アドラー心理学講師に聞く勇気づけのコツとは?

こんにちわ、得津です。
先日、滋賀県でアドラー心理学を用いた講座を開かれている「木村友栄」さんと、アドラー心理学について意見を交わす機会があったので、勇気づけについて伺いました。
勇気づけとは、
勇気づけとは、自己尊重(自尊心)と自己信頼を築くのを支援するために個人の持ち味と潜在力に焦点を当てるプロセスであり、勇気と信頼を確立するのに書かせない技術を適用することで、現実化する理論である。(勇気づけの心理学より)
よく、子育てでは褒めることが大事とされていますが、褒めるとは違います。
勇気づけとは、あくまで相手の関心に目を向け、相手の関心に合わせた言葉がけをすることです。
ここまで読まれて、難しさを感じられた方もおられるかも知れません。
そんな方のためにも、コツを伺ってきましたのでご紹介します。
得津:勇気づけって、難しくないですか?僕はすごく悩んでしまうんですけど・・・
木村さん:そんなこと無いですよ。相手のやってきたことを見ていれば、難しくありません。難しく感じるのは相手の結果しか見ていないからです。きちんと相手を見続けていれば大丈夫ですよ。
得津:特にどのような点を見ていますか?
木村さん:相手の表情や行動、それに今までの過程ですね。
得津:勇気づけを実践されていて感じる相手の変化について教えていただいてもよろしいですか?
木村さん:私には二人子どもがいて、下の息子は自閉傾向がきつかったんです。子育てでも苦労する事が多くて、中学校の時に引きこもるようになったんですね。今までだと、「出てきなさい」とか「ご飯だよー」とか言ってたんですけど、全然ダメ。そこで、アドラー心理学を勉強して勇気づけを実践するようになったら少しずつ会話できるようになってきました。
木村さん:具体的には、「無理して出てこなくてもいいけど、食べたかったら出ておいでね。●時には片付けるからね」という具合です。そうしたら、部屋から出てきました。でも、ここで自分から話しかけようとはしませんでした。それは自分の気持ちの押しつけだから。息子は、ただご飯が食べたかったから出てきただけなんです。部屋から出てきたのをきっかけにして、お互いワンピースが好きだから「ワンピース録画したよ、観たかったらおいでね」って声をかけたりして、ワンピースの話題でつながれるようになって話を共有できるようになりました。
木村さん:そうしたら、ぼそぼそを自分がイヤだったことを話すようになったんです。勇気づけでは「待つ」ということも非常に重要です。ついここまで来ると、「なんでずっとこもってたん?」「何がイヤやったん?」って聞いてしまいたくなりますが、自分の都合を押し付けずに相手が話したくなるまで待っていました。そうして、相手の関心に合わせながらやっていくと、中三の二学期から学校へ行くようになり、高校への受験も決め進学しました。
得津:すごい変化ですね!でも、勇気づけというよりは、その子に合わせた結果ではないのでしょうか?いわゆる特別な支援を必要とする子どもたちにも勇気づけは効果があるのでしょうか?
木村さん:もちろんですね。発達に遅れがあったり特別な支援を必要とする子どもほど、無理に聞き出そうとしても上手くいかないので、相手の関心にあわせる勇気づけアプローチが有効だと思います。
得津:つい言ってしまいそうになる自分の気持ちや言葉を抑えることが大切なんですね。
木村さん:そうですね。例えば、お子さんが帰ってくるなり鞄を放り投げて「ただいま!」って言って帰ってきたとします。すると、それを見るとつい注意したくなりますよね「鞄なげたらあかん!」って。でも、そんなの当の本人だって分かっています。「おかえり、ちょっと怒ってる感じやね」で、良いんです。そこで、注意しても入らないし、「なげたらアカン!」って自分の感情をぶつけているだけで、相手には理解されないですよ。もっと落ち着いて聞いてくれそうな時に言うべきです。しょんぼりして帰ってきた時も、「どうしたん?」とか「今日、学校どうやった?」って聞かなくて良いです。「ちょっと元気無さそうやね」という言葉だけで良いです。つまりは、相手の様子を言葉にするところから始めることですね。ずっと相手の様子を見続けていれば出来ますよ。
得津:なるほど。。。では、最後に、子育てに関わる保護者さんや先生に伝えたいことはありますか?
木村さん:子どもを対等にみる。アドラーでは「横の関係」といっていますが、この考え方をもって接してほしいです。友だちのように接すると上手くいくと私は思っています。
得津:今日はありがとうございました!
木村さん:ありがとうございました。