思考のクセを知ることで毎日がちょっとラクになる【TRY部授業レポート】

こんにちは。
D.Liveスタッフの得津です。
私たちD.Liveは、毎週月曜の夜からTRY部という教室をおこなっています。
何をやっているのか説明しようと思うと、毎回ややこしくなるんですがお付き合いください。
TRY部では毎週の生活をふりかえり、一週間の理想のすごしかたを決める教室です。
毎日小さいことでも何かしら起こるじゃないですか。
テスト勉強が思うように進まなかった。
全然早起きできない。
文化祭が楽しかった。
部活でコンクールを頑張った。
などなど、まずは毎日の良いことやよくなかったことを吐き出します。
居酒屋や女子会で行われるグチ大会に近いです。
次に、なぜそんなことが起きたのか、嫌なことが起きないように何ができるかを考えます。
それが生徒一人一人の「プロジェクト」になります。
たとえば、「高校進学のためにテストで430点とりますプロジェクト」や、「何もやる気が起きない日が続くと自己嫌悪するので、早起きしてやる気出しますプロジェクト」なんかが最近はおこなわれています。
スタッフもプロジェクトに取り組んでいて、私の場合だと「明日やろうはバカ野郎プロジェクト」です。私の場合は、やりたいことや、やらなきゃいけないことを一ヶ月以上放置しているものが多く、毎日頭にはよぎるんですが、後回しにして自己嫌悪するので、それを解決するためにプロジェクトに取り組んでいます。
このように生徒一人一人がプロジェクトを立てる中で、目的(なんのために)と、ゴール(どんな状態をめざすのか)を決めます。そして、ゴールのために毎日とりくむルーティンを決めて、一週間をすごす。
こんな流れでTRY部は進みます。居酒屋のグチ大会から一転、プロジェクトを立てる場面になるとビジネスっぽくなります。実際、プロジェクトを立てるときはビジネスで使われている知識や方法も取り入れています。
そんなTRY部での一週間のふり返りでは、出来事だけじゃなくて生徒一人一人のいろんな気持ちも出てきます。
「人に迷惑かけてて平気なやつ見たらイライラする。」
「シュークリーム買いに行ったときに、店員さんが綺麗なお姉さんやったら、一個だけ買うと寂しいやつと思われそうで3個くらい買ってしまう。」
「一人でショッピングモール行ったときに、たまたま学校の子が友だちと遊んでるのを見かけたら、自分ぼっちやんどうしようって思う。」
こんな自分の気持ちもよく生徒は話してくれます。
今日の授業レポートはこんな、生徒が感じた気持ちについてのお話です。
生徒の話を聞いていると、「わかるわかる。確かにそう思うことあるよね。」という意見もあれば、「いや、自分はそう思わないなぁ・・」と思う意見もあります。
先ほどのシュークリームを買うときの話だと、みなさんはどうでしょう。
「一個だけ買ってもいいやん。」
「寂しいやつなんて店員から思われへんやろー。」
なんて意見も当然あると思うんです。
一つの出来事に対して感じることや考えることは人によって違います。
先週のTRY部では一週間のふり返りをしたあとに、自分は物事をどんな風に感じたり考えたりするのかについて考える授業をおこないました。テーマは思考のクセをさぐる、です。
思考のクセといっても、なかなか自分で自分のクセを言葉にするのは難しいです。
猫背とか、すぐに髪の毛を触るとか、目に見えるものはまだわかりやすいですが、「こんなときにこう感じる」のような目に見えないものは大人もなかなか自覚していないものです。
ですから、授業ではこの画像をつかって、自分が特に当てはまるものは何かを考えるところから始めました。
ユガミンたち
●ジーブン
よくない出来事が起きると、自分に関係なくても、自分のせいだと考えるのが得意なユガミン
●シロクロン
物事を「白か黒か」で割り切り、完全でなければダメだと思わせるのが得意なユガミン
●ベッキー
自分や他人に対して「○○すべき」「○○でなければならない」とルールにしばって考えることが得意なユガミン
●ラベラー
物事や人を「○○である」と悪いほうに決めつけてラベルを貼り、一度貼ったらはがさないユガミン
●ジャンパー
確かな理由もないのに、悲観的な思い込みを信じ込んでしまうことが得意なユガミン
●マグミニ
自分の短所や失敗を実際より大げさに考えて、反対に自分の長所や成功を実際より小さくとらえることが得意なユガミン
●パンカー
小さな出来事をもとにして、すべての出来事が同じような結果になると一般化しすぎるのが得意なユガミン
(出展:マイナス思考と上手につきあう 認知療法トレーニング・ブック 心の柔軟体操でつらい気持ちと折り合う力をつける)
いかがでしょう。
みなさんも自分に当てはまるユガミンはいましたか。
ちなみにわたしは「ベッキー」の傾向が強いです。
生徒たちは、「ジーブン」や「ラベラー」があるなぁなんて話していました。
こんな風に自分の思考のクセに気づくと、それだけで毎日がちょっとラクになります。
自分が猫背だと知っていれば、背中が丸くなったときに背筋を伸ばそうと思います。
すぐに髪の毛を触るクセがある人は、人前では失礼かなぁと思うことができます。
自分はこんな風に物事を考えると知っているだけ、ちょっと気持ちがラクになる。
いま「ベッキー」出てるから抑えよう。
「ジャンパー」が顔を出してきたけど、悲観することはない。
そうやって自分をコントロールすることができます。
TRY部は中高生を対象に行っています。
中高生はもう十分に自分を客観的に捉えられる発達段階にあります。ただ、自分の現状はわかっても、現状を理想に近づけるために何ができるかを考えて決めることはまだ大人のサポートが必要です。
TRY部では、家でも学校でも言えないような子どもの本音を聞き、自分がどうしたいかを手助けする教室です。
来週は思考のクセをプロジェクトに生かすことをテーマに授業をする予定です。