ぼくがどれだけ別室登校でがんばっても通知表の授業態度はCなんです

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「ぼくな。別室登校してるねん。でさ、どれだけ別室でがんばっても通知表の授業態度のところCやで。

ひどくない?教室おるだけで真面目にやってない人らはBもらえるのにさ。」

 

 

そう言って彼は、日頃の学校への不満をぼくに吐き出していた。彼はぼくが開いているTRY部という教室に通う中学3年生だ。TRY部では、自分で勉強の計画を立てたり、学校やクラスへの不満を話して自分の気持ちを整えたりする。

 

彼がTRY部に通うようになって半年ほど経ったが、通知表については初めて聞いた。

 

別室登校というのは、事情があって教室で他の生徒と一緒にすごせない子ども達のための学校の配慮のことだ。保健室だったり、空いている教室だったり、使う部屋は学校によるけれど教室とは違う部屋で勉強したり先生と話したりして1日を過ごすことを別室登校という。

 

そんな彼はとても勤勉だ。TRY部では一週間の生活をふり返って、毎日なにを意識して過ごすかを決めている。中3の彼は受験を控えているので、家でも落ち着いて勉強できるために何ができるかを自分で決めて実践している。

 

 

学校でもその真面目さは変わらないらしい。

「ついつい後回しにしてしまうこと」というお題でぼくや彼も含めて4人で話し合ったとき、彼は後回しにすることは無いと言い切った。後回しにしたら何か困ることが起きるんじゃないかと不安だから、先にやるべきことを片付けてからゲームしたりスマホで動画を見たりするそうだ。別室でも自分がやるべき勉強をもくもくと進めていると言っていた。

 

 

どうしてこんなに真面目に取り組んでいる彼の授業態度がCになって、教室で真面目に授業を受けていない人でもBの評価をもらえるんだろう。

 

当然、彼も受験生だから通知表の成績は内申点として影響する。Cをもらっても良いことなんてない。それでも彼が別室で勉強を続けているのは「受験生だから」というモチベーションだけだ。

 

 

彼の学校への不満を聞いていると、次第に彼の担任への怒りが湧いてきて「真面目に頑張っているんで、成績を配慮してもらえませんかね?」と電話したくなってきた。けれど、そんなことをしてもきっと意味はない。「あなた誰ですか?」と言われておしまいだろう。

 

 

だからせめて考えることにした。

どうして別室登校というだけで授業態度がCになるんだろう。そして、もし彼と同じような評価のされ方をしている別室登校の生徒がいて、その評価の不当さに納得していないのなら、これから書くことが何かの突破口になればと思う。

 

まず、別室登校というだけで授業態度がCになる理由についてだ。

結論からいうと、一人一人の授業態度を細かく評価するのは大変だからだろう。

 

通知表の成績をつけるのはすごく手間がかかる。成績は大きく3つの物事から決めるのが通例だ。テストの点数、ノートやテスト前課題などの提出物、そして授業態度だ。先生じゃない人も想像してほしい。テストの丸付けをして、点数を記録して、提出物は答えを丸写しにしていないかなどの質の細かくみる。クラス数が多い学校だと200人以上の生徒がいるので、この作業を200人分。成績が重要だなんて先生も重々承知しているからミスがないように一人ひとり丁寧にテストも提出物チェックしていく。

 

もちろん毎日の授業とその準備。部活の指導や試合の付き添い。場合によっては家庭訪問に行くこともあるし、学校の運営にかかる事務分掌もこなす必要がある。

 

通常営業でもこれだけの仕事量があるなかで、学期末が近づくと200人以上の成績をつけるという仕事が加わるのが学校の先生だ。毎日少しずつ、他の先生と作業を分担してコツコツやったとしても合計40時間はくだらないだろう。

 

だから、テストと丸付けと提出物のチェックの時点でもう先生はクタクタなのだ。そこにきて授業態度も細かくチェックするとなると一人ひとりの授業の参加度をはかる基準を作らないといけないし、毎回その基準で生徒をみていくことになる。

 

バリバリ仕事をこなせる先生は授業態度も細かくみているだろうけど、テストと提出物のチェックで必死な先生もいるだろう。そんな先生もいるという前提に立つと、別室登校をしている生徒を授業外の空き時間に見に行って、生徒の勉強中の様子や課題の進み具合を見るなんて大変。教室にいる生徒は授業を受けているし少なくともB。別室の生徒は授業を受けていないのでCと一括りにしてしまうこともあるだろう。

 

 

納得はまったくできないけど、理解はできる。

 

では、どうすれば別室登校で真面目に取り組んでいる生徒はB以上の評価をもらえるのだろうか。

ぼくが浮かぶのは「アピール大作戦」だ。

 

 

別室で登校することが認められている学校の場合、生徒だけがその部屋にいることはまずない。安全面でも、学習面でも交代しながら誰かしらの先生が一人は別室の部屋にいることが通例だ。

この作戦の1つ目は、別室担当の先生にアピールすることだ。国語の先生が来たら国語の問題を、数学の先生が来たら数学の問題を取り組み、アピールする。なんなら先生に質問するのも良いし、授業でやったことを聞くのもいい。もし、自分が評価されたい教科の先生がたまに顔を出す程度だったら、そのときにだけ同じことをするのもいい。

 

 

2つ目はダイレクトに言ってしまう。「授業態度Bにしてください」と。正直、なんでこんなに下手に出ないといけないんだろうと、ぼくも書きながら思っている。思ってはいるが、「自分も含めて一人一人の授業態度を正しく評価してください」と正面きって話したら、多分ケンカになるし「じゃあ教室こいよ」と言われたら大変だ。だって教室に入って授業を受けるのだけはどうしてもできないんだもの。

 

なのでお願いする。1つ目のアピールをしている上で「授業態度Bにしてください」と言われたら、真面目にやっているのを知っているだけに先生も断りづらいはずだ。

 

 

自分の考えが浅いばかりに他のアイデアは浮かばないけれど、別室登校だからと不当な評価を受けている生徒たちの励みになれば嬉しい。納得できないのは君だけじゃない。ぼくもだ。

 

最後に、あまり多くはない気がしているけれど先生がこの記事を読んでいたら、別室登校している生徒の学習態度もみてあげてほしい。忙しいのは想像がつくし、手間がかかるのもよく分かる。分かるけれど、中3の彼の訴えがともすれば差別と近い構造なのも先生には分かってもらえると思う。

 

甘い評価をつけてほしいわけじゃない。別室だからという理由だけで評価をされたくないだけなんだ。

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得津 秀頼

得津 秀頼

D.Live副理事/元小学校教員 自分に自信が持てない、自分を好きになれない、そんな人が自分を好きになり前向きにチャレンジできる社会を創るためにD.Liveを立ち上げた。 自尊感情に関心が高く、D.Live内では主に自尊感情に関する事業を担当。