ボランティアの大学生さんは子ども達にとって、入れ歯安定剤

こんにちは、スタッフの得津です。
私たちD.Liveの活動には多くの大学生さんがボランティアとして関わってくれています。
オンラインフリースクールTRY部とフリースクール昼TRY部を合わせると20名を超えます。
私はフリースクール昼TRY部を主に担当するので、フリースクールの話ばかりになるのですが、勉強の教え方を考えたり、よりよい声かけを模索したり、熱心な姿にいつも感心します。
でも、私個人の気質なのですが、思い悩みもします。
フリースクールの生徒たちにとって、ボランティアさん達はどんな存在なんだろうと。ボランティアさん達は就職の関係もあってだいたい一年くらいで卒業されます。それは仕方ないことではありますが、生徒とボランティアさんの関係を考えたときに、一年でようやく仲良くなっただけの関係にならないだろうか。より良い関係になるには、何があればいいんだろうか。そんなことを考えては思い悩んでしまうんです。長いときは一ヶ月くらい。
だから、この間、意を決して数名の生徒に聞いてみたんですよ。
「大学生のボランティアさん達って、どんな存在?センパイ?それともお兄ちゃんお姉ちゃんみたいな感じ」って。ストレートですね。
そしたら、生徒の一人が「入れ歯クッションみたいな存在かなぁ」と教えてくれたんですよ。
詳しく聞いてみると、子ども達同士でおしゃべりするときと、ボランティアさんが一人まざっているときのおしゃべりでは、会話の安定感が違うらしいです。確かに、ボランティアさんはうまく場を回してくれますし、一人ひとりに目配せしながら会話を進めてくれています。下支えみたいな存在です。
ボランティアさんのその姿をよく見てるなぁと感心するのと同時に、入れ歯クッションの例えも秀逸だなぁと唸ってしまいました。
それがあると無いとで会話が全然違う。
ボランティアさんは入れ歯安定剤。そう、ポリグリップだったんです。
この生徒の意見はまだボランティアさん達には伝えていませんが、伝えたらどんな反応をするんでしょう。2月末までおこなっているチョコっと募金キャンペーンのお礼にと思って、「学生ボランティアさんのぶっちゃけ座談会(仮)」という動画を撮影しました。
昼TRY部での印象的なエピソード、ボランティアをしてよかったと思うことなど、ざっくばらんにお話いただいた動画なんですが、その中で困ったことや難しいと思うことについてもお話しました。
ボランティアさん曰く、会話の一歩目のつくり方が難しい、家に帰りながら「こういえばよかったんじゃないか」と反省する、遊びの声かけどうしようか悩みます、などのお悩みや困りごとがあるそうです。
そんなボランティアさん達が、この生徒の意見を聞いたらきっと安心すると思うんですよね。
会話って、日常的にするものだから、誰でも簡単にできると思いこみがちです。ですが、そんなことはありません。コミュニケーションはすごく奥が深い。料理も極めたらプロになれるように、コミュニケーションもどんどんスキルを伸ばしていける分野です。
料理人を志す人が、包丁の持ち方、具材の火入、盛り付けの工夫に悩むのと同じように、ボランティアさん達も今まさにコミュニケーションについて悩み、上達の途中にいます。これまでしてきた友だちとの会話とは違うことへの戸惑いや、子ども達と関わることの喜びと怖さ、声をかけるべきか見守るべきかの判断など。今まで考えてこなかったことを考え、試し、ふり返りながら模索しています。
フリースクールで子ども達の成長を感じるのと同じように、ボランティアさん達が成長するもの、スタッフの私としては嬉しく思っています。手前味噌ですけど、いいフリースクールになってきたなと実感しています。
子ども達のポリグリップとして、ボランティアさん達が力を発揮できるように、スタッフの私もまた彼らのサポートをしていきたいと、生徒の意見をきっかけに気持ちを新たにしました。