「NPOで働く」ということ

僕は今、25歳。誰かに職業は何?と尋ねられると、NPOで働いてます、と言うようにしている。

金銭的にどうか、と言われたら、正直その辺の同年代、いやもっと下の年代より稼いでない自信はある。実際、僕の4つ下にあたるプロ野球の大谷翔平選手はもう2億円もの年俸を稼いでいる。とてもじゃないが追いつける気がしない。

とにかくお金をしっかり稼ぎたい、稼いでパーッと遊びたい、将来の貯蓄にまわしたい、と思う人であれば、まず間違いなくNPOはしんどい世界だと思う。実際NPOの代表と呼ばれる人でさえ、裏で副業やアルバイトをしてようやく生計を立てている人を、僕は何人も知っている。

でも、それ以上に、「人の役に立てる喜び」を感じられるのが、この仕事の魅力だと思う。

そもそも、NPOってなんだっけ?

NPOを略さずに書くと「Non Profit Organization」となる。これは日本語で「非営利組織」と訳すことができる。例えば、大多数の人たちが勤務する「会社」は利益(お金)を生み出すのが主目的なのに対し、NPOは利益よりも社会的な貢献、社会的な使命の実現に重きを置かなくてはならない。

非営利組織なんだからNPOってお金を稼いじゃいけないんでしょ、とたびたび誤解されるが、実はそんなこともなく、実際アメリカでは会社の社長より年収が高いNPOの代表理事もいるし、日本のNPOでもお金を出してスタッフを雇わないと事業がまわらない、ということもある。

この団体、D.LiveもNPO法人である。つまり、お金を稼ぐことが目的ではなく、「子どもがなりたい自分に向かって思いきり取り組める社会をつくる」という使命を果たすことが目的の団体である。まだまだNPOとしていろんな方々に支えてもらいながら、毎日使命を果たすべく奮闘している。

僕がNPOと言う働き方を気に入っているワケ

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僕は世間一般で言う「会社」で働く気がまったくなかった。そう思うようになった原因はたくさんあるが、その中のひとつに「お金をもらうのが苦手」ということがあった。

子どもの頃、祖母の家に遊びに行くと、毎回何もしてないのにお小遣いをもらった。あるときは暑中見舞い、あるときはテスト100点のお祝い、などと、毎回ポチ袋にそんなことが書いてあった。そしてお正月、親戚からはいお年玉、と次々にポチ袋を渡されるのも、すごく違和感があった。

もちろん、嬉しくなかった訳ではないし、実際もらったお金はそれなりに貯金したり大切に使った。だけど、何もしてないのにお金をもらえることにそこはかとなく違和感があった。お小遣いをもらったのにこんなのいらない、と返そうとすると、「何言ってんの!もらっときなさい!」とよく怒られた。

それに、父方母方ともに年齢の近い親戚がおらず、気が付けば毎年お正月に親戚が集合すると僕だけお年玉をもらう状況になり、ますます「何もせずにお金がもらえる」という違和感に拍車をかけた。

僕にそんな大金くれるんなら、そのお金でいくらでも贅沢で美味しいもん食べれるやん。

諭吉が入っている高額なお年玉をたまにもらう度にそんなことを思ったものだった。お正月は毎年楽しみだったけどお年玉をもらう瞬間だけがどうも苦手で、成人してお年玉をもらうような年齢じゃなくなったこの3,4年くらいからようやく素直にお正月を楽しめるようになった。

そんなこともあって、僕は今でもお金よりも誰かの為になるようなこと、誰かに役立つこと、を優先して行動を選択することが多い。そんな僕に、利益やお金ではなく社会的使命を果たしたり、誰かの役に立つことで主に対価が支払われる「NPO」と言う働き方は、ことのほか性に合っていた。

もうひとつ。例えばAというカレー屋が誰も思いつかなかった新商品のカレーを編み出してそれがヒットすると、他のカレー屋は「くそっ!」と思うだろう。利益を追い求める企業やお店が、ライバル企業や他社の業績が好調だったり客入りが良いと普通は追いつき追い越せと必死になる。

ところがNPOの世界は、多種多様な活動(事業)内容にあふれる上「社会を変える」と言う真髄は共通しているので、あるときは講演会にゲストとしてお呼びしたり、またあるときは集客について相談したり、NPO同士の連携や協力で成り立つことも多い世界である。なんならあるNPOの考えをそのまま取り入れることもある。

もちろん、例えば事業の中身や規模で他のNPOを模範としたり、あのNPOには負けてられん!ということもあるが、野球で例えるならショートばかり9人集まることなく、満遍なく9つのポジションが埋まって、さらに控えのピッチャーや監督まで埋まるようなもので、他のNPOとの潰し合いになることはあまりない。

僕はそういうところも気に入っている。

いま、就職活動に悩む皆さんへ。

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就職活動が今年も本格化しはじめた。今年も後輩たちが、Twitter上で就活に対する愚痴をこぼすのをよく見かける。

もちろん、この会社で絶対働きたいとか、とにかく頑張ってたくさんお金を稼ぎたいとか、そういう目標があるのなら、就職活動を全うすべきだと思う。でも就職活動の中で「何かが違う」と感じたり、そもそも自分が働く姿をイメージできない、就職活動がしんどい、と思う人も必ずいるだろう。

そんなとき、僕は無理に就職活動を続けなくても良いと思う。(その辺の話はこちらをどうぞ)

昔のように、安定した会社や手に職をつけてに就職するという生き方が絶対、という風潮は薄らぎ、生き方が多様化する時代になった。社員数人のベンチャー企業に就職する、フリーターになって自分の追い求める職業に就けるまで奮闘する、と言う生き方も、まったく珍しいものではなくなった。

だからこそ、NPOで働くという選択肢もひとつキープしておいて損はないと思う。

ただし、有償スタッフとしてNPOの世界に飛び込める場合もあるが、そんなNPOは一握りしかない。D.Liveでも大半のスタッフは有償ではないし、ほとんどのスタッフが他の職にも従事しながら活動している。でもその分、世の中を変えたり、困っている人を救える仕事なのは確かだ。

NPOはひょっとしたら普通に就職するよりも過酷な世界かもしれない。だけど、その分楽しい世界だとも言える。就職活動に煮詰まったり、会社と言う世界で働くことに不安を覚えている人は、ぜひNPOと言う世界にまで視野を広げてほしいと思う。

そして、D.Liveでも現在スタッフを大募集しています

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いわゆる「インターン」と言う形ではありますが、D.Liveでは現在運営スタッフを募集しています。現在募集しているのは下記スタッフ。

・ファンドレイジング担当スタッフ
ファンドレイズ(寄付金)やマーケティングに興味のある方におススメ。クラウドファンディングや寄付金まわりの業務を一緒に担っていただきます。

・TRY部スタッフ
毎週月曜と金曜に運営している「TRY部」の授業づくりスタッフ。ワークショップを学びたい方におススメです。詳細は こちら から!

・白書編集スタッフ
昨年発行しご好評を頂いた「子どもの自信白書」の2016年版を編集するスタッフです。詳細は こちら から!

以上のスタッフは現在大学生の方(4月から大学に進学される方も大歓迎!)を中心に募集していますが、大学を卒業してフリーターをしながらボランティアをしたい、転職期間中に何かしたい、仕事をしながら何かスキルを身に着けたいと言う方も大歓迎です。

ご興味のある方、詳細を知りたい!と言う方は、 info@dlive.jp 宛てにメールをお送りください。担当より追って返信させて頂きます。よろしくお願いします!

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この記事を書いた人

子どものころより人一倍敏感な特性を持ち、中学3年間を不登校で過ごす。大学卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画し、現在は通信制高校教員を両立しながらTRY部や不登校講演事業を中心に担当。HSP(Highly Sensitive Person)特有の繊細さを活かし、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。

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