え!?そうなの?子どもの遊びも立派なワークショップだった

2016年2月、うちの団体LINEグループに、代表がある動画を投稿してきました。

 

なんやねん、とちょっと訝りながら見るとスタッフの駿くんがやたらチョコパイについてしゃべってる動画でした。しかもただしゃべってるわけじゃないんです。「NHKのプロフェッショナル〜仕事の流儀〜」そっくりに編集されてるんですね。

どういうことか尋ねたら、2人は「ワークショップ3.0」というイベントに参加していて、ワークショップを勉強しているところだと。「どう考えても、遊んでるだけやん!」と心の中で突っ込んでいましたが、まあそういう会ですし、いいやと思いながらそっと動画を閉じました。

 

駿くんと代表が参加した、「ワークショップ3.0」というイベントを主催していたのが、11月6日(日)に私たちが企画したフォーラム「子供の自尊感情の育て方」でお話いただく荒木寿友先生です。

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荒木先生は大学でワークショップの研究をされています。
特にワークショップの分類を中心にとりくまれております。

 

いま、「ワークショップ」という単語をいろんなところで耳にします。
僕がこの文章を書いているスタバでも、「コーヒーワークショップ」なるものをしていますし、学校現場ではワークショップ型の授業を求められたりします。企業研修でもワークショップを用いて研修が進められるそうですし、こないだはお花屋さんでもワークショップという単語を見かけました。

 

あっちもこっちもワークショップです。でも、それぞれがいうワークショップで表す活動の意味合いって随分違います。スタバでやるワークショップと学校で実施されるワークショップは似てるところもあれば、違うところもあります。世間にはいろんなワークショップがあります。同様に、ワークショップの定義も様々だと荒木先生はおっしゃっていました。

ある人の定義にそえばワークショップだけど、別の人から見たらそうじゃない。ということがあるそうです。
だから、荒木先生はワークショップを再定義し分類することで、世間のワークショップ的なものを解釈していこうという研究をされています。

 

荒木先生はワークショップを

一方的な講義形式ではなく、社会的存在としての自己が他者との関わりの中で、所与の目的を達成するために参加体験的な活動を通じて共同的・創造的にアプローチし、「生」を豊かにするプロセス

と再定義し、ワークショップを1.0、2.0、3.0に分類しています。(以下、参考資料一部抜粋)

・ワークショップ1.0

到達目標が予め決定sており、その到達点に参加者が至るべく具体的なスケジュールが準備できるもの。最初に何をやって、次に何をするか、構造化されているワークショップ

・ワークショップ2.0

一般的な目標は決まっているものの、結果として具体的に何が生じてくるのかは予想できにくく、参加者がその場で「答え」となるものを紡ぎ出していくワークショップ

・ワークショップ3.0

参加者の興味関心に応じて、その場で何をするか決定し、比較的長時間かけて目標の達成を図ろうとするもの

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※もちろん、これらの分類について優劣はありません。ワークショップは参加者や環境などに合わせて適切なものを実施するべきです。

 

僕が荒木先生の話を聞いて一番知的興奮を覚えたのは、子どもの遊びもワークショップ3.0としてみることができるということです。なるほどと思いました。

 

確かにそうなんですよね。みなさんも、きっと身に覚えがあるはずです。外でかくれんぼしてたら、ある友だちが落ちてるボールを見つけてきてドッチボールに遊びが変わったり、遊びに飽きた子が「次、これしよー」って言ったり。こんな風に遊びがころころ変わったこと、僕はよくありました。というより、子どもの頃はそれが普通でした。

この様子って、まさしくワークショップ3.0の「参加者の興味関心に応じて、その場で何をするか決定し、比較的長時間かけて目標の達成を図ろうとするもの」なんですよね。遊びでの目標は、友だちと仲良くなる・楽しく過ごすです。子どものころ、そんなこと申し合わせたことは一度もありませんが、でもそういうものです。

 

学校現場ではワークショップ型の授業が求められているそうですが、こう考えるとむしろワークショップ型の授業の方が子どもたちにとって馴染む部分もあるのかもしれません。幼稚園では、遊びが学習として位置付けられています。

僕が荒木先生からこの話を伺ってから、ワークショップについての理解が随分変わりました。街でワークショップという単語を見かけると「それは違うやろ」とか思うこともありました。それが、これもワークショップでいいのねと広く考えられるようになりました。

 

でも、さらに気になる部分があります。

 

自尊感情を育む上で、友だちとの関係は大切な要素の一つです。大人になるにつれて友だち関係が影響する部分も大きいです。だからこそ、ワークショップという協働的な活動が関係づくりにどのような役割を果たすのか。これがわかれば、学校の先生なら授業がわかるし自尊感情も育つ一石二鳥な活動のヒントになるでしょうし、地域で子どもと関わる大人ももっと意図的なレクリエーションができるはずだと考えています。

 

ワークショップと友だち関係についてフォーラムでお話ししてくれたら嬉しいなぁ。

 

11月6日(日)13時 – 16時半@京都市下京青少年活動センター
「子どもの自尊感情の育てかた ”ただ褒めるだけでいいのかと思い始めたあなたへ”」
お席、残りわずかとなりました。お申し込みはブログ下のバナーより。
(うまくいかない場合は info@dlive.jp までお問い合わせください)

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この記事を書いた人

D.Live副理事/元小学校教員
自分に自信が持てない、自分を好きになれない、そんな人が自分を好きになり前向きにチャレンジできる社会を創るためにD.Liveを立ち上げた。
自尊感情に関心が高く、D.Live内では主に自尊感情に関する事業を担当。

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