尾木ママに学ぶ自尊感情

自尊感情が髙いということは、常に自分が周りから受け入れられているという安心感があり、精神的充足感が大きいことを意味します。自尊感情が高ければ、たとえ状況が悪くても、爆発的な感情表現や攻撃的な行動によって自分の心の落ち着きどころを求める必要がないからです。
安堵感があれば、どんなに敵対した相手に対しても、人として信頼感を持ち、接点を求め、言葉による理性的な議論といったコミュニケ-ションをとろうとします。不合理な要求やトラブルであっても、腰をすえて穏やかに受け止めることができるのです。自分の欲求を通したい場面でも感情に走ったり暴力に訴えたりすることはありません。

『尾木ママの親だからできるこころの子育て』

「自尊感情が低いことってなにが問題?」と聞かれたとき、僕は「とにかく本人がしんどい」と話しています。

尾木先生は、自尊感情が髙い状態を”安心感”と言われています。つまり、「安心感がない状態 = しんどい状態」なのです。
自尊感情は自尊心と同じ意味で捉えられることも多いですが、全くの別物です。

自尊感情= self esteem  

    自尊心    = pride                  

良いところも悪いところも全てひっくるめて受け止めるのが自尊感情です。自尊感情が高いと承認欲求は低くなります。自分を無理に取り繕う必要がなく、認めてもらう理由もないからです。
だから、暴力に訴えかけるようなことがないのです。

では、なぜ子どもたちの自尊感情はそこまで損なわれているのでしょうか?
ここ数年の子どもたちの変化として、とくに気になることがあります。それは、「親の前ではよい子に変身する」子どもたちが増えてきたということです。
これは、小学校低学年の子どもほどよく見られる現象です。私はこれを「よい子ストレス」と呼んでいます。

「お母さんの前ではいつもお利口さんでいなければならない」と、子どもたらは必死によい子を演じているのです。お母さんたちには、たとえば「好き嫌いはしない」 「てきぱきとよく動ける」「ニコニコとあいさつができる」「服をきれいにたためる」などといった生活の細部から子どもの表情に至るまで、「よい子像」というのがインプットされているのではないかなと思います。

『尾木ママの親だからできるこころの子育て』

背景には、少子化の影響があります。1人っ子が増えていることで過保護になってしまっているのではないかと思っています。
「失敗させないように」と思い過ぎて、手出し口出しが多いことが ”よい子ストレス”を生み出しているのではないでしょうか?

自尊感情は、目に見えません。自信がありそうな子が実は自尊感情が低いということも多々あります。“よい子”に思えている子が実はとてもしんどさを感じていることもあるのです。

親も先生も子どものためを思って行動しています。にも関わらず。その行動が子どもを追い詰めていることがあるのです。

そんな悲しいことがおこらないようにするためにも、僕たちはこれからも自尊感情に関する知識をお伝えしていきます。

 

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この記事を書いた人

1984年 大阪生まれ 立命館大学文学部卒

中学時代は、部活に打ち込み、勉強では学年で常にトップ10以内。
しかし、中学3年生のときから学校がしんどくなり、誰とも話さなくなる。
野球選手を目指し、大阪の野球強豪校へ行ったものの、自信を失い退部。そこから学校へ行かず、河川敷で過ごす毎日をおくる。
浪人して立命館大学へ入学したものの、なにをしたいかが分からなくなり、行く意味を失う。1回生の夏から1年ほど、京都の下宿で引きこもる。
友人の支えもあり、復活。政治家の秘書やテレビ制作などのインターンをおこない、期間限定のカフェも開く。「自分のようにつらい思いをさせたくない」と思い、D.Liveを立ち上げる。
フリースクールや自信を取り戻す教室を運営。不登校に関する講演や講座もおこなっている。
京都新聞にして子育てコラムを連載中。
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