【講演レポート】不登校と結婚は似ている|滋賀県愛荘町社会福祉協議会

こんにちは。D.Liveスタッフの得津です。

先日、2月15日(土)に滋賀県愛荘町の社会福祉協議会さんにお招きいただき、民生委員さんや自治会長さん。不登校のお子さんがいる保護者さんに向けてお話しさせていただきました。

テーマは、不登校の子どもを理解するためにできること。

 

不登校経験のある大人が多いD.Liveの中で、不登校の経験のない自分が子ども達と関係を築くためにどのようなことをしてきたかをお話ししました。

 

その中で、不登校と結婚は似ているという話が思った以上に聞いてくださった方々からの評判が良く、こちらにも加筆・修正したものを掲載いたします。

 

 

 

どうも、今日はお集まりいただきありがとうございます。

D.Liveの得津です。

 

私たちは昼TRY部というフリースクールを運営しています。日頃、不登校の子ども達と関わったり、面談したりするんですけど、ぼくは不登校の経験はありません。

子どもと関係を築く上で、不登校の経験がなくても問題ないとは思うのですが、やはり勉強するに越したことはありません。ですから、自分はこれまでに不登校に関する本やネットの記事を読んだり、不登校の経験がある方からお話しを聞かせてもらったりしてきました。

 

これまでに読んだ本などでよく書かれているのが、「子どもの悩みに共感してあげてください」というメッセージでした。不登校に限らず、共感しましょうってよく聞きますよね。

 

でも、そんな簡単にはできないですよ。共感って。

そう思いませんか。

 

 

子ども達は、自分が経験したことないことを経験し、自分が感じたことのない気持ちになり、自分が考えたことのないことで悩んでいます。

 

そんな彼らの気持ちや経験に共感するなんて難しいですよ。だったら、共感しようとするより、分からないことから始めた方がいいですよ。

 

この会場に来るまで、『しょぼい生活革命(晶文社)』という本を読んでいました。

ちょうど、この共感に関わる話があったので、ご紹介しますね。

 

誰と結婚したって良いじゃないですか(笑)。どうせ相手はよく分からない人なんだから。100年の恋のつもりで結婚してみたら実際はなんだか全然よく分からない人だったということなんかよくあるわけですよ、結婚では。だったら最初から、理解も共感もさっぱりできないけれども、もののはずみで一緒になっちゃったので、このよく分からない人と一緒に、共同作業で何かを仕上げていくことができたらいいな、と。それこそが奇跡的な達成だというふうに発想を切り替えていったら、みんなもっとお気楽に結婚できると思うんです。

 

 

みなさん、ご結婚されてそれなりの年数を重ねられてると思うんですけど、いつまでたっても相手を理解したなんて思えなくないですか。いつまでたっても新しい一面があるし、自分では理解できない部分がある。自分では買わないものが勝手に増えていくし、自分は興味のない場所に相手は喜んで出かけていく。分からないことだらけですよね。

でもなんだかんだで一緒に暮らしていけるし、愉快に過ごすこともできる。

 

ぼく、不登校の子どもの理解もそれで良いと思うんです。

 

「へぇ、君はそんな風に感じるのか。」

「なるほど、そんなことがあったんだね。」

「そんなこと考えたことなかったなぁ。もっと教えて。」

 

そんな風に相手の経験や気持ち、考え方に驚いたり感心したりすることで、「ぼくはあなたに興味がある」とか、「わたしは君の話を聞いている」というメタメッセージが子どもに伝わるとぼくは思います。

 

実際、いろんな子ども達と話してきましたが、同じ経験をした子どもなんていません。似たようなエピソードもありますが、感じることは一人ひとり違います。まさしく千差万別で、出会うたびに新しい発見があります。

 

分からないことをスタートにすると、子どもの話や行動すべてが新しい発見です。どんどん子どもの新しい一面に気づきます。それだけでも楽しいのに、同じものが好きだと嬉しいし、同じ経験ができるともっと楽しい。

 

 

みなさんも地域の子ども達やお孫さんと会って、学校のグチを聞くようなことがあったら、「わかるよ」とか、「自分も辛いことがあって」とか、別に言わなくてもいいんです。分からないことをスタートにして、とにかく相手の話を聞く。へぇ、とか、ほぉ、と関心を寄せて聞く。もうこっちは鏡みたいな気持ちで聞くだけでいいんです。

 

 

●参加された方の感想

・講師の人が若い人だったので、話が聞きやすかった。

・共感しなくてもいいというお話がためになりました。気が楽になりました。

・不登校の子どもが通える場所を探していたので、教えてくださってありがとうございました。

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この記事を書いた人

D.Live副理事/元小学校教員
自分に自信が持てない、自分を好きになれない、そんな人が自分を好きになり前向きにチャレンジできる社会を創るためにD.Liveを立ち上げた。
自尊感情に関心が高く、D.Live内では主に自尊感情に関する事業を担当。

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