新米ファンドレイザーの挑戦vol.2『クラウドファンディングがおすすめな理由』

こんにちは、D.Liveファンドレイザーの沢田です。
今日はスタッフコラムの日なので、わたしの仕事に関することをお話させてもらいます。
ファンドレイザーが何か分からない方は こちらの記事もあわせてお読みください。
最近勉強させてもらう機会があり、クラウドファンディングっておもしろいなと思ったので
今日のテーマはそれです。
ひととおり挑戦してみると、多くのことが学べるいい教材だと思ったのです。
新人研修でやってみたかったなぁと個人的には思いました。
(企業の人事担当の方、いかがでしょうか。)
クラウドファンディングとは
まずは基本的なところから。
「クラウドファンディング」とは群衆(croud)と資金調達(funding)を組み合わせた造語です。
クリエイターや起業家、非営利団体などが製品・サービスの開発、もしくはアイディアの実現などの
「ある目的」のため、インターネットを通じて不特定多数の人から資金や出資の協力を募ることを言います。
形態によって、以下の3種類に分けられます。
1、投資型 リターン(出資してくれた人への見返り)が金銭。投資家が対象。
2、寄付型 リターンなし。web募金のようなもの。例:justgiving
3、購入型 リターンがモノ。例:makuake、campfire、READEY FOR
自分でプロジェクトを設計するときは、以下のような5つを順に考えていきます。
1、何をするのか(端的に)
2、なぜ自分がやるのか
3、そのプロジェクトをすると、誰にどんな良いことがあるのか
4、全部でいくら必要か
5、支援するとどんなリターン(見返り)があるのか
なぜクラウドファンディングで資金を集めるのか
日本でクラウドファンディングサービスというものが本格的に始まったのは2011年頃。
READEY FORというサイトが始まりました。
東日本大震災直後という社会背景もあり、チャリティや社会貢献のプロジェクトが中心でした。
お金がないからできないことを、みんなのお金を集めてやろう、というかんじです。
それに加えて、最近はPRやプロモーションといった要素が入ってきたそうです。
最近多いクラウドファンディングの目的は、
1、PRやプロモーション
2、テストマーケティング
(年齢や職業など支援者の属性データが取れるため)
3、顧客獲得
(例:お店の新規開店プロジェクト。開店前からすでにファンがいる状態に)
4、実績づくり
(銀行は実績のないところにいきなり融資はしにくい。融資申込の前段階として。)
成功するプロジェクトにある3つの理由
大成功したプロジェクト「日本一の馬肉専門店で、石窯で焼いたローストホースを食べさせたい」
を例に3つのポイントを解説してみます。
理由1.クラウドファンディングする目的を明確にする
このときは「お店の看板となる石窯を買うため」という理由でお金を集めていました。
石窯を買えたらどうなるか、
その石窯で焼いた美味しいお肉がお店で食べられますよね。
このようにベクトルがお客さん(支援者)の方に向いているプロジェクトは成功しやすいそうです。
逆に(そんなのはないとは思いますが)「わたしが世界一周するために300万円集める」みたいな
ベクトルが自分に向いているプロジェクトは成功しにくいといいます。
理由2.限定感・オトク感のあるリターン
このプロジェクトでは
8000円支援すると、会員カードがもらえて、1年間1回の飲食費が定額6500円になるというものでした。
しかもこのお店は支援した人しかいけない会員制になっています。
このお得なリターンのおかげで、目標金額をあっという間に達成し、
公開期間を残して打ち切ったといいます。
理由3.スタートダッシュの準備
最大のポイントと言われているスタートダッシュ。
公開から24時間以内に30%の金額が達成されていれば、
そのプロジェクトは成功すると言われています。
人間の心理で、支援率0%のプロジェクトは支援しにくい。
逆に盛り上がっていれば乗りたくなる、というもの。
24時間で30%なんて難しそう…と思われる方も多いと思いますが、
この30%は、事前に自分の周りの人で集めておくのです!
例えば、
周りの人へ声をかけて10人は公開日に支援してもらう、
告知・メールのお願い文テンプレートをつくる、
チラシ、FBグループ、声かけリスト、2人以上のプロモーション担当チームをつくる
HP、ブログ用のバナーをつくる、
公開初日に掲載予定のメディア(WEB、新聞など)へ仕込み
などなど、とにかくスタートダッシュに8割の力をさくことが成功へのポイントのようです。
クラウドファンディングで学べる5つのこと
今日一番言いたかったのはこれです。
クラウドファンディングはただインターネット上に公開すればお金が集まるものではありません。
企画立案から決済金額振込までの長くて半年、
この一連の流れを通して、こんなことが学べます。
(1)企画立案力
プロジェクト自体の面白さ、わくわく感が成功の大きな要素となることは間違いないでしょう。
同じ企画でも、どの切り口でどう見せるか、どんなプロジェクト名にするかなど、
考えられることはたくさんあります。
(2)マーケティング力
自分たちのプロジェクトを支援してくれる人はどんな人か、
その人たちがよく見るメディアは何か、
どんなリターンがあれば喜んでもらえるか、など
実践的に考えることができます。
(3)段取り力
インターネット上で公開される前の事前準備が非常に重要です。
開始24時間がすべてを決めることもあり、計画・段取りをつける力が鍛えられます。
もちろん支援いただいた皆さんへお礼のリターン発送まできっちり人数配分しなければなりません。
(4)チーム力
ぜったいに担当者一人でやると失敗する、と言われるクラウドファンディング。
最低でも2人以上のチーム戦で臨むのがベストです。
概ね半年くらいはひとつのプロジェクトにかかるもの、
チーム力が培われます。
(5)共感を集める営業力
クラウドファンディングはプロジェクトを公開し、
サイト運営会社に任せておけば自動的にお金が集まるものではありません。
課題や、夢を伝えて、共感してもらい、その先に支援が集まるものです。
そのための努力はやはりプロジェクトを実施する側が誠意を持ってやるべきことです。
自分の友達にさえ頼めないことは他人には頼めません。
まずは自分の知っている人から伝え、支援を集める努力をすること。
だんだん伝えるのが上手になると思います。
成功失敗は別にして、ひととおり経験してみるだけで
これだけのことが学べるのはとってもいい教材だと思います。
大学生のゼミや、企業・自治体の新人研修に取り入れてみてはどうでしょうか。
なおD.Liveでも温めているプロジェクトがあり、私と一緒にチームを組んでくれる人を探しています。
気になった方は、info@dlive.jpまでお問い合わせください。
最後に、先輩から聞いた一言で心に残ったものをご紹介します。
「クラウドファンディングは、いずれなくなる。
でも共感したものに支援するという気持ちの動きはなくならない。
『共感を引き出す』『自分のチカラでファンを集める』努力を決してやめないこと。」
お金ではなく仲間を集めるという
ファンドレイジングの基本を忘れずにいたいものです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
さて、次回のスタッフコラムは、代表の田中にバトンタッチします。
お楽しみに!