【フォーラムゲスト紹介】鳥井新平さん『子どもはいるだけで尊い』

LINEで送る
[`evernote` not found]
Pocket

こんにちは、スタッフの沢田です。
11月8日に開催する「子どもの自信探求フォーラム」。
パネルディスカッションに登壇いただくゲストを紹介していきます。
今日ご紹介するのは、鳥井 新平(とりい しんぺい)さん。

学校法人ヴォーリズ学園近江兄弟社小学校で2年生の担任をされている現役の先生です。

 

近江兄弟社小学校とは

わたしは先日初めてこの小学校を訪れました。
「兄弟社村まつり」と呼ばれる学校開放日で、
児童のみなさんが育てたお米や農作物を販売したり、
粘土やヨシで作った作品を展示したり、ステージ発表などもありました。

教室にはぬくもりを感じる木の机、いすが並んでいます。
また低学年、中学年、高学年ごとに教室がとなりどうしに並んでいますが
壁で仕切られずにつながっていて、廊下から教室の中の様子がわかります。

兄弟社小学校で感じたのは、児童の皆さんが学年を超えて仲が良いこと。
先生方に聞いてみると、全校縦割りでの活動が充実しているそうです。
体育館に集まったとき、少しざわざわしていましたが
「静かにしーや」と高学年の子が声をかけている様子も見えました。

この学校で30年以上教員をされている、鳥井先生。
柔和な笑顔が優しいお人柄を感じさせます。
『子どもの自信白書2015』の発行にもご協力いただきました。
お話を聞いていると“鳥井先生語録”なるものができそうなくらい、
子どもたちへの愛情にあふれたことばができてました。
わたしがココロ惹かれたものを、少しご紹介しますね。

 

『子どもは いるだけで 尊い』

根本的に子どもの存在なり表現なりを100%認めるのが基本です。
いろいろ問題はあっても、とにかくお前は世界に一人だ、いるだけですごいぞという気持ちを根幹にもって接すること。
えてして僕たち大人たちは成績やスポーツなどの物差しで測ってしまいます。
それは社会生活や学校生活を営む上で必要なものですが、
物差しに頼らずに人間としてやっていく気構えがあるなかで、自信が育っていくのだと。
その基本を証明するのは真逆のことを考えたらいいんです。
『子どもがいるだけでいい、尊い』
ではその真逆は、
『子どもに優劣をつける、これができたら認める』といったもの。
子どもの自信はいつしか物差しに合わせることでしか育まれなくなって、次第に萎えていく。
子どもはその価値基準を自分の中にもいれて、他人も見ていくことになるでしょう。

鳥井先生の子どもたちを見る視線がとても優しいのは、
こういう気持ちが根幹にあるからなんですね。
ではその基本の心構えを持ったうえで、具体的に実践してらっしゃることはありますか?

 

『詩、絵、作文など子どもの「表現」を大事にします』

子どもの表現はいろいろある。歌、絵画、身体表現、作文・・。
例えば、「先生、作文一行でもいい?」と言われたら、「いいよ」と言います。
「●●に行きました」と一行だけ書いてきた作文について、ぼくが質問して引き出してあげます。
「誰と行ったの?」「なにをしたの?」「どんな気持ちだった?」 あくまでもその子の表現を尊重します。

また画用紙に絵を書く場合なんかは、自信がない子は一見むちゃくちゃな絵を書きます。
教師は「ちゃんとせえよ」じゃなくて、「ここにこの色を重ねたら面白くなるよ」「失敗でもええねん。ここもまだ何かかけるからなんか書いてみ」と提案してあげたらいい。
こんな変なことしかできない自分、自分自身もそれが嫌で仕方ないんです。
ぼくは「いいんやで、それでオッケーなんやで。」「こうやったらもっと面白くなるで」、と伝えます。

表現の場は学校生活では意外に多いもの。
とくに小学校の先生は、国語でも図工でも音楽でも、教室の児童たちと接することができますから
子どもの表現に注目してみるというのは、すぐに実践できるかもしれませんね。

 

『教室で何をやってもうまい子は、いつか心が折れる』

例えば川に入ったとき、今までとは違う感性が働きます。
水の流れ、臭い・ぬるぬるしてる・冷たいとか、五感を働かせると子どもがいい顔をするんです。
日常の家庭や教室は整えられていて、予定が決まっていて、評価され、指示されてて、
楽しむものもスポンサーがついていて、ひとつの枠のなかで脳波だけが刺激される生活。
その中で子どもたちの持つ価値観は
「この問題がはやくできる」「あいつは字が下手」「忘れ物多い」とか。
そういう評価軸で見るから、軸に乗れない子どもたちは自信がなくなっていきます。
でも、教室で何をやってもうまい子は、ほんとに自信があるかっていうと
彼らの自信はいつか折れてしまいます。
人間としての本来の幸せに軸を置いた自信じゃなく、傲慢さからくる自信であるから。
その人たちがつまづいたら非常に危ないと思います。
先行きが不安な日本をここまでもってきたのは日本のエリート。
この人たちがシステムをつくって、企業・政界・財界がここまで世界をつくってきました。
では世界は幸せになったか。現実はそうではありません。
エリートの自信=傲慢さ。
つまづいたときには人間力・生活力がないから、連携ができず脆弱なんです。

何をやってもうまい子けど挫折に弱そうな子、成績は悪いけど生活力があり頼りになる子……
自分の周りにも思い当たる子がいるなぁと思いました。
みなさんはどうでしょうか。

 

『ぼくは自分のことを“先生”とは言わない。“ぼく”という』

ぼくは子どもたちの前で必ず、「先生は」「鳥井先生は」とか、先生というのはぜったい使いません。
先生とはひとつの権威だからです。あくまで、ぼくとあなたの関係。
たまたま職業としては教師と呼ばれる立場にあるけども、
自分で自分のことは先生とは呼ばないんです。
教科を学習しているときや日常生活で、
ぼくもだらしない・間違う・自分の感情に流されるなど、いろんな落ち度があります。
それに対して謙虚になって子どもたちと一緒にいたいなと思います。

鳥井先生らしい言葉です。
親でも同じだなぁと思いました。お母さんだって間違っちゃうときもあるな、と。
フォーラムではゲストを囲んで質問する時間もありますので、
先生に興味を持たれた方はぜひ会場で質問してみてください。
(お申し込みはこちらからどうぞ)

■ 鳥井新平さん プロフィール ■

1957年 北海道生まれ。
学校法人ヴォーリズ学園近江兄弟社小学校教員、日本基督教団部落解放センター活動委員長。
近江ヘイヘイ絵本部屋、ハグハグ共育研究所主宰。
バンド「ありらん食堂」リーダー。絵本とアートと音楽と読書が好き。

こんなお茶目な一面もあり、子どもたちから大人気です!

11139408_833918576720683_6246209028922965082_n

LINEで送る
[`evernote` not found]
Pocket

沢田 沙織

沢田 沙織

滋賀県大津市出身。大学卒業後、地元滋賀で就職。2014年、社会人スタッフとしてD.Liveに加入。こどもたちがそのままの自分を好きになれるように、いろんな大人の背中を見せれるように、と思って関わっている。