起業した僕が、就活にあせっている大学生へ伝えたいこと

鴨川のほとりにあるスターバックスで、僕は女子大生(2回生)の就活相談にのっていた。

「なにがしたいかわからないんです。テストが終わったら春休みが始まります。
早くインターン先も決めなきゃって思ってて。。。
周りの友達は、すごくいろいろ活動をしてて、正直すごくあせっています。
この前は、世界一周して帰って来た人がいて、なんだか自由でいいなー、なんて思ったんですよね」
 

就活ってさ、バイキングだと思うんだよ。

「バイキング?あの食べ放題の?」

そうそう。
あのバイキング。

みんな考え違いをしているんだよ。
就活を。
まぁ、僕自身も同じだったからよくわかるんだけどね。

就活って、企業に選んでもらうって思うでしょ?
でも、違うんだよ。

みんな企業に選んでもらうためにガンバっている。

まるで「就活やるべきリスト」があって、それを必死で達成していくみたいなことをやっている。

その発想って、受験とまったく同じなんだよね。
テストで合格するために、課題をこなしていくって考え方。

でも、就活はそうじゃないんだ。
 
 

僕が大学生のとき、周りには何社も内定をとって、「どこに就職しようかなぁ」と言っている友達が何人もいた。

彼らは、もう全く就活対策なんてしていなかった。
せいぜいSPIの問題集をこなしたくらい。

エントリーシートの書き方も面接対策も、もうなんにもしていない。
でも、就活対策をずっと考えてやっていた人たちよりも、自分の行きたいところへ就職が決まっていた。
 

おかしいよね?

なんだか、すごくずるい。
僕もそう思った。

 
 

僕自身が、「The・就活生」だった。
 

 

 
2回生の頃。
マスコミに行きたいと思ったんだ。

就活本を見たら、いろんな対策が載っていた。
それを1つ1つ潰していった。

マスコミ塾に通ったほうが良いと書いていたから、通うことにした。
時事問題がたくさんでるから、新聞を3紙とって毎日読んだ。
ロジカルシンキングが必要みたいだから、身に着けられるように勉強した。

ね?
やっていることは、受験生と同じだったんだ。

努力すれば、行きたい企業へ行けると思っていた。

だから、周りに自分以上にガンバっているやつがいたら焦ったよ。
もう、受験と同じだよね。
 

友達の点数が気になる。
まだ覚えていない単語をスラスラ暗記している姿を見たら、あせる。
あれもやらなきゃ、これもやらなきゃと思う。

インターンも「行きたい」ではなくって、「行かなきゃならない!」と思っていた。
もう、ずっと焦っていた。

このままじゃまずい。
もっとガンバらないと。
もっといろいろやらないと。

そうしないと、みんなに追いつけない。

焦燥感だけがつのって、空回りする毎日だった。
 

いつになったらやりたいことは見つかるんだろう?
どうやったら、自分が好きなことは見つけられるんだろう?

このままなーんにも見つからないまま就活を迎えるんじゃないかと思って、ゾッとしたこともあったよ。

大学に入るまでは、偏差値とかで進路を決めることができた。

まぁ、だいたい自分はこのくらい。
しゃあ、この学校へ行こう。

実際、行っていた大学もそんなふうに決めた。

だから、自分でいろんなことを決めないといけない就活ってのはすごい恐怖だった。
なにを基準にして、どうやって選べばいいか誰も教えてくれない。

僕がマスコミを選んだのは、すごく単純。
マスコミに就職したらカッコよさそうだったから。
年収も高いし、周りにも「すごいっ」と言われる。

もう、大学受験とまったく同じ発想だったんだ。

僕は、ずっと企業に採用されるためにガンバっていた。
「やらないといけない」と思い、義務感で動いていた。

でも、周りで就活がうまくいっている(ように思える)人たちは、考え方から違っていたんだよ。

初めから、“採用されよう”なんて思っていなくて、就職してどんなことをするのかに目が向いていたんだ。

就職がゴールの人と、どんなことがしたいか明確になっている人。

どちらを選ぶかって考えれば、答えは明らかだよね?
 

就職をゴールにしている人たちは、とても必死なんだ。
僕がそうだったからよくわかる。

やらないといけないから、ガンバらないといけないから、必死でインターンする先を探す。

まだ足りない、まだまだ。
もっと、もっと。

自分を追い込み、ストイックに先を目指す。

でもね、やりたいことが明確になっている人たちは、全然違う。

すごい楽しそうなんだよ。
力が抜けていて、「やりたいからやっているんだよ」と、平然と話す。

楽しいから、いつまでもやっているし、どんどん新しいことにも挑戦していく。
義務感ではなく、好奇心、探究心で進んでいく。

そりゃ、勝てないよね。
楽しんでやっている人に、無理してガンバる人はどうあがいても勝てない。

成長するスピードが段違いなんだ。
 

採用されるために、採用される人間になるためにガンバるでは、苦しいし、結局のところ就活で苦労することになってしまう。

バイキングって、自分で好きなものを選んで取るでしょ?

就活って、企業側が選んでいるんじゃなくって、学生側が選ぶ意識でいるべきだと僕は思うんだよ。

たくさんある企業の中から、自分が「これだ!」と思うものを見つける。
決して、「どうか選んでください。お願いします」という受け身な姿勢じゃないんだよ。

「でも、やりたいことがわからないんです。
そりゃ、やりたいことが明確で、行きたい企業もすんなり決められたら理想ですけど、それができないから苦労しているんですよ」
 
 
 

 
 

確かに、やりたいことを見つけるのは難しい。そんなに簡単なことじゃない。
でも、「今、やりたいこと」ならどうだろう?
 
仕事とか将来やりたいことを考えるのは難しい。
大学生で仕事なんてほとんど経験もしていないのに、イメージしろって言うのは無茶だ。

どんな仕事につきたいか。
仕事でどんなことを成し遂げたいか。

それを考えると、とても難しいよね。

しかし、今やりたいこと、好きなこと、興味があることなら、考えるのはそんなに難しくないよね?

 

バイキングは取り放題。
好きな料理をいくらでも食べられる。
 
しかし、就活では1つだけルールが決定的に違うことがある。

食べられる料理は、たった1種類だけなんだよ。
 
 
だから、就活がはじまるまでにキミがやらないといけないことは、自分がどんな料理が好きなのか、なにを食べたいのかをちゃんと理解しておくことだ。
 

 
たとえば、好きな料理があるだろう?
その料理が好きなのは、どうしてわかったんだろう?
 

 
食べたから。
実際に食べたから、その料理が「好きだ!」と、わかったんだよね。
 
 
食べてみないと、美味しいのかどうかわからないんだ。

いくらパンフレットに良いことが書いていても、友達が「おいしい」と言ったとしても、自分自身が食べてみて、「ああ、この料理はおいしいな」と思わない限りは、“好きな料理”とは決して言えない。

じゃあ、キミがやることは簡単だ。

どんどん食べていけばいいんだ。
やりたいことがあれば、やってみる。挑戦してみる。試してみる。
 

やってみて、「ああ、これは違う」と思えば、次に移ればいい。
やりたくもないことをずっとやる必要なんてない。

就職するまでは、いくらでも試食ができる。
「まずいな」「嫌いだ」と思ったら、もうその料理は取らなければいい。  
 
そうやって、1つ1つ見極めていったらいいんだ。

ただ、学生時代は短い。
悠長に全部のことを試していったとしたら、きっと間に合わないだろう。
 
 
だから、試しながらも、他にもやるべきことがある。

ブッフェ台に“カエルの唐揚げ”がのっていたら、キミは食べるかい?

きっと手を付けないだろう。

食べない理由はいろいろあるけれど、一番の理由は“知らないから”だ。
“カエルの唐揚げ”の味や食感、すべてのものが知らない未知のものだから、うかつに手を出せない。

仕事も同じ。
みんな知っている仕事の中から選ぼうとする。
だから、迷い、悩む。

世の中にいくつの職種があるか知っているかい?
 
 
約3万種類と言われている。  
しかも、今は毎年のように新しい仕事が増えている。
 
たくさんの仕事を知ることで選択肢に幅がでる。
今の時代、仕事がないならば、作ればいい。
 
僕は、仕事の1つで不登校の子へのコンサルをおこなっている。
 
こんな仕事どこを探してもない。  
カウンセリングはあるけれど、僕はカウンセリングなんてしないし、できない。

でも、子どもたちの話を聞き、これからどうしていくのかのアドバイスをしている。
時給は、家庭教師の何倍も高い。
 
ちゃんと力があれば、今はなんだって仕事になるんだ。

自分にピッタリの仕事はなかなか見つからないかも知れないけど、「こんな仕事いいなぁ」と思えるものは、探せばきっと見つかる。
 
“できる”か”できないか”なんて、どうでもいい。
“やりたい”か”やりたくないか”だけ。 
 
僕は教職を3日で辞めて、教員免許も持っていない。
でも、教育がやりたくて今の仕事をはじめた。
本当にやりたいことは、教育だってわかったからね。
 
今では、教育委員会で先生に向かって研修もおこなっている。
 
 

 

やりたいことならば、人はガンバることができる。
よっぽどの才能が必要とされる仕事以外は、できないことなんてない。

仕事だけでなく、たくさんの人たちの生き方も知ろう。

正社員で就職する選択肢もあれば、起業する手もある。
就職しながら、週末に違う仕事をすることもできる。

生き方は様々だ。
 
その中から、自分がワクワクするような生き方を探せばいい。

おもしろそうと思うものがあれば、やってみればいい、会いにいけばいい。
試しながら、探しながら、自分が「これだ!」と思うことを探し続けよう。
 

 
どれだけ試しても、就職して「やっぱり違うな」と思うこともあるかもしれない。
でも、それも仕方がない。
 
結局のところ、やってみないとわからないんだから。
 
 

 
ウダウダと悩まないこと。
悩んでいるふりをしないこと。
 

悩む時間があるなら、いろんな仕事を知ろう。生き方を知ろう。
自分はなにが好きなのか、どんなことに関心があるのか知ろう。
 
自分はエビアレルギーなのに、それを知らずにエビを食べると大変なことになる。

自分のことを知ること、自己分析はとても大事だ。
就活まで待つ必要なんてない。
今から少しずつやっていけばいいんだよ。
 
 
キミは、これからいろんなことに挑戦していくことだろう。
いろんなことを試してみることになると思う。
 
そのとき、何度も選択を迫られる機会がやってくることだろう。
 
決め方は、簡単。
自分に素直になること。
 
メリットとか誰かに誘われたとか、そんなことではなくて、心の底からやりたいって思えるか。ワクワクするか。

基準は、それだけでいい。
 
やりたいことをやろう。
おもしろそうと思えることに飛び込もう。

今はできる能力がないならば、やりながら身に着けていけばいい。
 
大学生は、自由だ。

なんだってできる。
なんにだってなれるんだよ。
 
今、一番やりたいことはなんだろう?

 

  

 

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この記事を書いた人

1984年 大阪生まれ 立命館大学文学部卒

中学時代は、部活に打ち込み、勉強では学年で常にトップ10以内。
しかし、中学3年生のときから学校がしんどくなり、誰とも話さなくなる。
野球選手を目指し、大阪の野球強豪校へ行ったものの、自信を失い退部。そこから学校へ行かず、河川敷で過ごす毎日をおくる。
浪人して立命館大学へ入学したものの、なにをしたいかが分からなくなり、行く意味を失う。1回生の夏から1年ほど、京都の下宿で引きこもる。
友人の支えもあり、復活。政治家の秘書やテレビ制作などのインターンをおこない、期間限定のカフェも開く。「自分のようにつらい思いをさせたくない」と思い、D.Liveを立ち上げる。
フリースクールや自信を取り戻す教室を運営。不登校に関する講演や講座もおこなっている。
京都新聞にして子育てコラムを連載中。
詳しいプロフィールはコチラから

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