僕が学校という環境に馴染めなかった理由

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学校と言う場所はとにかく「型にはめる」ところだと思う。

例えば、クラスにいる35人中34人が左手を挙げて1人だけ右手を挙げたら、その右手を挙げた人は集団の中で「自分たちとは違う人」という認識で置かれる。本人としては確固たる理由があって右手を挙げているのに、他の全員が左手を挙げるから、場合によっては「あなたも左手を挙げなさい」と言われるかもしれない。

僕はその1人だけ右手を挙げるような子どもだった。

自分が納得いかないことをどんどん進められるのが嫌だった。「ひとり」を「1人」と表記するか否かで噛みついたことがある。「学校全体のスローガンは『ひとり』なのに、なんでクラスのスローガンでは『1人』って表記するんですか」と聞くと、「それはそれ、これはこれ」と言われて相手にされなかった。とても納得がいかなかった。

他の人にとっては大したことないことでも、自分にとっては死活問題なのだ。それがなかなか受け入れてもらえない。で結局、多数決に反抗すると、たとえ筋が通っていてもいつしかそれが「特別扱い」として蔑視された。集団に馴染めない人間はどんどん切り捨てられていく、変な目で見られる社会だと思った。

そのとき、僕が「こんな集団に馴染む必要なんてない」という気持ちを持っていれば、少し人生が変わっていたんだろうと思う。だけど、小学生のときの僕は、馴染めないなりに馴染もうとしていた。その結果、ますます反抗することが多くなって集団から目を付けられる立場に収まるようになった。

「お前は制服がある環境がアカンのかもしれんな」

と、昔父親に言われたことがある。

確かにそうかもしれない。中学に入学して、全員がそろいのブレザーを着た空間と言うのはとても違和感があった。その当時やっていたボーイスカウトの制服で集合したときとは明らかに違う感覚があった。ちなみに、ボーイスカウトも体力的に合わずに、後に中途半端な形で辞めてしまった。

最初に入った高校にも制服があった。体育の授業を終えて着替えていて、ちょっと着こなしを間違えると「お前、襟出てるぞ」と指摘された。ここもやっぱり型にはめるような環境だった。結局、「制服のある環境」って、どこも長続きしていない。

もちろん、集団生活や制服を導入するのは規律や協調性を高める、と言うねらいがある。これは大事なことだと思うが、僕にはどうも馴染めなかった。今でも、就職活動のリクルートスーツに少し戸惑いを覚えるので(実際それも一因で僕は就職活動を一切やらなかった)、これは一生馴染むことができない気がしている。

なぜ無理にでもマジョリティになろうとする?

結局、僕はマジョリティ(多数派)ではなくマイノリティ(少数派)で生きたかったからこそ、学校と言う場が嫌だったんだと思う。

みんながみんな同じ生活をしていたら、絶対この世の中はつまらない。日本全国の14歳全員が、毎朝きっかり8時半に学校に登校していたとしたらどうだろう。誰一人として遅刻もしない、そもそも学校に行かない人もいない。なんにも個性がない世界になっていると思う。

その個性がない世界が嫌な人は、5分だけ遅刻してみたり、そもそも学校に行かないという選択肢を取るだろう。そうしてその人たちはマイノリティへと移っていく。それでいいのだ。何もみんなと同じ生活なんてすることはないのだ。他人に合わせることのない、自分の人生をもっと生きるべきなのだ。

いま、学校に行っていない人も、無理に学校に行こう行こうとする必要はない。温かく見守ってくれる大人がいて、学校ではない、自分の個性が生かせる居場所があれば、そこがあなたにとっての「学校」なのだ。学ぼうと思ったらどんなことでもいくらでも学べる。それが人生の財産となる。

僕は中学3年間ほとんど不登校として生きたけど、大学も卒業できて今もこうして生活しているし、このごろは芸能人でも私不登校でした、とカミングアウトしている人が結構いる。最近だとAKB総選挙で優勝した指原莉乃さんがいい例だろう。彼女も中学卒業間際の半年は不登校だったそうだ。

マジョリティから脱却しても、この世の中はそれなりに生きていける。「学校に行っていない」というマイノリティであることに胸を張りながら、僕はこれからの人生を自分色に染めて生きていこうと思う。

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山本 駿

山本 駿

NPO法人D.Live スタッフ / 高校非常勤教員(社会科) 京都出身。中学3年間不登校。岐阜県内の大学を卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画。主にTRY部や不登校講演事業を担当しながら、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。