しんどさとつき合うプロのお坊さんでも、子育てはしんどいのか聞いてみた

こんにちは、スタッフの得津です。

突然ですが、一切皆苦(いっさいかいく)という言葉をご存知ですか?
これは仏教の言葉で「すべてのものは苦しみである」という意味です。

 

すべてのものは苦しみとしても、生きてる以上はその苦しみとつきあっていかなければならない。

 

そう考えると、一切皆苦という教えを学んできたお坊さんは
しんどさや苦しさとつき合うプロだとぼくは思っています。

 

先日、子育て中のお坊さんに「お坊さんでも子育てってやっぱりしんどいんですか?」と聞いてみました。

インタビューさせていただいたのは、釋氏真澄(きくち ますみ)さん。
以前は、海外で仏教の教えを広める開教使としてキャリアを積まれていた釋氏(きくち)さんに仏教の教えも踏まえながら、母として、お坊さんとして子育てについてお話いただきました。

 

得津:今日はよろしくお願いします。釋氏(きくち)さんはお子さんがお二人おられるんですよね。

釋氏(きくち)さん:よろしくお願いします。そうです。いま3歳と1歳の二人の子どもがいます。

 

得津:率直に伺いますが、やっぱり子育ては大変ですか?

釋氏(きくち)さん:大変ですねぇ。体調の変化が一番大きいですね。というのも、ホルモンバランスも変わりますから、怒りっぽくなるときも増えます。夜泣きもありますから、毎日寝不足です。だからといって、子どもと離れるわけにもいきません。ずっと子どもの面倒をみるために家にこもりっきりですから、ストレスもたまりますね。

 

 

得津:「しんどいなぁ」と感じた時に、仏教の教えが浮かんだりはしないんですか。

釋氏(きくち)さん:確かに、「四諦八正道(したいはっしょうどう)」といって苦しみがどうやって生まれるかについて学んできました。ですから、怒ってしまった時はあとで反省したりするんです。あぁ、言いすぎたなぁって。でも、怒っちゃう最中の時はそんな風にはならないですね。みなさんと同じです。毎日反省です。

 

 

得津:あぁ、やっぱり誰でも言いすぎたり、反省したりするんですねぇ。

釋氏(きくち)さん:わたし、子どもができる前は今よりずっとデキる母親になれるって思っていました。でも、実際子どもが生まれたら全然だめですね。こんなにできない自分がいることに気づかされました。だからこそ、これまで勉強した浄土真宗や仏教の教えが沁み入ってきますね。

 

 

得津:先ほど、苦しみがどうして生まれるかという話がありましたが詳しく教えていただけますか。

釋氏(きくち)さん:はい。まず、仏教でいう苦しみとは「自分の思い通りにならないこと」をさします。そして、自分の思い通りにしたい気持ちが高まってくることを「執着」といいます。しんどさを感じた時に、ふと自分を遠目から眺めてみると、自分の思い通りにしたいという心が自分にあったんだなぁと気づかされます。ただ、そうわかってはいてもやっぱり自分の気持ちがあるから悩みもあるんですよね。

 

得津:なるほど。思い通りにしたい気持ちですか。この気持ちとどう付き合っていくかが大切なんですね。ですが、たとえば幼稚園の先生がされていることに「ん?」と疑問に思ったりされませんか?

釋氏(きくち)さん:正直、思うこともあります(笑)でも、それは先生には言いません。やはり、家庭と幼稚園は違います。幼稚園では幼稚園の子どもの姿がありますし、先生のお考えもあると思うので幼稚園のことは先生を信頼してお任せしています。

 

 

得津:お話を伺って、気づかされることばかりでした。最後に子育てで大切にしたいことをお伺いしてもよろしいですか。

釋氏(きくち)さん:そうですね。そんな立派なことは言えませんが、明るくいることですかね。子どもが大人になったときにも明るい大人に育ってほしいので。あとは、一人でいないことです。どうしても、育児は家にこもりがちになるので、できるだけ誰かとつながることを大切にしています。

釋氏(きくち)さん:子育ては、先ほど話したようにイライラしたり、不安になったりすることもあります。出産と育児によって自分のキャリアもとまります。でも、そんなしんどいことを全部差し引いても子どもを産んでよかったと心から思います。本当に幸せだなぁと。

 

得津:まさしく、お母さんだからこそ言える言葉に深く感動しました。貴重なお話ありがとうございました!

 

 

いかがでしたでしょうか。

子育てのしんどさは確かにある。あるけれど、そのしんどさから一歩引いてみることで子どもの見方が変わることを私はインタビューで感じました。このインタビューが子育て中の保護者さんの心を少し楽にするきっかけになれば、幸いです。

 

お知らせ

今回インタビューした釋氏(きくち)さんを含め、子育て中の3人のお坊さんにインタビューした動画をみながら”しんどい”子育てから”しんどくない”子育てをさぐるイベントを9月9日(土)におこないます。

西本願寺から3名のお坊さんも来ていただきますので、その場で詳しく仏教について質問することもできます。

 

イベント詳細

仏教が教える苦しみとのつきあい方 – “しんどい”子育てから、“しんどくない”子育てへ –

日時

9月9日(土) 14:00~16:30

参加費

1000円

プログラム

・自己紹介
・お坊さんが解説する仏教の教え
・子育て中のお坊さんが語る「子育てで大切にしたいこと」
・ワールドカフェ
・ふり返りやアンケートなど

◆ 話題提供
今回は、子育て中のお坊さんにインタビューした動画を流す予定です。
自分が子育てで大切にしたいことや、苦しさが生まれるワケ、
子育てに関する仏教の教えなどをインタビューしましたので、どうぞご期待ください!

定員

20名 (先着順)

会場

しんらん交流館(京都府京都市 下京区烏丸通七条上る)
JR京都駅が最寄りです。

アクセスはこちら

 

お申し込み
お申し込みはこちらのページからお願いします。

主催

NPO法人D.Live

企画協力:他力本願.net

お問い合わせ先

raku.kosodate2017@gmail.com

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この記事を書いた人

D.Live副理事/元小学校教員
自分に自信が持てない、自分を好きになれない、そんな人が自分を好きになり前向きにチャレンジできる社会を創るためにD.Liveを立ち上げた。
自尊感情に関心が高く、D.Live内では主に自尊感情に関する事業を担当。

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