現役先生インタビュー!世界一周する教師【後編】

【現場から見る自尊感情(2)】
小学校で講師として働く森野先生にお話を伺いました。
一度教師になってから、その後さまざまな仕事を経験し、
また再び教師としてこどもと関わっておられる森野先生(詳しくは前編で)。
その原点についてお話を伺いました。
夢を持ったら動きはじめた
先生自身の自尊感情についてお伺いします。率直に、高い方ですか?
今はそう言えますね。でも高校までは低かったです。
大学で、選択肢ができて、自分でいろんなことを決められるようになってから、高まってきました。
自分で決められるようになったというと?
一番大きかったのは夢を持ったことですね。
僕の場合は「世界一周」。
それをしようと思ったら「こういう努力をしないといけない」とか
「コミュニケーション力をつけておかなくちゃ」とか
いろいろやるべきことが見えてきて、
それをひとつずつ自分で決めてやっていくようになりました。
なるほど。逆に大学生になるまではどんな子どもだったんですか。
小さい頃は体が細くて、スポーツができないことが、自分のなかではすごく嫌でしたね。
小学生にとってスポーツできるってすごく重要なことだから。
中学・高校はものが続かないことがコンプレックスでした。
部活も途中でやめてしまったり、やり切ったと言えるものがなかったんです。
高校では勉強ができなくて、モチベーションは恋愛。
当時付き合っていた彼女と早く結婚したいということ。
振られたときは、かなり落ち込みました。
でも、それが県外へ出ようと思ったきっかけになったし、
結果的にはよかったのかもしれません。
そもそもどうして先生になろうと思ったんですか。
いろいろあるけど、大きいのは小学校のときの担任の先生の影響です。
音楽が得意なその先生は、色んなこどものことをよく見てくれている人でした。
たとえば僕は運動ができなくて自信を持てなかったけど、歌うことは好きだったんです。
そんな僕に、6年生を送る会でソロで歌うことを勧めてくれました。
その先生への憧れがずっとあったからですね。
教師として、こどもと関わるときに気をつけてることはなんですか。
こどもの良さに目を向けることですね。
自分でも気づかないところでその子の良さが出ているときがあって。
そのために何かしてくれたら「ありがとう」って伝えています。
自分が大切にしてきたことを、子ども相手にもやっているってかんじです。
自尊感情を高めるために、必要なことってなんだと思いますか。
小さくても夢(目標)を持って動いてみるということ。
できたら達成したほうがいいけど、達成できなくても動くってことが大切だと思います。
インタビューを終えて(沢田)
見た目と中身のギャップがないことでお悩みの、さわやか笑顔の森野先生。
印象的だったのは「自尊感情があると、仕事でうまくいかなくても、
どっかで“自分はできる”って思えるんです」という言葉。
どこかで自分を信じてあげられるのは大切だなぁ、と思いました。
なぜなら、その方が疲れなくてすむからです。
大きな夢でなくても、自分で決めた目標ならきっとなんでも大丈夫。
私もやってみようと思います。