子どもを見て感じること vol.3 もっと言葉にこだわって

僕が小学校の先生をしていたときに、よく感じていたのが、
子どもたちの語彙が少ないな
ということです。
ケンカの仲裁をして、原因を聞いてみれば口で伝えれば分かるようなことだったり、
いろんなものの表現が一つの言葉にまとめられていたり。
先日、「戦争したくなくてふるえる」って、ギャルの子がデモをしていましたね。
その特集をニュースでやっていて、ギャルの子が難しいと思うようなことも分かりやすく伝えていきたいというような主旨のことを話していました。
分かりやすく伝えるとは?
分かりやすさ、という所に最近の伝える力や語彙の少なさの原因があるように私は感じています。
デモのことだけじゃなく、いろんな所で「分かりやすく伝えるよう」と工夫されている。
その、”分かりやすさ”を求める中で、元の言葉を簡単に置き換えて実は意味を取りこぼしているものがあったり、「こういう表現じゃないと分からないだろう」という相手の知性への低い評価があったりするんじゃないか。
僕はそう思うことがあります。
あと、曖昧でファジーな、いくつかの意味に取れるようなコミュニケーションの隆盛。
一番流行りなのはLINEスタンプ。
嫌いじゃないですし、僕も利用しますが、こればっかりでやりとりしてる子どもたちを見ると、
「もうちょっと言葉にこだわろうよ」と思ってしまいます。
自分の想いが言葉にぴったり当てはまるときって、知的興奮が高まってすごく楽しいんだけどなー。。。
言葉の獲得
じゃあ、どうやって語彙を増やしたり伝え方を学ぶのって話ですが、
ベタですけど僕は本から学びました。宮部みゆきの小説が中学校のころは大好きで、
短編集をよく読みあさっていました。
今思うと、作家さんはかなり表現や言葉にこだわりますので、語彙や伝え方を学ぶのにはうってつけでした。
当時はわからん言葉もたくさんあって、辞書引いたり、頭の片隅に残してたりしてました。それが苦痛とは思わなかったです。小説おもしろいから。
はじめの第一歩として、「分からないなりに読んでみる」という態度が必要なのではないでしょうか。