「カッコ悪い」を選ぶということ―あの名曲から考える自尊感情

先日、爆風スランプの「大きな玉ねぎの下で~はるかなる思い」という曲から自尊感情を考えました。実は爆風スランプで、とても好きな曲がもう1曲あります。それが、「旅人よ~The Longest Journey」と言う曲。

この曲はもともと、当時放送されていた「電波少年」というテレビ番組で、猿岩石が挑戦していたヒッチハイクの応援ソングとして作られたもの。猿岩石、というのは今やテレビで観ない日は無い有吉弘行さんが当時組んでいたお笑いコンビのことです。あの毒舌キャラで売れっ子になる何年も前ですね。

自己肯定感の高さが際立つ、2番の終わりの歌詞

ぼくはこの曲の、2番が終わった後の歌詞がものすごく好きなのです。

広い宇宙の上を歩いていく 遠い遠い自分に出会うために
カッコ悪い道を選んだ男 カッコ悪い夢を選んだ男

(引用:「旅人よ ~The Longest Journey」 1996年 作詞:サンプラザ中野 作曲:パッパラー河合)

この歌詞、相当自己肯定感が強いんじゃないか、と思います。

よく、「人と同じ道じゃないと安心できない」と言う人がいます。確かに、人間は「誰かと一緒」ということで何物にも代えがたい安心感を得られる、と言うのは事実です。でもそれは裏返すと「自分の思った人生を歩んでいない」と言うことにつながる可能性もはらんでいます。

自分はX大学に行きたい。でも、AさんもBくんもCさんも、みんなY大学を志望している。X大学を志望しているのは学校では自分ひとり。だったらY大学を志望すればみんなと一緒だし安心だからX大学は諦めよう・・・と言うのは、果たして「自分の人生を生きている」と言えるでしょうか?

自分のやりたいことをせず、他人に合わせるようでは、自分の人生を生きているとは言えないとぼくは考えます。

そこで「旅人よ」の歌詞に戻ります。この歌詞の通りならば、「自分」は間違いなく誰も志望していないX大学に行く選択肢を取るでしょう。どれだけカッコ悪くても、その選択肢を取らない限り「本当の自分」には出会えないのです。それができる人は自尊感情に長けているのではないか、と思います。

カッコ良いことを選び続けることが人生ではないのです。たまにカッコ悪いところを見せ、それもすべて受け入れてこそ、本当の自分に出会えるのではないでしょうか。

余談ですが、かつてプロ野球・北海道日本ハムファイターズに所属していた坪井選手は、打席入場曲としてこの曲の、しかも今回取り上げた部分を流していました。うーん、この登場シーンはカッコいい!!

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この記事を書いた人

子どものころより人一倍敏感な特性を持ち、中学3年間を不登校で過ごす。大学卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画し、現在は通信制高校教員を両立しながらTRY部や不登校講演事業を中心に担当。HSP(Highly Sensitive Person)特有の繊細さを活かし、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。

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