【12.12 講演】千葉で”クラウドファンディング成功の要因“について授業をしてきました。

千葉商科大学の『ソーシャルファイナンス』にてお話させていただきました。

「クラウドファンディングのことについて話して欲しい」というお声をいただき、千葉へ。
(最近、クラウドファンディング関連での講演依頼多いです)

 

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『子どもの自信白書』を発行するために取り組んだクラウドファンディング。
初日で目標の60%が集まり、最終的に150%(80万円近く)を達成することができました。

 

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いろいろ成功の要因があるのですが、1つとても気をつけたことがあります。
そのことについて、じっくりお話をさせていただきました。

 

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キティ・ジェノヴィーズ事件をご存じでしょうか?


キティ・ジェノヴィーズ事件とは?(Wikipedia)

この事件では、深夜に自宅アパート前でキティ・ジェノヴィーズ(1935 -1964年)が暴漢に襲われた際、彼女の叫び声で付近の住民38人が事件に気づき目撃していたにもかかわらず、誰一人警察に通報せず助けにも入らなかったというものである(ただし深夜だったので「女性が襲われている現場」を目撃したわけではない住民も含まれている可能性がある)。結局、暴漢がその後二度現場に戻り、彼女を傷害・強姦したにもかかわらずその間誰も助けには来ず、彼女は死亡してしまい、当時のマスコミは都会人の冷淡さとしてこの事件を大々的に報道した。

この事件について詳しく考察した心理学者のラタネとダーリーは、

『報道のように「都会人の心が冷淡だから」誰も助けなかったのではなく、「多くの人が見ていたために」誰も助けなかったことがわかった。事実、キティ・ジェノヴィーズ事件では、多くの住民が他の住民も事件を目撃していることに気づいていた。』

と結論づけました。

 

それを“傍観者効果”といいます。

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クラウドファンディングや寄付は、まさに傍観者効果がおこりやすいのです。

誰かがやっている“良いこと”は、自分にとってはそこまで大きくない。
「まぁ、誰かが助けるだろう」と思ってしまうのです。

傍観者効果を防ぎ、どうやって寄付をしてもらうか。
クラウドファンディングに支援してもらえるのか。

 

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キーワードは、「一体感」です。

 

社会心理学者のロバート・チャルディーニは、共感は援助を求めている他者との「一体感」と直接結びついていると言います。

どういうことか、もう少し詳しくご説明しましょう。

 

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活動をしている人(私)と寄付をしてくれる人(あなた)には、高い壁があります。
この壁をどのように取り除くのか。

それは、(あなた)を(私)のほうへ連れてくること。

 

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(私たち)になれば、一体感が生まれます。

 

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傍観者効果の実験では、他者を自分と同じ集団のメンバーだと思う「われわれ意識」が重要だと言われています。

他人ではなく、仲間だと思うと「助けたい!」という気持ちがはたらくのです。

そのために、今回のクラウドファンディングでは、「私がガンバっています」ではなく、「私たちでガンバりましょう」というPRをしていきました。

「私たち」とは、子どもと関わる大人みんなです。

保護者や教育関係者を「We」にすることで、「私たちのプロジェクト」という気持ちになってもらうことを意識しました。

結果、クラウドファンディングに支援してくれる7割は知り合い(3割が知らない人)だと言われている中で、47%もの人が私たちと出会ったこともない方々でした。

目次

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授業を終えて

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授業へお誘いいただいた先生からは、「授業を聞いている生徒の目がとても真剣だったのが印象的でした。実際にクラウドファンディングに挑戦した上での実例だったので、とても具体的なノウハウを聞かせていただけたのが、すごく良かったです。」とおっしゃっていただきました。

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少人数だったので、生徒たちを後ろの席に集めてパソコンを持ちながら授業をおこないました。

一方的に話すだけではなく、双方向な感じでやりたいのです。

授業の中では、グループワークも実施。
おとなしい感じだったので少し不安でしたが、みんな真剣に考え、話し合っていました。

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大学の講義は、とても時間がかかり大変ではあるのですが、大学生と対話しながらの授業づくりはとても楽しいです。

なにより、自分の中で理論などを整理できるとても貴重な機会になります。

これからも、クラウドファンディングや自信など、様々なテーマで大学で講義をしていきます。
(来週も立命館大学の大学院でクラウドファンディングに関しての講義をおこなってきます)


ご依頼、いつでもお待ちしております。
全国へ飛びます!

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この記事を書いた人

1984年 大阪生まれ 立命館大学文学部卒

中学時代は、部活に打ち込み、勉強では学年で常にトップ10以内。
しかし、中学3年生のときから学校がしんどくなり、誰とも話さなくなる。
野球選手を目指し、大阪の野球強豪校へ行ったものの、自信を失い退部。そこから学校へ行かず、河川敷で過ごす毎日をおくる。
浪人して立命館大学へ入学したものの、なにをしたいかが分からなくなり、行く意味を失う。1回生の夏から1年ほど、京都の下宿で引きこもる。
友人の支えもあり、復活。政治家の秘書やテレビ制作などのインターンをおこない、期間限定のカフェも開く。「自分のようにつらい思いをさせたくない」と思い、D.Liveを立ち上げる。
フリースクールや自信を取り戻す教室を運営。不登校に関する講演や講座もおこなっている。
京都新聞にして子育てコラムを連載中。
詳しいプロフィールはコチラから

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