新型コロナウイルスによる休校措置で戸惑う子どもたちに今、大人がすべき関わり方4つ

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感染が拡大する新型コロナウイルスへの対策のため、政府は3月から全国の公立全小中学校に対して休校措置の要請を行いました。滋賀県内では長浜・彦根・近江八幡など14市町が3月2日から、大津・草津・守山・東近江の4市が3月3日から、野洲市のみ3月4日から学校閉鎖となるようです。

今回の対応に関してさまざまな意見が飛び交う中で、僕個人の意見を先に結論として書かせていただくと、

「新型コロナウイルス対策」にばかり気を取られすぎて、むしろほかのリスクや危険に子どもを晒す結果になってしまったらまったく意味がないのでは?

と考えています。

多くの問題点、課題点が出される中で、今回の休校措置により学校への登校が強制的に止められる形となりました(一部自治体は自由登校の形をとっているようですが)。また卒業式にも大きな影響が及ぶ状況となり、子どもたちがひどくがっかりしたり、大きなショックを受けている様子も察することが出来ます。

生死のリスクや心身の健康を損なうリスクは、何も「新型コロナウイルス」だけではありません。繰り返しますが、「新型コロナウイルス対策」にばかり気を取られすぎて、むしろほかのリスクや危険に子どもを晒す結果になってしまったらまったく意味がないのです。

では、心身の健康を損なうことなく、新型コロナウイルスへの対策を十二分にした上で、今回の休校で落ち込む子どもたちに対していま私たちができることは何なのか。

各自治体で続々と休校措置の日程が決まる中、僕自身も個人のnoteにて対応策をとりあえず2つまとめて公開しました。これを踏まえつつ、改めて週明けから私たちはどのようにして「休校期間中の子どもたち」と向き合っていくべきか、4つの視点から考え直したいと思います。

「しんどい思い」を、とにかく吐かせる

「学校が休みになってラッキー!」という子がいますが、同様に「学校が休みになってひどく憂鬱」という子もいます。僕も日々いろんな子どもたちと接していますが、「家にいるほうがしんどいわ」と、特に用がないにもかかわらず学校や居場所などに顔を出す子もいます。

おそらくこの休校措置、しかも「自宅待機」という状況で一番しんどい思いを強いられているのはこうした「家にいるのがしんどい」子どもたちだと思います。こうした子どもたちのことについては後述します。

「学校が休みになってラッキー!」という子に関しても、その気持ちが休校措置期間中にずっと続くとは限りません。友達に会えない寂しさ、延々と続く単調な日々が苦痛だとそのうち訴える子どもはこれから先、確実に続出することと思います。

こういうとき、外に出てパッと遊ぶことが何よりの特効薬ですが、今回はそれどころじゃない、と新型コロナウイルスが不安に思うご家庭もあると思います。そういうときは、とにかく「しんどい思い」を言葉にして発散させるだけで、ずいぶんと気持ちが楽になるものです。

この「しんどい思い」は、絶対に否定してはいけないものです。

「お母さんのほうが大変なんだから」「そう思うなら勉強すれば?」などと言ってしまったらもう、「おしまい」です。ただでさえ自宅待機なのに、子どもからすればその自宅が一気に息苦しいものになることは間違いありません。

大人でもそうだと思いますが、外に居場所がなく、ずっと家にじっとしていなければならないのは本当に苦痛であり苦行です。子どもたちがこの点にSOSを発したのなら、まずはその素直な気持ちを受け止めてあげてください。

また前述しましたが、今回の休校措置により卒業式の規模がだいぶ縮小される傾向となっています。多いのは「在校生出席禁止」という形式で、これはつまりどれだけ先輩の晴れ姿や門出を祝いたくても在校生が参列するのは許されないということになります。

そうした残念な気持ちも、大人(先生方)はキャッチアップしてあげる必要があります。

「家での時間の過ごし方」を工夫する

たとえば通信制高校のN高等学校が、3月1日より学習アプリを無償公開しはじめました。N高に限らず「Think!Think!」という教材アプリも1ヶ月間無料になるなど、休校措置に伴って自宅学習を充実させるアプリやサービスを無償提供する企業が多く出ています。

またNHKでは子どもたちに向けて『パプリカ』のダンス映像を毎日数回放送することを決めたり、個人レベルでもペーパークラフトを公開しているサイトをまとめた記事を公開するなど少しでも子どもたちが家で手持ち無沙汰にならないような情報を積極的に発信されています。

そして、仲良くさせていただいている奈良県田原本町でフリースクールを開いている「奈良スコーレ」さんでは、この機会にオンラインで教室を開くなど、各団体の動きも活発化しています。

この休校措置の期間中は各自治体「自宅学習」を奨励しています。中には学年によって目安となる自宅学習の分量を指示している自治体もあるようです。もちろんこれらの学習もさることながら、普段ではなかなか出来ないような学習にチャレンジするなど家での時間を工夫することも大切な関わり方の1つです。

「外の居場所」を利用することを考える

ここまでは「自宅」という環境での関わり方を紹介しました。しかしこれらは逆に言えば「家にいるのがしんどい」子どもたちにとってはあまり役に立たない情報だとも言えます。

「しんどい思い」にしてもいろいろあります。家での時間が増えると、たとえば兄弟が鬱陶しいとか、おじいちゃんおばあちゃんの関わりに疲れるとか、そういう「家がしんどいこと」を吐くことのできる場所が必然的に少なくなります。家で家がしんどいことを正直に話せる子どもは少数派だと思います。

新型コロナウイルスの対策も大事ですが、逆に家にいることでストレスがたまりにたまって、心身の健康を大きく損ねてしまったらそれこそ休校措置が本末転倒になってしまいます。冒頭から口酸っぱく書いていますが、僕自身今回の休校措置で一番危惧しているのはここの点です。

そこで僕は、自宅待機ということにはなっていますが、「外の居場所」を積極的に利用するのもひとつの過ごし方であり、少しでもこの休校の時期を健康的に過ごすひとつの手段である、と思います。

実際、弊団体をはじめ、全国の様々な団体が休校期間中の子どもたちの受け入れを表明していますし、岐阜県のとある会社では休憩室を開放して従業員の子どもを預かることを決めたようです。いくら自宅待機とは言え子どもたちが逆に家に閉じこもってしまうことのないようにするのも大事なことです。

もちろん、この居場所を利用することで新型コロナウイルスに罹患してしまっては元も子もありませんので、居場所を開放する団体や組織はアルコール消毒や手洗いの徹底など十二分な対策を行う必要性があります。また子どもたちの側も、毎日ではなく週2~3回の利用、といった対策をしても良いと思います。

なお弊団体の休校期間中の対応に関してはこの記事の最後に触れさせていただきます。

「外にいる子どもたち」に白い目を向けない

各自治体によっては平日希望者に学童を開放したり、学校でも自由登校という形で濃厚接触がない状態で子どもを預かる仕組みを整えています。つまり、休校期間中でも、いくら自宅待機とは言えすべての子どもたちが外に一歩も出ない、ということはまずないでしょう。

これは逆に考えると、普段では少ない平日の昼間という時間帯に子どもたちが道を歩いていたりする光景がしばらく当たり前になる、ということでもあります。

外を歩いている子どもたちはは、みんながみんな「遊びに行っている」わけではありません。僕はこうした決めつけによって、「何をしているんだ!」と無用な怒鳴り声や説教をする大人が出現するのではないか、と非常に不安に感じています。

休校期間中、自宅待機とはいえ、今外を歩いている子どもたちは家に居づらいか家族が不在で、学童なり民間の居場所などへ向かっているだけかもしれません。一概に「休校なのにどこかへ遊びに行くんじゃないか?」などと白い目を向けることはよくないことだと思います。

前述しましたが、外に居場所がなく、ずっと家にじっとしていなければならないのは本当に苦痛であり苦行です。僕自身もめちゃくちゃ身に覚えのある話です。感染対策をしっかりした上で、少しくらいは外にいる子どもたちを受け入れてあげることが大切なのだと思います。

D.Liveの新型コロナウイルスによる休校措置への対応について

最後に、今回の休校期間中による弊団体のフリースクール「昼TRY部」、夜の教室「TRY部」の対応ですが、現段階では両教室ともいまのところ通常通り開室する予定です。また、昨日お知らせしましたが、3月中は別室登校などの子どもたちを各教室で受け入れます。

臨時休校に伴い、別室登校、適応指導教室、通信・定時・単位制高校の生徒を一時預かりします

今回の休校措置により、仕事がどうしても休めずに子どもたちの過ごし方にお困りの保護者の方がおられましたら、一度ご相談ください。詳細は上記のブログ記事をごらんくださいませ。

なお、こちらの対応は、今後の情勢を鑑みて中止する場合がございます。ご了承ください。

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山本 駿

山本 駿

子どものころより人一倍敏感な特性を持ち、中学3年間を不登校で過ごす。大学卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画し、現在は通信制高校教員を両立しながらTRY部や不登校講演事業を中心に担当。HSP(Highly Sensitive Person)特有の繊細さを活かし、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。