放っておいても、子どもは勝手に人間関係を築ける。【5/2~3「多様な学びキャンプ!」レポート】

令和の2日目、5月2日から3日にかけて「多様な学びキャンプ!」に参加してきました。

これは関西を拠点に、不登校など多様な子どもたちの居場所をテーマとして活動している

奈良スコーレ(奈良県田原本町のフリースクール)
ASOVIVA!(大阪府千早赤阪村のデモクラティックスクール)
びわフリ~びわ湖フリーわいわい(滋賀県大津市の子どもの遊び場)
・D.Live

の4団体に「しょくぱんちゃんねる」というYouTubeチャンネルを含めた5団体がコラボして企画されたもので、D.Liveからは山本がメインで企画運営から参画し、田中が当日の写真撮影担当として携わりました。

ご家族揃ってという参加やお子さんだけの参加、はたまた日帰りや宿泊など様々な形態の参加者をひっくるめると総勢50名以上となる、かなり大所帯のキャンプとなりました。それ故、事前に何度も打ち合わせを重ね、食事のメニューから細かいお金の管理まで、準備は当日朝までかかりました。

その結果、当日の食事の時間は非常に美味しいものが並び、僕も何度も「うまい!」「うまい!」を連発。子どもたちもたくさん用意した食事を楽しんでくれたのが嬉しかったです。

このキャンプでの僕の役目は「司会進行」、要するに先頭立って連絡事項を伝えたり(スケジュールはあってないようなものでしたが)指示系統の把握などがメインの仕事を仰せつかっていたので、各プログラムに深く関わったりする時間はほとんどありませんでした。

つまり何がいいたいかといえば、子どもたちの様子はざっと見ることができていたけど、具体的に誰がどの子と仲良くなったのか、どういう関係を築けているのか、というところまではあまり見えていなかったのです。僕と子どもの関係は築けていても、子ども同士の関係まではほぼわかっていませんでした。

ところが、1泊2日のプログラムがすべて終了し、あとは記念撮影だけ、となったところで、ちょっとびっくりしたことがひとつありました。

このキャンプで初めて出会った中学生男子3人が、別れを惜しそうにひとまとまりになっていたのです。

思えば彼らはこのキャンプの間、スマブラを通して交流を深めていました。そこでどんなやり取りがあったのかは本人たちにしかわかりませんが、「Switchで友達登録しておくから」というやり取りを、それはそれはすごく名残惜しそうにしていました。

僕たちは、「こうしなさい」「ああしなさい」と細かく指示を出していたわけではありません。たとえば夕食は18時から時間を取っているけど、別に18時きっかりにゲームを止めて食事会場に集まっていただきますをするから絶対に来なさい、ということは一言も言っていません。

同様に、「中学生チームは中学生同士で仲良く過ごしなさい」とも言っていません。にもかかわらず、Switchで友達登録してもなお非常に名残惜しそうな中学生3人が目の前にいる。

放っておいても子どもたちは仲良くなるんだな、と痛感した瞬間でした。

たまたま彼らはフィーリングが合ったのかもしれません。しかし前述したように「中学生チームは中学生同士で仲良く過ごしなさい」と僕たちは指示していたわけではありません。つまり、輪から離脱して小学生の子どもたちと遊んだり、場合によれば大人の深い話に参加するという選択肢もあったはずなのです。

誰から言われたわけでもなく、自分からこうやって人間関係を築いていく彼らの姿は本当に頼もしく、こうした機会を企画してよかったな、と思いました。

また、個人的には、似たようなことはやっているけど住む場所も世代もバラバラの各団体のスタッフがこうしてひとつの企画を作り上げていったことがすごく楽しく、とても貴重な経験だったなと思います。

よくよく考えてみれば、普段活動説明会や何かのシンポジウムで顔を合わせることがあれど、各団体のスタッフさんがこうして子どもと関わる機会を目のあたりにすることはなかなかありません。「この人の接し方うまいな~」「あの人楽しそうだな~」と、全体を見渡しつつ勉強になった時間でもありました。

そして、こうした多様な子どもたちを受け入れる団体の「横のつながり」を強化することが、ひいては今居場所がなくて悩み辛い思いをしている子どもたちを救うことにつながる、と考えています。そういった意味でも、今回のキャンプが成功に終わったことは非常に大きいと思います。

末筆になりましたが、今回いっしょに企画運営させていただきました「奈良スコーレ」「ASOVIVA!」「びわフリ~びわ湖フリーわいわい」「しょくぱんちゃんねる」のみなさま、本当にありがとうございました。またこうしたコラボをやりましょう!!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

子どものころより人一倍敏感な特性を持ち、中学3年間を不登校で過ごす。大学卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画し、現在は通信制高校教員を両立しながらTRY部や不登校講演事業を中心に担当。HSP(Highly Sensitive Person)特有の繊細さを活かし、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。

目次