【ネタバレ注意】「ホーム・アローン」から考える家族の関わり

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いよいよ明日はクリスマスイブ。明日明後日なんかは特に、家族そろってクリスマスパーティー、なんてご家庭も多いと思います。

さて、このクリスマス時期を題材にした映画と言うのもたくさんありますが、その中でも代表的なものと言えば「ホーム・アローン」シリーズでしょう。僕は普段映画をほとんど観ないのですがこれだけは例外で、先日のテレビ放送もしっかりチェックしました。

この「ホーム・アローン」シリーズの見どころと言えば、やはり「なんでそんな目に遭って犯人は死なないんだ!」と思わずツッコみたくなるような過激な仕掛けで主人公が犯人を追い詰めていくシーン。ですが、それ以上にこの映画には「子どもへの関わり」を深く考えるきっかけになるシーンも数多あります。

「ホーム・アローン」はキャストや監督も変わって5作品ありますが、今回は最初の作品から考えていきましょう。

なぜ、ケビンはひとり家に取り残されることになったのか?

マコーレー・カルキン演じるマカリスター家の末っ子・ケビンは何かとやっかまれる存在で、兄2人をはじめ家族から常に煙たがられていました。

クリスマス休暇のフランス旅行前日、伯父一家も加わって大勢の子どもたちが集まったマカリスター家で、ケビンと年の離れた兄・バズが取っ組み合いの喧嘩をします。理由は、ケビンが注文したピザを勝手にバズが食べたから。

「吐いて元に戻してやろうか」と挑発するバズにケビンが掴みかかったその瞬間、牛乳を見事にひっくり返してその場が大パニック。ここで一家はそもそもの火種を作ったバズではなく、怒って掴みかかったケビンを厄介者扱いし、ケビンはその場からさっさと出ていくように全員から突き放されます。

結局『数の暴力』が勝り、母親に連れられて屋根裏部屋に押し込められたケビンは、家族の顔なんてもう見たくない、消えてしまえばいいのに、と言い残し屋根裏部屋のベッドにひとり寝転がることになります。このとき母親はなんのフォローもなく、一家のパーティー会場に戻っていきました。

そして旅行当日、アクシデントで停電して目覚ましが鳴らずまたもや一家は大パニック。慌てて支度して子どもたちも揃ってさあ出発、となるのですが、人数をカウントした際にうっかり姉がたまたま紛れていた近所の子どもを頭数に入れてしまったせいで、誰もケビンに気付かずパリ行きの飛行機に搭乗してしまうのです。

こうしてケビンはひとり家に取り残され、目が覚めると前夜の感情「みんな消えてしまえばいいのに」が現実のものとなってテンションが上がるのですが、後々泥棒との一騎打ちに巻き込まれていくわけです。

母や兄のケビンに対する関わりを考えてみる

パリ行きの機内でよりによって自分の子どもを忘れてきたことに気が付いた母親は、「母親失格だわ・・・」とひどく落ち込み、夫(ケビンの父親)や兄夫婦(ケビンの伯父母)に慰められます。しかし彼女は前夜の一件で、バズには何もせずケビンのみを厄介者扱いした上、ろくに話も聞かず何のフォローもせずにケビンを隔離しています。

それが置き去りに繋がるのですが、この前夜の行動の時点ですでに「母親失格」ともいえる兆候は出ていると考えることができます。

また、厄介者扱いする兄弟が多い中で長兄・バズは特にケビンを「見下している」傾向があり、ケビンの無事こそ喜びましたが、ラストシーンで泥棒退治のために部屋をめちゃくちゃにされて怒ったときの矛先はケビンに向いていました。しかし、本来怒りの矛先を向けるべきはケビンを置き去りにした家族、または泥棒の2人組のはずです。

勝手な推察ですが、バズは恐らく心のどこかに自信がなかったのかもしれません。わがままが多く癪に障るケビンを見下し権力を誇示することによって自分を正当化していたように思います。この関係は「2」でも健在なので、どこかに人間関係の問題性を抱えている、なんて見方もできそうです。

大人になったケビンは、家族のことを恨んでいた

実は最近、ケビンが大人になり彼ら家族のことをどう感じているのか、という描写が、とあるウェブドラマで明らかになりました。ちなみに主演はあのときと同じマコーレー・カルキン。

その風貌に思わずドキッとするのはさておき、ホーム・アローンでお馴染みのあの劇中歌がiPhoneから流れたと思ったら即座に切ってしまうケビン。実はこの劇中歌は着信音で、電話の相手は母親だったのですが、思わず運転者が「冷たいな~」と発したことから、聞き逃せないセリフが続きます。

これ、全編英語で字幕もないのですが(出せないことはないけど役に立たない)、「ホーム・アローン」で自分を置き去りにして家族全員パリへ向かったこと、留守番の間泥棒が家にやってきたことを今でも恨んでいること、そして泥棒2人組に追われる悪夢をこの年になってもなおフラッシュバックすること、をまくしたてているそうです。

そして、普段から厄介者にされていた兄はパリに連れて行ったのに、自分のことは忘れていったんだ、と母親の行動を物悲しく吐き捨てるケビン。あの日、勇敢に泥棒2人を撃退したケビンは、それと引き換えに心に大きな傷を負っていた、ともとらえられる描写です。
(参考:マコーレー・カルキン、中年になった「ホーム・アローン」ケヴィンを演じる[動画あり] | 海外ドラマ&セレブニュース TVグルーヴ

「ホーム・アローン」の一件や、そこでの母親やバズのかかわりを考えると、ケビンがこのようにトラウマを抱えるのもなんらおかしくはないのかな、と思いました。

ホーム・アローンの視点が変わった

僕はこの映画の犯人が仕掛けに引っかかるところが大好きです。先日のテレビ放送もそれを楽しみに観ていたのですが、気が付けばマカリスター家の家族関係に注目しながら観ている自分がいました。この団体で仕事をはじめて1年と少し、まさかこんなところまで自分が変化するとは思いもしませんでした。

映画の放送中、気になってTwitterでツイートをリサーチすると、やはりケビンに対する家族の態度に自分を重ねて辛い、とツイートしている人がいました。やはりケビンの境遇が他人事ではない、という人はそれなりに存在するのです。映画の中だけで片付くお話ではないのだなあ、と思いました。

もしも、マカリスター家のように、クリスマスに子どもたちが取っ組み合いの喧嘩を始めたら、どんなにてんやわんやでもきちんと両者の言い分を聞いてあげてください。そして一方的に決めつけずに、誰かを理不尽に突き放すこともないように。そうすればきっと、サンタさんも幸せな顔をしてやってくることでしょう。

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メリークリスマス!

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山本 駿

山本 駿

子どものころより人一倍敏感な特性を持ち、中学3年間を不登校で過ごす。大学卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画し、現在は通信制高校教員を両立しながらTRY部や不登校講演事業を中心に担当。HSP(Highly Sensitive Person)特有の繊細さを活かし、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。