把握することを、哲学者の内田樹は、自分をカッコに入れる。あるいはマッピングすると言いました。簡単なことではないと重々承知していますが、不登校の本当の解決への道は自分をマッピングすることから始まるのかも知れません。

 

 

そして、それが簡単でないからこそ、駒井さんは自身が主催する不登校のおはなし会を、温かい場にしたいとおっしゃっていました。以前、自分が参加してた親の会は温かい方ばかりだったからこそ、自分も同じようにしたいと。

 

あくまで一個人の感想ではありますが、駒井さんの想いが体現されている会でした。D.Liveでも不登校のおはなし会を実施していますが、うちでは出ないような話題にも話が及びました。夫婦間での足並みであったり、子どもの不登校を受け容れきれない自分の心情の吐露であったり。

 

 

子どもが不登校の辛さから本当の意味で楽になれるのは、長い時間がかかります。

残念かも知れませんが、不登校支援をしている経験からも実感として感じています。

 

いま、親として感じている辛さがずっと続くわけではありません。悩みごとや心配に思うことも、日が経つごとに変化していきます。気持ちが楽になることだってもちろんあります。でも、渦中にいる「いま・ここ」の辛さがあることもまた事実です。

 

だからこそ、人目をはばからず自分の気持ちを吐き出せる場所が必要です。

コロナ禍で、D.Liveでも思ったように不登校のおはなし会を開催できていないのですが、定期的におしゃべりできる機会を作っていこうと改めて感じた次第です。

 

今回お世話になった学び舎傍楽さんのイベント情報はこちらから

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得津 秀頼

得津 秀頼

D.Live副理事/元小学校教員 自分に自信が持てない、自分を好きになれない、そんな人が自分を好きになり前向きにチャレンジできる社会を創るためにD.Liveを立ち上げた。 自尊感情に関心が高く、D.Live内では主に自尊感情に関する事業を担当。