子どもと関わるのに疲れたとき、ラクになる考え方

1人のおとこがいました。
彼は、とても熱心に子どもへ教育する人でした。
楽しそうに、気持ちを込めて、子どもと関わっていました。
優しく、子どもからも好かれていました。周りには、きっと理想の父親のように見えたことでしょう。
けれど、いつの頃からか彼は子どもと接するとき、素直に笑うことができなくなってしまいました。
あれだけ楽しく子どもと関わっていたのがウソのように、子どもと関わるのがイヤになっていました。
子どもといるのがストレスになり、今まではニコニコしていたのが、次第に怒りがちになっていったのです。
彼は悩みました。
子どもに優しくしたいと思っていました。
でも、できなかったのです。
彼には、子どもと接するには「こうあるべき」という理想像のようなものをもっていました。
もしかしたら、理想像というより、社会的に「こうしないといけない」と押しつけられた、間違った思い込みだったのかもしれません。
彼は子どもに厳しく接するようになり、笑うことも減っていきました。
いつの間にか、子どもとの距離もどんどん開いていきました。
彼はどうしても、理想像のような人物になれず、苦しんでいました。
しっかりした大人であろう。
厳格であろう。
ちゃんとしつけをしよう。
そう思っても、なかなかできない。
自分の未熟さに、苛立ちは募るばかりでした。
********
これは、僕が小学生の教室を開き、数ヶ月がたったときに直面した悩みでした。
“1人のおとこ”とは、当時の僕自身です。
僕は、学校の先生という経験がありません。
そのことでコンプレックスを持っていました。
先生のようにちゃんと子どもたちを見ないといけない。
学びを与える教育者にならないといけない。
先生らしくならないといけない。
考えるほど、がんじがらめになり、だんだん子どもと一緒にいるのがツラくなりました。
できない自分ばかりが目に見えてきて、イヤになっていたのです。
このようなことは、きっと子どもと関わる人にはたくさんあるでしょう。
特に子育てをしている保護者。
真面目な人ほど、ここでつまずきます。
子育てには、“正解”があふれています。
こうあるべき。
こうしないといけない。
僕が陥ったように、「ねばならない」という罠にはまってしまうのです。
すると、子育てがすごくしんどくなってしまう。
できない自分がイヤになってしまう。
僕は、教室へ行くのがイヤでイヤでたまらなくなりました。
すごくしんどかった。
子育ては、どこか“子どもの勉強”に似ていると思うのです。
「やらないといけない」と思えば思うほど、しんどくなる。できないとイヤになる。
周りの人たちを見ていると、「みんなできてすごいなぁ。それに比べて、自分は……」と、つい比較してしまう。
ガンバって取り組んでみるけど、結果がでないと、だんだん嫌気がさしてくる。
「どうして、こんなにガンバっているのにっ!」と思う。
つい、人のせいにしてしまう。
「勉強なんて、誰がやれって決めたの?」
「勉強したところで何の役に立つの?」
「テストの問題が難しいねん」
自分は悪くない。
私はガンバっている。
悪いのは、先生であり大人。
そうやって必死に自分を守る。
子育ても同じ。
ガンバってガンバってガンバって。
でも、だんだん、しんどくなってしまう。
うまくいかないことに苛立ちを覚え、つい子どもに当たってしまう。
「どうして、この子はこんなに聞き分けが悪いの」と、責めてしまう。
テレビで楽しそうに子育てしている人を見ると、「どうして私はこんなにできないんだろう……」と比較し、落ち込んでしまう。
僕がしんどかった時期から脱出できた方法は、とても簡単です。
やめたのです。
理想像を目指すのをやめました。
僕は先生の経験がないし、先生みたいにふるまうなんてできない。
自分らしく、自分が思うように子どもと関わることにしました。
人と比べることを捨て、「自分は自分でいいや」って開き直ったのです。
すると、心がふっとラクになりました。
今まであんなに重かった心がウソのように軽くなりました。
子育ても、“正解”や“理想”を目指すよりも、自分らしい子育てをしていくほうが、僕は楽しくなると思うのです。
世間が求める正解に合わせるのではなく、自分の中にある大切にしたいものの声に従って子どもと接する。
すると、小さなことでは揺らがない、どっしりとした子育てができるのではないでしょうか?
でも、「私らしい子育て」「自分の中にある大切にしたいもの」とか言われても、なかなか難しいですよね。
では、どうぞ! と言われても、なかなか答えづらい。
そこで、自分自身の子育ての軸について考えるイベントをおこないます。
「これが答えです!」とこちらから言いません。
話を聞きながら、自分の中にある軸を見つけてください。
あなたの心が軽くなる機会になるだろうと思うと、僕は楽しみで仕方ありません。
当日、お会いするのを楽しみにしております。
シリーズ”○○と考える子育てがラクになる講座”
第2回「元東大教授と考える”本当に賢い子ども”の育てかた」
〜偏差値じゃない生きる知恵〜
●日時
2017年6月3日(土) 14:00-16:30 (13:30開場)
●場所
しんらん交流館(京都府京都市 下京区烏丸通七条上る)
http://www.higashihonganji.or.jp/worship/kohryu-kan/
JR京都駅が最寄りです。
●アクセス方法
JR京都駅の1階中央出口から烏丸通りをまっすぐ上がってください。
http://www.higashihonganji.or.jp/about/access/pdfs/map.pdf
●定員:40名(先着順)
●参加申込み:こちらのページよりお願いします。
●参加費:2,000円 (託児を希望される方は一人につき別途500円)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
●託児について
希望者の方には託児もあります。
対象年齢2歳〜5歳、託児費として一人につき別途500円頂戴します。
先着5名までとなります。
raku.kosodate2017@gmail.com に託児を希望する旨をご連絡ください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
主催:NPO法人D.Live
企画協力:他力本願.net