大事なのは、「私には何ができるのか」
子どもが言うことを聞いてくれない。
夫が育児に何も協力してくれない。
Twitterを見ていると、日々子育てに悩む人たちの愚痴ツイートが後を絶ちません。毎日大変そうだなぁ・・・と思いながら、ただ流れるタイムラインを眺めています。もちろん、その苦労を否定する訳ではありません。
しかし、こういった愚痴は、最終的にはこの2つのどちらかに集約されてしまうのです。
「悪いあなた」「かわいそうな私」
アドラー心理学の名著、「幸せになる勇気」には、カウンセリングの三角柱の話があります。クライアント(相談者)が相談する際に文字が書かれた三角柱を渡し、その中の1面を示しながら話を進める。すると、大概の相談者は「悪いあなた」「かわいそうな私」のどちらかを常に示し続けながら話し続けるそうです。
三角柱は必ず、2面見せるともう1面が隠れるようになっています。つまり、「悪いあなた」「かわいそうな私」の2面を示し続けると、常に隠され続ける最後のもう1面が出てくるわけです。そこに書いてあるのは何かと言えば。
「私には何ができるのか」
そう、これが何よりも重要なのです。
「悪いあなた」「かわいそうな私」は、どちらかと言えば過去に目を向けたものです。夫が手伝ってくれない、子どもが言うことを聞かない・・・これらはどちらかと言えば過去に目を向けたもの。ここを何度も繰り返し叫んだところで、何も変わりません。なぜなら、過去は変えられないから。
じゃあどうすればこういった問題が解決するのかと言えば、今やこれからのことを考えて変えていくしかないのです。子どもが言うことを聞かないのなら、どうすれば子どもが言うことを聞くのか考えてみる。夫が手伝ってくれない要因はなんなのか?と思考を広げるだけで、ずいぶんと違います。
これは、家庭以外のことでも言えること。
とある打ち合わせで、連絡不備についていつまでもグチグチ責めるばかりでなかなか本題に入らなかったので、思わず「それについて今更どうこう言ったところでどうにもならないんだから、これからどうするか考えませんか?」と口を出してしまいました。そこから話がようやく動き出したのは言うまでもありません。
お前が悪い!自分がどれだけ損害被ったかわかる!?、という気持ちをいつまでもぶつけていても、前に進むことはありません。じゃあこれからどうすればいいのか、そもそも自分にも落ち度がなかったか。誰かのせいにしていたら、その問題は永遠に解決することはないでしょう。
ちなみに、弊団体で運営しているTRY部での「振り返り」が実はこの流れ。
毎週できたこと、できなかったことを書き出していると、いつの間にかできなかった理由が他人のせいになっていることがあります。親がうるさいからできなかった、友達に邪魔されたから・・・。そんなときは、「親がうるさいのは分かったから、そういう状況でもできるにはどうしたらいいと思う?」と問いかけます。
それが、今週の目標として設定されることもしばしば。
過去に立ち戻って他人や自分を責めるのではなく、変えることのできる現在や未来に目を向ければ、あの人が悪い!私はかわいそう!という話もいつかはすーっと消えてなくなるかもしれませんね。