思春期の子ども達の論理的思考力を鍛えるなら勉強よりも人狼ゲームや麻雀!?

こんにちは、スタッフの得津です。
私たちの運営するフリースクールでは、毎朝15分ほどプチ講義の時間があります。スタッフやボランティアさんが、心理学やバイトの体験談などのお話をする時間です。
このプチ講義で、私は「麻雀で学ぶ論理的思考」という話を生徒たちにしました。
論理的思考やロジカルシンキングというと、書籍などでは筋道を立てて物事を考える力と書かれていることが多いです。多いです、なんて書き方をしましたがそのままズバリこの通りです。ただ、生徒たちに説明するには少し分かりにくい。そこで、生徒たちには、知り合いのコンサルタントさんから教えてもらった定義を話しました。
その方いわく、論理的とは「物事のつながりについて他の人が聞いた時に納得できること」だそうです。
物事のつながりについて他の人が聞いた時に納得できる。
このような思考を鍛えるのに麻雀はうってつけだと私は考えています。麻雀をしない人にとっては、全然ピンとこない話で申し訳ないのですが、麻雀は選択の連続です。相手より先にアガるために、どの牌を残して、どの牌を捨てるか考え続けないといけません。なんとなく牌を残して、なんとなく牌を捨てる。こんなやり方だとあっという間に負けてしまいます。
もちろん遊びなので運要素も高く、思い通りにいかないことの方が多いのが麻雀です。それでも、麻雀を続けていけば、「この役が一番早く作れるから、今はこの牌を捨てよう」「相手の捨て牌は萬子ばかりだから、きっとこの役を狙っているはず。この字牌は捨てないでおこう」のような、誰が聞いても納得できるような考え方が少しずつ身についてきます。
同じような効果は人狼ゲームのような、いわゆる正体隠匿系と呼ばれるゲームでも身につきます。先日、生徒たちとマーダーミステリーという正体隠匿系のゲームをしました。
マーダーミステリーとは、あるストーリーに沿った配役や、ストーリーに関する断片的な情報が与えられて、ストーリーの真相を話し合いながら探っていくというゲームです。私たちが遊んだストーリーは、ある架空の図書館の館長が誰かに殺されてしまう事件が起き、その犯人を探すというものでした。
(過去に遊んだマーダーミステリーのストーリーが書かれたテキストや情報カードです)
マーダーミステリーや人狼ゲームでは、与えられた配役に応じて、出来るだけ聞き手が違和感が感じないように、嘘をついたり、誤魔化したり、推理をしたりすることが求められます。
「〇〇さんは、この時間の行動がわからないから犯人じゃないかなぁ。」
「〇〇くんのいうことが本当なら、■■さんの言うことと矛盾するから、どっちかが嘘をついてるはず。」
などなど、自分の意見に自分なりの根拠を持って説明します。これもまさに論理的思考力です。
数学の証明問題や授業での話し合い活動でも、このような論理的思考力は育ちます。でも、勉強が苦手な子にとっては、話し合うための自分の意見をワークシートに書くことが難しかったりします。その点、麻雀や人狼ゲームは遊びなので気軽です。私たちのフリースクール昼TRY部に通う生徒たちは、麻雀や人狼ゲームなどのボードゲームで遊びながら少しずつ論理的思考力を育んでいます。