教育機会確保法可決から考える、不登校への「上から目線」の違和感

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ちょうど1週間前、とある法案が参議院本会議で可決されました。

不登校の子支援、教育機会確保法が成立:朝日新聞デジタル
不登校の子、国が支援 教育機会確保法成立 – 産経ニュース

この「教育機会確保法」では、不登校児童生徒に対しての教育機会確保のために、国・自治体が必要な財政支援をすることができるようになります。現状フリースクールなどに通うためには月々多額の費用が必要なところもあり、これについては朗報と言えるでしょう。

しかし、どうしても僕には引っかかることがひとつ、あります。

議員立法では当初、フリースクールなど学校以外での学習で義務教育を果たしたとする制度の創設を検討したが、「不登校を助長する」などの反対意見が強く大幅に修正した。

引用:不登校の子、国が支援 教育機会確保法成立 – 産経ニュース

「不登校を助長する」。

この文面は、上記で引用した産経ニュースのほかにも朝日新聞デジタルなどでも用いられています。僕はこの表現に、とってもとっても違和感を覚えました。

「不登校を助長」することで救われる子どもたちもいる、ということ

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助長、という言葉を辞書で引くと、

力を添えて、ある物事の成長や発展を助けること。また、ある傾向をより著しくさせること。「国際交流を助長する」「不安を助長する」

出典:デジタル大辞泉

ということが書いてあります。つまり、フリースクールやホームスクーリングで義務教育を果たすことが可能になれば、不登校というライフスタイルがより発展してしまったり、不登校の傾向に拍車をかけてしまうから、それはまずい。ということなんだろうと思います。

確かに、フリースクールやホームスクーリングでも義務教育を果たしたことにするならば、自治体や地域などで子どもにもしものことがあった場合に管理ができなくなったり、学校に通う子どもが少ないとその分教師の数も減って働き口が減る・・・といった弊害が生まれることを危惧している、と考えるとまだ納得できます。

しかしここでひとつの疑問が生まれてきます。

フリースクールやホームスクーリングで義務教育を果たすことが、本当に「不登校を助長する」ことになるのか。

そもそも、不登校には必ず「理由」があります。先生が嫌、クラスメイトが嫌、学校と言う雰囲気が嫌、朝起きられない、学校に行こうとするとお腹が痛くなる・・・。しかも今挙げた理由にも、例えば「先生が嫌な理由」「朝起きられない理由」というように、さらに理由が存在しています。

今日もまた、全国各地で本当は学校に行きたくないのに、神経をすり減らして1日学校で過ごした子どもたちがたくさんいます。その中には、学校と言う場ではなくフリースクールなど、違った教育の場が実は適している、ということも、ごまんとあります。

「学校」という苦しい場所から救い出すことを、学校が苦しい理由も知らずに「助長するから」と一蹴していいのでしょうか。

あくまでも、フリースクールやホームスクーリングは「一時的な待避場所」であって、最終的には学校に戻ってきなさいよ。今回の「不登校を助長する」という反対意見からはそんな声が聞こえてくるような気がします。しかもそういった意見は、ものすごい上から目線で突きつけるような感覚がします。

「学校に通う」のは大人ではありません。大人の役割は、安心して子どもたちが通える「教育の場」をつくることなのです。その「教育の場」が、必ずしも学校であるとは限らないですし、何よりも子どもたちに対して「上から目線」で作った教育の場なんて、あっという間に子どもたちからの信頼を失ってしまうでしょう。

不登校は「上から目線」で解決するものなのか

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僕は不登校は、「上から目線」では絶対に解決しない問題だと思っています。

精神的に未熟な子どもたちは、「学校に行けないことはだめなこと」と大人が言えば、その言葉をそっくりそのまま信用してしまいます。だからもし学校が嫌でも「だめなこと」だから言い出せない。これって、明確な「上下関係」が成り立ってると思いませんか?

特に不登校の子どもたちは、そうやって何かを強制したり、上から目線で何かを言ってくる大人をひどく怖がります。自分の行動は間違っているのか。人と違う行動をしちゃうのはいけないことなのか。それがひいては子どもたちの自信を奪う要因になります。

教育機会確保法を通して、「不登校を助長する」などと上から目線で考えることで子どもたちが苦しむことのないような環境づくりがなされることを願っています。

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山本 駿

山本 駿

京都出身。中学3年間を不登校で過ごす。2013年岐阜県の大学を卒業後、不登校ボランティアなどを経て2014年夏D.Liveへ。主にTRY部や不登校の講演事業を担当しながら、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。