ツッコミどころ満載。「走れメロス」で読書感想文を書いてみた。

夏休みも終わり直前。

生徒たちが読書感想文を「うんうん」うなりながらやっているのを見て、僕も書いてみました。

今は、滋賀で教育NPOをやっていますが、僕は以前にお笑い芸人をやってた経歴があります。
ツッコミをやっていて、漫才の台本も書いてました。

そこで、今回は『走れメロス』にツッコんでみました。

最後には、「読書感想文を書くコツ」も記載しています。

「読書感想文書けねーーーー!!!と悩んでいる皆さん、保護者のかたはご参考に!

 

『走れメロス』

背景 メロス様

あなたは、どうしてそうなのですか?
僕にはきっと出来ません。出来るわけありません。
理解も出来ません。
死にたくないので。
メロスは、王様に文句を言い、殺されそうになります。

でも、妹の誕生日があるからそれだけ出席したいと言い、身代わりに友達を差し出します。
いや、もう「なんでやねんっ!」ですよ。ほんとに。

いや、全力でツッコミましょう。
きっと王の側近も思ってますよ。
「こいつなに考えてるねんっ!!」って。

だってですよ。考えてみてください。
まちで王の独裁を知り、怒って殴り込みに行きます。
メロス一人で。

まちには、友達に会いにきただけですよ。

現代で考えると、地方から東京に遊びに来た人が、たまたま通ったところで都知事に対する不平・不満を聞くのです。

そして、「なにー!」と激怒して新宿の都庁まで走って行って、入口の警備員がいるところで、「小池やっつけてやるー!」と大声で叫ぶんですよ。

警備員からしたら、「ああもう、まためんどくさいやつが来たなー」って感じになりますよね。
「お兄さん、はいはい。帰ろうね」と、もう逆に優しくされるくらいかも知れません。

見ている人は好奇の目ですよね。「変な奴おるなー」と。

まさにその「変な奴」がメロスです。
でもね、まぁ怒りに身を任せての行動はわからなくはないのです。正義感ですよね。彼のね。
でもね、やっぱり理解出来ないんですよ。その後の行動。

「妹が結婚するから待ってくれ」とメロスは懇願します。

さぁ、皆さんご一緒に。
「なんでやねんっ!!!」

もうベタベタなツッコミですよ。吉本新喜劇でもありませんよ。こんなおかしいこと。

いや、もうね、おかしい。

王も含めて思ってますよ。きっと。
「メロスくん、そんな大事なときに君はなにをやっとるんだ」と。

まるでテスト前にゲームセンターで遊んでいる生徒を見て担任の先生が叱るような、あんな感じ。
もう、諭しますよね。
刺客を差し向けられた側の王が相手に諭しますよね。
「あかんぞ」と。「もうちょっと考えて行動しなさい」と。

メロスを形容する言葉は、「思慮が浅い」ですよ。

辞書で調べたら、同義語のところに「まるでメロスのような行動をすること」って書いても良いくらいです。
もう、意味がわからん。

王の元へ行くまでに少しは考える時間はあったハズです。
「いやまてよ、もうすぐ妹の結婚式だ。こんなことしてはいけないな」と。

いったいメロスは、なにを考えていたのでしょうか。
本気で王を倒せると思ってたのですかね。

まぁ、ヘロヘロの状態で盗賊4人に出会ってもやっつけることが出来たので、少しは腕に自信があったのでしょう。

でも、さすがに王の元へ丸腰で行くのは無謀過ぎではありませんか?メロスさん。
たとえ、白鵬でも無理ですよ。考えたらわかるハズです。

でも、まぁ百歩譲って、怒りに任せた行動で後先を考えなかったからということで先に進みましょう。

この後ですよ。問題は。もう、驚愕ですよ。側近は。
王なんて、爆笑です。
「こいつは、なにを言っているんだ!?」と。

「ちょっと結婚式行ってきます。その間は、友達を身代わりにしておいてください」って、平気な顔をして言うんです。

お前は一人っ子か!と。悠々自適かと。

もう、すっごい天才か、めちゃくちゃアホかのどっちかですよ。彼は。

王は、「ほう、おもしろい」と言って彼を結婚式へ向かわせます。
まぁ、そうですよね。ただ、ただおもしろいですよね。

彼の生態が知りたい。ちょっと、脳科学とかで調べて欲しい。
もしかしたら、人とは違う部分とかがブワーって発達してるのかも知れませんよ。ほんとに。

で、メロスは「恩に着る」的なカッコイイセリフを言いながら自分の家に向かったのでしょう。
作中にはそのセリフはありませんが、きっと言ってますよ。メロスは。そういうやつです。

そして地元へ帰ったメロスは、「明日結婚式やれ!」と妹に強要します。
「衣装を買ってきたから」と。

いやいやいやいや、あんた妹の結婚式を大事にしてるか、してないのか、どっちやねん。

妹婿にも頼みに行くものの「いや、メロス兄さん。まだ準備出来てませんよ」と言われます。

そりゃそうですよ。明日ってめちゃくちゃです。

でもね、妹婿は夜明け前に承諾するんですよ。
「仕方ありませんね、明日やりましょう」って。

しかしですよ、了解したのは夜明け前なんです。
もう、今日ですよ、今日!!そこまで粘られて了承するなら、早くしておけと。
来てくれる人たちがもう迷惑ですよ。

まぁ、すべての元凶はメロス兄さんなんですがね。

とにかく、なんとか式をあげて、メロスは満足して王の元へ向かいます。

妹に「兄が俺で良かったな」なんて言いながら。
もう口はあんぐりです。誰が言うてんねんと。

さらに、メロスは驚愕のことを言います。
心の声ですが。
「身代りの友を救う為に走るのだ。」と。

いやいやいやいや。

救うって、身代わりにしたのは、あんたやがな!と。
お前が「ちょっと、身代わりになっておいてねー」って言うて来たんやろと。

なのに、「救う!」ってまるで正義の味方みたいに言うんです。
メロスさん。もう、すごいですよね。いろいろ。

でも、皆さん。驚愕するのはまだ早いですよ。
いよいよまちに近づくも、間に合わないだろうと知り合いに言われたときにメロスはこう言います。

「間に合う、間に合わぬは問題でないのだ。人の命も問題でないのだ」と。
「えーーーー−−」ですよ。
友達もびっくりです。
「うそでしょ!」、と。

自分の命ならいいですよ別に。あなたの勝手ですからね。

でも、あなたの思慮の浅い行為で友達は殺されようとしているのに、「問題ではないのだ」ですよ。

ただのマラソンランナーですよ。
オリンピックですよ。
参加することに意義がある、です。まさに。

最終的に、メロスは間に合い、友達と泣きながら抱き合い、王も改心してめでたしめでたしになります。

でもね、思うのです。
無理矢理早く結婚式をされられた娘夫婦が可哀想だなって。

 

最後に、一言だけ、言わせてください。


「メロスよ、もうちょっと考えて行動しろよ。」

 

 

 読書感想文ミニ講座 -ツッコミ読書感想文のススメ-

 

よく読書感想文で「おもしろかったです」「すごいと思いました」って書きますが、それではなにも伝わりません。なによりも、文字数が稼げないんですよね。

そこで、ツッコミです。

順番としては、こんな感じ。

 

①ツッコミたい箇所を見つける。
②ツッコみのフレーズを考える
③文章にする

 

「メロスみたいに走るとか、できるかいっ!!」ってツッコミを考えて、それを文章にするのです。

「メロスは友達のために走りました。でも、僕には無理です。絶対。死ぬのは怖いです。とても。一度だけお葬式に出たことがあります。そのとき。。。(中略)だからこそ、勇気あるメロスの行為を僕は凄いなぁと思いました。」

みたいな感じで、ツッコミを切り口にして、話をすすめるのです。

 

自分がなぜそう思ったのか、どうしてそう感じたのか。
それを説明していくのです。1つのツッコむ箇所を見つけて、そこに感想や自分の思い出なんかも盛り込んでいく。


ツッコミたい箇所というのは、自分の感情が大きく揺れた部分です。

そこには、必ずなにかあるのです。
自分が大切にしていることや思い出、経験などなど。

だからこそ、そこをきっかけにして文章を書いていけばいいのです。

 

あと、もう1つポイント!

読書感想文の書き出しであらすじを書かないこと。
はじめにあらすじを書いてしまうと、そのあとにつなげる文章が何倍も難しくなります。

 

「僕はメロスにはなれない。読んでいて僕は思いました。」
みたいな感じから書き始めると、そのあとに理由やあらすじなどを自由に書けます。

「僕はメロスにはなれない。読んでいて僕は思いました。なぜなら。。。(理由を書いていく)」

「僕はメロスにはなれない。読んでいて僕は思いました。メロスは。。。(あらすじを書く)」


「ツッコミ読書感想文」、
よかったらぜひやってみてください。

親子で取り組んでみるのもいいかも知れませんね。
お父さん、お母さんもぜひ、大人の読書感想文を書いてみてください。

 

 

最後に…

メロスのこと、どう思います??

 

 

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この記事を書いた人

1984年 大阪生まれ 立命館大学文学部卒

中学時代は、部活に打ち込み、勉強では学年で常にトップ10以内。
しかし、中学3年生のときから学校がしんどくなり、誰とも話さなくなる。
野球選手を目指し、大阪の野球強豪校へ行ったものの、自信を失い退部。そこから学校へ行かず、河川敷で過ごす毎日をおくる。
浪人して立命館大学へ入学したものの、なにをしたいかが分からなくなり、行く意味を失う。1回生の夏から1年ほど、京都の下宿で引きこもる。
友人の支えもあり、復活。政治家の秘書やテレビ制作などのインターンをおこない、期間限定のカフェも開く。「自分のようにつらい思いをさせたくない」と思い、D.Liveを立ち上げる。
フリースクールや自信を取り戻す教室を運営。不登校に関する講演や講座もおこなっている。
京都新聞にして子育てコラムを連載中。
詳しいプロフィールはコチラから

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