不登校の相談にのっているとウキウキしてしまう理由

「この仕事しているとしんどくなることありませんか?」
保護者さんのかたや講演に行った先で教育関係者に聞かれる。
僕は毎日のように不登校の子どもたちと接して、不登校に関する面談や相談も受けている。
LINEを通じて、「うちの子が……」という相談は後を絶たないし、全国から小冊子の問い合わせもある。
無料でおこなっている保護者面談は、週に何度もあり、たくさんの話しを伺う。
シャイでほとんど話してくれない子の相手をすることもある。
緊張しながら、他の子とうまく馴染めず、モジモジしている子がフリースクールに来ることもあって、その子がどうすれば楽しくすごせるだろうかと頭を悩ます日もある。
このような話をすると、どうやらとても「大変そう」みたいなのだ。
とても「大変な仕事」で「尊い仕事をされていらっしゃいますね」という有り難い言葉をいただくこともある。
でも、僕はハッキリ言って、この仕事をしていて「しんどいなぁ」と思うことがない。
もちろん、やるべきことはたくさんあって、「ガンバらなきゃ」と思うことはあるけれど、ぐったりと疲れることはない。
正直、悩み相談を聞いているとき、僕はウキウキして仕方がないのだ。
泣きながら深刻そうにお話をする保護者さんの話を聞いて、僕は「いやぁ、おもしろいですね」と、つい言っちゃうときがある。
そう言うと、ほとんどのかたは、「へ?」と言われる。
そりゃそうだ。
相談に来て、「おもしろい」と言われるとは思ってもいないだろう。
でも、僕はウキウキして、ワクワクしてしまうのだ。
僕は、面談でも相談でも子どもと接するときでも、未来しか見ていない。
過去にどんなことがあったのかには、ほとんど興味がない。
しんどいことがあった。
辛い経験をした。
イヤな思いをした。
そりゃあ、いろいろあるし、それが「どうでもいい」とは思わない。
でも、僕たちが出来ることは、子どもたちの未来をデザインすることだ。
今からどうやって上昇気流を描いていくかが大事なのだ。
子どもと話しをするときも僕が聞くことは、ほとんどが未来のことだ。
昨日や先週、去年のことじゃない。
「明日、どうしたい?」
「これからどうしよう?」
出来ていないことや出来ないことなんて、関係ない。
子どもがどうしたいか。どうなりたいかにしか興味がない。
だから、子どもたち1人1人の未来を想像したら、ワクワクしてたまらなくなる。
保護者さんが「ダメだ」と言えば言うほど、僕には子どもたちが可能性があると思う。
落ちてしまったのなら、そこが底だ。
それ以上に落ちることはない。
だとしたら、これからの人生、ずっと上がりっぱなしだ。
きっと出来ることはたくさんあって、どんどん子どもは変化していくだろう。
「うちの子、こんな変化があったのです」と、保護者のかたはウキウキしながら、報告をしてくれることになるだろう。
それが分かっているから、僕は面談をしていてもワクワクするのだ。
保護者のかたは、出来ていない、ダメ(だと思っている)な今の子どもを見ている。
僕はグングン成長していく未来の子を見ている。
だから、どれだけしんどい相談を聞いたところで、僕のメンタルが病むことはない。
楽しくて仕方ないのだ。
親自身も「この子は、ダメだ」と思っている。
子ども自身も「自分はダメだ」と思っている。
でも、僕はいつだって子どもの可能性を信じている。
出来ないこともあるだろう。
うまくいきそうに思って、また以前のように戻ることもあるかもしれない。
たとえどんなことがあっても、僕は子どもの可能性を信じている。
不得意なこともあるだろう。
こだわりが強くて、大人には理解されにくいかもしれない。
でも、でも。
どんな子にだって強みはあって、人よりも秀でたことがある。
それは勉強や運動ではなく、単純に「人に優しくできる」という取り柄なのかもしれない。
それでもきっと、その子にしかない良さや強みがあるんだ。
僕はなんとしても、子どもが持っている強みを見つけて、その良さをどんどん伸ばしてあげたいと思っている。
デコボコでもいいじゃないか。
学校は、平均点を伸ばす教育だ。
僕もそうだったけど、偏りがある子は、学校には合いにくい。
ダメな部分、劣っているところばかりを指摘され、せっかくの強みが活かせなくなってしまう。
学校教育が別に悪いわけじゃない。
ただ、合わない子がいるってだけの話だ。
ラーメンや米が苦手な日本人がいるのと同じで、学校に合わない子も中にはいて当然なんだ。
僕はこれからも、子どもたちの可能性を伸ばすために、この楽しくて仕方が無い仕事に取り組んでいきたい。
お知らせ
東京で講座をおこないます。
不登校のことでお悩みの保護者さんは、ぜひお越しください!
きっと心が軽くなりますよ〜。