やればできる子「YDK」よりも、本当は中高生は○○○○○○○子「JTK」をめざすべき理由

初めてこのCMを見たとき、ぼくは感心しました。
上手いなと。
実際、一気に広まりましたよね。
YDK。
やればできる子。
「今は全然勉強しないけど、ウチの子だって本当はやったらできるはずだ」
こんな保護者の気持ちを上手にすくった良いCMです。
CMとしてのクオリティは本当に素晴らしいです。
ですが、実際にYDKをめざすのは違うなとぼくは思います。
あくまで、やればできる子なんですよね。
やったらできる。
この「やる」ことは、一体いつやるんでしょう?
誰かに言われた時にやるのでしょうか?
もしそうだとしたら、大人になった時に少し不安になりませんか。
やればできるけど、言われるまでやらない大人になるんじゃないか。
ビジネスマン的な言葉でいえば、「優秀だけど指示待ち」。
そんな大人にならないだろうか。
子どもが社会に出たときのことを考えると、子どものうちは「やればできる子」をめざすのではなくて、自分で取り組む子。
つまり、JTKをめざすべきではないでしょうか。
経済産業省では、2006年から「社会人基礎力」という職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力として、「前に踏み出す力」・「考え抜く力」・「チームで働く力」を挙げています。
中でも「前に踏み出す力」は主体性、働きかける力、実行力の3つに分かれており、社会的にも大人に出るまでに自分で取り組む力を育むことが大切なのがわかります。
視点を変えて、一人の女の子の話をします。
その子は完全にやればできる子でした。
当時、中学生だった彼女は定期テストも常に良い点数を取っていたし、
テスト期間は毎日4時間くらい勉強できる子でした。
集中力もあれば結果を出す力もある彼女。
でも、常にお家の人からの目や声を気にする生徒でした。
「勉強しなさい」とお母さんに言われたからやる。
お母さんが怒りそうなことはしない。決してしない。
お母さんが気に入らなさそうという理由で諦めたことや我慢したことがたくさんある。
そんな彼女は、ぼくたちの教室(TRY部)でよく悩みやグチを吐き出していました。
やればできるけど、自分から何かにチャレンジできない。
自分がやりたいことを誰かに言えない。
ぼくはこのような状態を、「いい子の悩み」と名付け
ています。
親や先生が期待する範囲に収まろうとすることで生まれるいい子特有の悩みです。
このような悩みを抱えている子は、表面的にはいい感じに見えても心の中では孤独感や自信のなさを感じています。
彼女もそうでした。
今はグチを吐くだけで気持ちを整理していた彼女も、
受験が近づくと期待に応え続けることがしんどくなるだろうと予想できたので、
やればできる子から自分で取り組む子になれるよう私たちは働きかけました。
働きかけたと言っても、親への反抗を促したわけじゃありません。
まずはとことん彼女のやりたいことを聞くようにしました。
「いや、無い・・」とか、「えー、でも無理かも」と言っていましたが、じっと話を聞いていると意外とたくさん話してくれました。
これまで自分の中で諦めてきたことが多かった彼女ですから、
話してくれたことは積極的に「それいい!」と認めるようにしました。
彼女が自分で取り組む子になるためにまず必要なのは誰かからの承認です。
自分の中で諦めてきたことを誰かが認めることで、「あ、やってみたいかも」という意識が育ってきます。
次はやりたいことを具体化しました。
やりたいことの中から、すぐ取り組めそうなことを選んでチャレンジの方法を一緒に考えました。
最後にふり返りです。
チャレンジしたことの結果と反省点をまとめて、次のチャレンジを決めました。
はじめは失敗することも多かったですが。次第に彼女は達成感を感じるようになりました。
結果、彼女は親や先生の期待とうまく折り合いをつけながら自分でテストの目標を立てたり、将来のことを考えられるようになりました。いい子の悩みから卒業することができたんです。
自分で取り組む子に必要なのは、まずは子どもが自信を持てない部分を認めてあげること。
そして小さなチャレンジを同じ目線で伴走してくれることです。
これらを通して自尊感情や自己肯定感が育ちます。
自尊感情や自己肯定感を育むことが、自分で取り組む子になるには欠かせません。
子どもが社会に出た時に求められる力と、一人の女子中学生の悩みと成長という視点から
自分で取り組む子になることの大切さ。
そして自分で取り組む子になるために自尊感情を育てることが必要なことをお話ししてきました。
私たちが行ったことを簡単に説明しましたが、具体的にどのように自尊感情を育てていったのか。
それはお家でもできることなのか。
こんなことが気になる方にむけて、4月21日(土)14:00から私たちの授業を体験できる機会をご用意しました。
学ぶの語源は「真似ぶ」だそうです。
授業を体験しながら、自尊感情を育むための言葉かけ一つ一つを持って帰ってください。
限定7名!思春期の子どもの自信をつける方法 -中高生に行った授業を体験して学ぶ!-
■ この講座で得られるもの
・子どもの自信を取り戻す方法がわかる
・子どもと関わる手段が増える
・思春期の子どもがどんなことを考えているか分かる
・子どもの意欲を高める方法がわかる
■ これまでの参加者の感想
ーーいよいよ子どもが思春期と呼ばれる時期に入ったので
ーー何度かこの講座に参加させていただいています。来る
■ 今回のテーマ
「思春期の子どもの自信をつける方法 -TRY部の授業
■ 講座概要
日時: 4/21(土) 14:00 – 16:30
場所: コワーキングスペース Mag House (JR瀬田駅3分)
滋賀県大津市大萱一丁目9−7ワイエムビル202
人数: 7名ほど
対象: 小5〜高3のお子さんがいる保護者さん
参加費:1,000円
お申し込み:https://peraichi.com/
こちらのHPの一番下のフォームからお願いします。
■ TRY部についてはこちらから授業レポートなどをご
http://www.dlive.jp/tryb/