人と比べて落ち込んでしまう大学生に読んでほしい!勇気が出るレオ・レオーニの絵本

 

『スイミー』というお話をご存知ですか?

 

一匹の黒い魚「スイミー」が、仲間の赤い魚たちと協力して自分たちを食べようとする大きな魚たちに立ち向かっていくお話です。大きな魚に立ち向かう方法が痛快で、みんなでとっても大きな一匹の魚に見せて魚たちを追い払うんです。

 

小学校の教科書に載っていることも多いので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

 

この『スイミー』を書いたのがレオ・レオーニです。

レオ・レオーニの絵本は他にも、『フレデリック』というネズミのお話や、ワニの『コーネリアス』。カメレオンが主人公の『じぶんだけのいろ』。自分はとるにたりない部分品だと思っている『ペツェッティーノ』など、たくさんの作品があります。

 

 

多くの絵本を書き、世に残したレオ・レオーニですが、元々はグラフィックデザイナーとして広告業界で働いていました。レオ・レオーニは1910年にオランダで生まれ、ヨーロッパを転々としながら暮らしました。1939年、イタリアのファシスト政権が誕生すると同時にアメリカに亡命しました。アメリカでグラフィックデザイナーとして働き、絵本作家としてデビューしたのは1959年。レオ・レオーニが49歳のときです。

 

ヨーロッパ各国を転々とし。第2次世界大戦や冷戦の時代を生きたレオ・レオーニ。「自分とは何か」という自分探しが彼の生涯のテーマだったそうです。彼のテーマは『スイミー』をはじめ、たくさんの絵本から感じられます。

 

 

 

レオ・レオーニが書く絵本の主人公はおおよそ全て、周りと比べるとちょっと変わったものが主人公です。

 

周りは赤色だけど自分だけ黒色のスイミー。

みんな冬支度をしているのに、一匹だけ太陽や花を見つめてばかりのフレデリック。

みんなは四つん這いで暮らしているのに、二足歩行で歩いて生活するワニのコーネリアス。

 

 

作品の中には、周りと違うから相手にされないことから始まるものもあります。ですが、どの作品においても最後は自分がいることの価値や、「自分とは何か」という問いへの自分なりの教訓を見出します。

 

 

いまの子どもたちを見ていると、自分がやりたいことや将来の夢。自分の個性のようなものを過度に求められすぎている時代ではないかと感じます。特に大学生は就職活動の際に、やりたいことやオリジナリティ、自分の強みを面接で聞かれるから辛いところでしょう。自分と相手を比べて落ち込むことも、ままあると思うんです。

 

 

私が属するD.Liveも法人になり6年が経ちました。これまで多くの大学生がボランティアに来てくれました。

彼らから話を聞いていると、

「周りの先輩はすごい人ばかりで、全然話についていけないことがありました。正直、落ち込みましたね。」

「みんな、焦ってインターンやボランティアをしているなって感じるときがあります。自分もそうですけど、就活のことを考えると何かしなきゃって思うんですよね。」

みたいな声が聞こえてきます。

 

 

この文章を読んでいる大学生のみなさんはどうでしょう。

やっぱり同じようなことを思ったり、感じたことがありますか。

 

 

私自身も学生時代、程度の差はあれど学生ボランティアさんと同じようなことを思ったことがありました。卒業して何年も経った今となっては、先輩や友だちがすごいように見えたのは気のせいだったとか、周りと比べて劣っている部分があってもそれはそれで良いとか思えるんですが、そんなこと言っても悩みの真っ只中にいる学生に彼らには「そう…ですかねぇ…」と腑に落ちない様子です。

 

 

皆さんもきっとそうだと思うんです。

 

ですから、代わりにレオ・レオーニの絵本をおすすめします。小学生の小さい頃は、スイミーやフレデリックは可愛いなくらいに思っていましたが、大学生くらいの年齢になって改めて読むと文章や行間から、「自分とは何か。」という問いにレオ・レオーニが向き合ってきたことが感じ取れます。

 

別に絵本を買えと言っているわけではありません。一冊1500円くらいしますし、たくさんも買えないと思います。ですから、絵本を読みたくなったら大学の図書館や市町の図書館に足を運んでみてはいかがでしょう。

 

あるいは展覧会もおすすめです。レオ・レオーニは人気の作家ですので、たびたび各地で展覧会が開かれています。展覧会に行けば原画も見れるし、レオ・レオーニの生涯を詳しく知れるし、閲覧用の絵本も読むことができます。かくいう私もレオ・レオーニの生涯については展覧会で知った口です。

 

 

人と比べて落ち込んだり、周りが活動しているのを知って焦ったり、就活でお祈りメールばかりもらって先が不安になったり。こういうことが続くと自分がイヤになります。落ち込んだり、自分がイヤになったりするのは自然なことです。

 

そんなときにレオ・レオーニの絵本を、どれか1冊でもいいから読んで欲しいのです。

個人的なおすすめを述べさせていただくなら、『ペツェッティーノ』を大学生の皆さんにはオススメしたいです!

 

 

D.Liveではフリースクール昼TRY部をはじめ、3つの教室でボランティアを募集しています。

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この記事を書いた人

D.Live副理事/元小学校教員
自分に自信が持てない、自分を好きになれない、そんな人が自分を好きになり前向きにチャレンジできる社会を創るためにD.Liveを立ち上げた。
自尊感情に関心が高く、D.Live内では主に自尊感情に関する事業を担当。

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