「何でもいいから言ってみろ」では育たない!子ども視点に立ったこれからのコミュニケーション能力の育て方

「なんで自分の意見を言わないんだろう?プリントに書くのはできているのに」

授業参観で、こんな風に思ったことはありますか。

 

コミュニケーション能力が必要だと言われるこの時代。

学校でも、先生中心の授業から生徒の話し合い中心の授業に変わりつつあります。

 

仕事でもコミュニケーション能力の重要性をひしひしと感じるからこそ、

授業で全然自分の意見を言わない子どもの姿を見ると、

「ウチの子、大人になったとき大丈夫かな?」と心配される保護者さんもいることでしょう。

 

 

授業でお子さんが意見を言えないのは理由があります。

そしてそれはお子さんのせいじゃない、というのがぼくの考えです。

 

理由を説明する前に、授業で求められるコミュニケーションについてちょっと整理します。

ぼくは以前、学生に「コミュニケーション能力ってどんな力のこと?」と質問したことがありました。

学生たちは、相手の話をじっくり聴く力とか自分の意見をわかりやすく伝える力と答えていました。

 

 

これはいわゆる『会話はキャッチボール』的発想です。

相手が投げたボールを取りこぼさないことが、じっくり聴くこと。

相手が取りやすいボールを投げるのが、わかりやすく意見を伝えること。

 

一対一でのコミュニケーションなら、この説明でも十分でしょう。

しかし、授業で求められるコミュニケーション能力を説明するにはキャッチボール的発想では不十分です。

 

授業でコミュニケーションを取る場面は、テーマや課題ありきです。

「グループで話し合って問題の一番わかりやすい解き方を求めましょう」とか、

「二酸化炭素の増加を防ぐために、身の回りでできることを話し合ってまとめましょう」とか。

先生はグループで話し合わせる前に、グループで何をめざすのかを提示します。

 

 

ですから、授業では1つの目標に向かってグループで話し合える力が求められます。

授業中に子どもが意見を言えるようになるために考えるべきはこれです。

1つの目標に向かってグループで話し合える力とはどんな力か、です。

 

この力はキャッチボール的発想ではなく、ラグビー的発想で考えていくとその輪郭が見えてきます。

ラグビーは1つのボールをチームでパスしながら前に進めていくスポーツです。

パスを受けやすいスペースは無いか、味方はいまどこを走っているか、チーム全体として機能しているか。

自分、味方、チームのことを考えながらゴールをめざさないと勝てません。

 

授業で求められるコミュニケーションも同じです。

自分の意見が相手とどうつながっていくのか、話の流れが分からない友だちはいないか、

グループみんなが納得しつつテーマに迫っているのか。

この視点が必要です。

 

 

だから、授業で求められるコミュニケーション能力って結構レベルが高いんです。

「とりあえず思ったことを言ったらいい」じゃ足りません。

 

ラグビーではパス回しの精度を高めるための作戦やサインなどの下準備があるように、

授業中のコミュニケーションでも、質を高めるためにできる下準備があります。

意見をまとめるコツや、全員が意見を出しやすくなる約束を事前に教えてあげることです。

 

私は、意見を言えないのはお子さんのせいじゃないと言いました。

意見を言えないのはお子さんに自主性が無いわけでもコミュニケーション能力が無いわけでもありません。

グループで話しあうためのコツや約束を知らないだけです。

コツや約束を教えてあげるだけで変わります。

 

私たちD.Liveは、話し合うためのルールや、話し合うテーマに合わせて、何をどう話すか事前に伝えます。

例えばこんな感じです。

・まずは意見を出してみる

・何の話かわからなくなったら遠慮なく「わかりません!」

・決める時は全員納得できるように

慣れるまではしつこくても毎回確認しています。

 

誰もが安心して話せる場をつくると子どもは見違えるほど変わります。

先日、うちの教室TRY部に新しい生徒(中学生)が加わりました。

3回ほど通ったところでTRY部の感想を聞いたら、こんな風に答えてくれました。

 

TRY部は モヤモヤしていることを何でも話せて スッキリできます。
思っていることを聞いてもらえて 本当に 嬉しいです。
学校や家以外の場所は、私たち思春期のみんなににとっては必要だと思います。
私のような、コミュ力で悩んでる子にも、TRY部は めっちゃオススメですね!!
実際、TRY部通って…学校行くのが楽しくなったし、
グループワークで少しずつ話せるようになってるし、後悔しないようになったし。
メリット盛りだくさんです。

 

べた褒めなので、生徒に言わせたように思われるでしょうが、そんなことはありません。

生徒が自分で言ってくれた言葉です。

 

授業でのコミュニケーションをラグビー的に捉えて、

子どもに何が必要かを考えれば、授業でも子どもは自分の意見を言えるようになります。

自分のことをコミュ障なんて言わなくなります。

 

具体的にどんなコツを教えてあげれば、授業中に子どもが自分の意見を言えるようになるのか。

そのコツを2月24日(土)にお伝えいたします。

生徒自身が変化を実感した、TRY部の授業も体験していただけます。

思春期(小5〜高3)のお子さんがいる保護者さん限定の講座になっております。

この機会にぜひ!

 

思春期の子どもとの関わりかた講座 第四期
「子どもが積極的に話し合いに参加する方法 -授業参観で物足りなさを感じたあなたへ-」

お申し込みはこちらから!
https://peraichi.com/landing_pages/view/dlive2

■ 「TRY部でいっぱい話したから学校でも話せるようになった」

私たちD.Liveは「TRY部(とらいぶ)」という小5〜高3までを対象にした教室を運営しています。この言葉は、TRY部に通う生徒が話してくれた言葉です。中2の時に入会した彼は、グループでの話し合いが苦手でした。自己紹介も小さな声で名前を言うだけ。ですが、TRY部に通うようになって、今ではグループでの話し合いも積極的に参加できるようになりました。

話し合い活動が学校の授業でも取り入れられている昨今。
思春期の子どもたちの対話的なコミュニケーション能力を育む重要性が高まっています。
今回の講座は彼がどうして変化したのか。
そのエッセンスが理解し、ご家庭でも活用してもらえるための講座です!


■ あなたに合った方法を見つけましょう

子育て講座に参加した後にありがちなのが、「ああ、できていない」と自分を責めること。
せっかく褒めることの大切を教えてもらったにも関わらず、普段の生活で褒めることができていないと、自分を責め、落ち込んでしまいます。

子育て講座や子育て本というのは、本来は今の自分に足していくものだと思うのです。「ああ、こういう方法があるのか」「こんな考え方があるのか」と、知識や考え方を増やすために活用する。
ついついやってしまいがちなのが、新しく学んだ方法は「良い方法」で今までやっていたのは「悪い方法」と、取り替えていくこと。すると、常に自分のやりかたを否定してしまいますし、合う方法が見つかるまでずっと探さないといけません。

でも、誰も完ぺきな人間ではありません。すべてうまくやるなんてできない。だからこそ、知識や考え方を自分の中にたくさんストックして持っておき、その場に応じて使っていくのです。
すると、「ああ、できなかった」と落ち込むことはありません。 時間がないときに、電子レンジを使って時短料理を作るがごとく、子育てでも時短子育てが可能になるのです。「時間がないからできない」「イライラしててできない」ということがなくなります。

この講座では、上記のように子育て講座や子育て本の活用などの考え方についてもお伝えさせていただきます。
「正解!」という方法なんて、ありません。 あるのは、「自分に合った方法」だけです。そのためには、まずは思春期の子どもについての理解を深め、いろいろな手法を知っていくことです。
たくさんのプレゼントもご用意しております。 ぜひ、ご参加お待ちしております。

■ この講座で得られるもの

・思春期の子どもがどんなことを考えているかわかる
・子どもへの具体的な関わりかたが学べる
・子どもの自信や自尊感情について学べる
・どうして授業で子どもが話し合いに消極的なのか分かる
・学校の話し合い活動に参加しやすくなるための関わり方が学べる

■ 今回のテーマ

「子どもが積極的に話し合いに参加する方法 -授業参観で物足りなさを感じたあなたへ-」

■ 講座概要

日時: 2/24(土) 14:00 – 16:30
場所: コワーキングスペース Mag House (JR瀬田駅3分)
滋賀県大津市大萱一丁目9−7ワイエムビル202
人数: 7名ほど
対象: 小5〜高3のお子さんがいる保護者さん
参加費:1,000円
お申し込み:https://peraichi.com/landing_pages/view/dlive2
こちらのHPの一番下のフォームからお願いします。

プログラム:
・自己紹介
・話題提供
1、話し合い活動が学校で重要視される背景
2、子どもが安心できる話し合い環境とは
3、学校で求められている対話的コミュニケーションの伸ばし方
・体験TRY部 私たちが子どもにおこなっている授業を体験してもらう時間です!
・親として子どもにできることは何かを考える時間
・ふりかえり
お申し込みはこちらから:https://peraichi.com/landing_pages/view/dlive2

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この記事を書いた人

D.Live副理事/元小学校教員
自分に自信が持てない、自分を好きになれない、そんな人が自分を好きになり前向きにチャレンジできる社会を創るためにD.Liveを立ち上げた。
自尊感情に関心が高く、D.Live内では主に自尊感情に関する事業を担当。

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