子どもとの会話を増やすには、情報収集から始める。 問いのデザイン vol.1

この記事は、noteで公開した記事の転載になります。

コミュニケーションには、4種類あると思っています。

解決する(コンサルティング)
交渉をする(決断させる)
情報収集する(リサーチ)
相談にのる(カウンセリング)

この4つのうち、一番大事なのは、リサーチです。

多くの保護者さんは、コンサルティングやカウンセリングを多くします。

なんとか相談にのろう。なんとか解説してあげようとするのです。

しかし、まずはどんなことも情報収集から始まります。知らないと分からないのですよね。

 

たとえば、恋愛でも相手がなにが好きで、どんなことに興味があるか分かっているとデートに誘いやすいじゃないですか。

エスニックが好きだと聞けば、「美味しいナシゴレンの店があるから行かない?」と誘います。

辛いものが好きならば、「美味しい麻婆豆腐の店を見つけたけど行かない?」と言えます。

でも、全然知らなくて、多分女子は甘い物が好きだからと思って「美味しいパフェの店があるから行こうよ」と誘っても、本人が甘い物が嫌いだと断られるでしょう。

知らないと、効果的な言葉ってかけられないのです。

 

情報収集をせずに、ただ闇雲に声をかけたところで、子どもから良い反応が返ってくることはほとんどありません。

まさに下手な鉄砲で、もう乱発するしかないんですが、命中する確率ってすごーく低いのですよね。

それで結局、「この子にはなにを言っても響かない」とか「やる気がないのです」と子どものせいにしてしまう。

違うんですよ。リサーチ不足なのです。

徹底的な情報収集から始めましょう。

ちゃんと情報を持っていれば、本人をやる気にさせる声かけも見えてきます。
会話量を増やすこともできます。

「全然、話してくれない」のは、子どもの責任ではなく、私自身の問題です。

もちろん、思春期だからあまり話してくれないこともあるでしょう。

それでも、徹底的にリサーチをしていけば、会話量を増やしていくことができます。

情報収集の一番の目的

情報収集する一番の目的は、「会話の糸口を見つけること」です。

子どもとのコミュニケーションで目標にするのは、“会話量”です。

会話量が増えるということは、信頼ゲージが高まっていることの証明になります。信頼していない人には、なにも話さないですからね。

そして、会話量が増えていくと、ホンネをだんだん話してくれるようになります。こちらのアドバイスも聞いてくれるようになります。

すると、コンサルティングやカウンセリングが出来るようになります。

不登校に関する理論図解まとめ.001

このような流れですね。

だからこそ、まずは会話の糸口を見つけて、会話量を増やしていきます。

そのためにも、情報収集をしていくのです。

情報収集する方法

①観察する
②本人に訊く
③誰かに聞く

このラインより上のエリアが無料で表示されます。

まずは、「観察する」ことからです。
会話が全然出来ないという場合などは、聞いても教えてくれないので、観ることから始めます。

具体的にどのようにして観るかは、こちらの記事をご覧くださいね。

 

不登校の子への関わり方 声をかけるときは、「観る」と「訊く」から。

 

今回は、“本人に訊く”ことについて書いていきます。

誰かに聞くのも大事なのですが、バイアスがかかります。たとえば、「すごく楽しそうにしていましたよ」という先生の言葉は、先生から見た子どもの様子であって、本人が本当にそのように感じていたのか分かりません。

なので参考程度にしましょう。

子どもには訊いても教えてくれないから、他の人から聞くことを主にするかたもいらっしゃいますが、基本は「観察」と「本人へのヒヤリング」です。

本人に訊くときのポイント

最大のポイントは、「子どもの関心に寄り添うこと」です。

私が訊きたいことではなく、子どもが話したいことを訊くことが基本です。

子どもが関心を持っていること。
子どもが好きなこと。
子どもがやっていること。

過去でも未来でもなく、今のことについて訊いてください。

たとえば、「明日、学校どうする?」って未来のことですよね。
「どうして、学校行けなくなったの?」は、過去のことです。

どちらも子どもにとっては答えにくいんですよね。

でも、「今、お腹の調子はどう?」と訊くと、「痛い」「痛くない」と答えられます。

まずは、とことん「今」についての質問をしていきましょう。

今、楽しみにしていること。
今、ハマっていること。
今、困っていること。
今、やってみたいと思っていること。
訊くときは、純粋な気持ちで。
純度100%で訊きましょう。

「勉強するようにもっていきたいな」
「励ますようにしたいな」
「なんとか学校行くような機会にしたいな」

などといった邪念を込めないでください。

よこしまな考えは、すべて子どもにバレます。

「あっ、誘導しているな」と察します。

すると、子どもは途端に口をつぐみます。話さなくなるのです。

ただ純粋に「知りたい」という気持ちで、話を聴いてあげてください。

誘導しない
コントロールしない
分かったフリをしない

このことを気をつけて、まっさらな気持ちで訊いていくのです。

どんなことでも疑問に思い、「それってどうして?」「なぜ、そう思うの?」「どうしてだろう?」と、どんどん訊いていきましょう。

「フォートナイト楽しいねん」と言ってきたら、「ゲーム楽しいよねぇ」と、分かったフリをするのではなく、もっと訊いていく。

「なにが楽しいの?」
「他のゲームとなにが違う?」
「やっていて、楽しいなと思うときっていつ?」

などと言ったように、言葉の一つ一つに疑問を持ち、訊いていきます。

純粋に知りたいなという気持ちで質問をされると、子どもはちゃんと答えてくれます。

「知りたい」という気持ちは、ちゃんと相手に伝わるものです。

コントロールするために訊いているときは、「あっ、なにか狙っているな」と思うので、質問されると、尋問されている気持ちになります。

しかし、純度が高い質問は、きちんと答えてくれます。答えようとします。

自分に関心を持ってくれるって嬉しいんですよ。

自分が好きなゲームのことについていろいろ質問されると、「興味持ってもらっている」と思えますよね。

だから、どんなに質問しても、イヤな気にはなりません。

幼稚園児のような純粋な気持ちで、「なぜ? どうして?」とすべてのことに対して疑問に思い、質問をしていきましょう。

リサーチノートのすすめ

集めた情報は、ぜひノートや手帳にまとめておきましょう。“リサーチノート”を作るのがオススメです。スマホのメモ帳でも良いですし、手書きノートでもいいでしょう。普段使っている手帳でもいいですね。

とにかく、お子さんの情報を一括でまとめておくのです。

僕は、恋愛を始めるとき、その人の情報をすべて1冊にまとめていました。デートをしているとき、情報を得たら、トイレに行ってメモをするのです。好きな食べ物や誕生日など。そして、次のデートに活用していきました。すると、「え? 覚えてくれていたんだ〜」ってなるのです。

こんな感じで、お子さんの情報をまとめていきましょう。

好きなこと。
ハマっていること。
ゲームのこと。
Youtubeのこと。

話を聴きながらメモっても良いと思いますよ。

ゲームの話を聴いていて、「ちょっと分からないから、メモってもいい?」と言って、ノートにメモするのです。

メモしている姿を見ると、真剣に聴いている姿勢が見えて、話しているほうとしても嬉しいのです。

ゲームやニュースのことなど、よく分からない話をされると、ついつい流して聞いていることがあると思います。

でも、そうすると「これ、前も言ったよ?」と言われることがあります。

そういったことを防ぐためにも、メモをするのです。

まとめ

まずは、会話の糸口をつくるために情報収集をしていきましょう。素材が集まっていけば、会話がどんどん増えてきます。

お子さんの行動を観察をして、そのことについて聞く。この繰り返しで、どんどん情報が集まっていきます。

すると、どんどん会話量が増えていきます。

なにかさせようとか誘導するのではなく、まずは純粋な気持ちで訊く。情報収集をおこなっていってください。

 

noteにて不登校に関する記事を執筆中

 

この記事は、noteで書いたものになります。

noteでは、有料ブログとして具体的な不登校の子へのかかわり方などについて書いております。

1つの記事での購入、定期購読、1ヶ月分の記事の購入などができます。

お子さんの不登校でお悩みのかたは、ぜひ定期購読をオススメ!

毎週火曜日、金曜日に記事を更新しております。

 

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1984年 大阪生まれ 立命館大学文学部卒

中学時代は、部活に打ち込み、勉強では学年で常にトップ10以内。
しかし、中学3年生のときから学校がしんどくなり、誰とも話さなくなる。
野球選手を目指し、大阪の野球強豪校へ行ったものの、自信を失い退部。そこから学校へ行かず、河川敷で過ごす毎日をおくる。
浪人して立命館大学へ入学したものの、なにをしたいかが分からなくなり、行く意味を失う。1回生の夏から1年ほど、京都の下宿で引きこもる。
友人の支えもあり、復活。政治家の秘書やテレビ制作などのインターンをおこない、期間限定のカフェも開く。「自分のようにつらい思いをさせたくない」と思い、D.Liveを立ち上げる。
フリースクールや自信を取り戻す教室を運営。不登校に関する講演や講座もおこなっている。
京都新聞にして子育てコラムを連載中。
詳しいプロフィールはコチラから

目次