こんにちは。D.Liveの得津です。8月30日(土)に、NPO法人乙訓もも様が主催する、乙訓地域のひきこもり支援ネットワーク会議「乙訓絆サークル」の第8回に講師としてお招きいただきました。
「学校に行かない子どもたちは、どこで生きているのか― 不登校支援の現場から見える孤立と希望 ―」というテーマで、田中・得津の二人が、進行の方や参加されている方からの質問に答えるスタイルでD.Liveの事業や不登校の子どもの理解などについてお話ししました。
当日は本当にたくさんの方々からご質問をいただき、全てに答えることはできませんでした。ですので、このブログで答えられなかった質問に答えていきたいと思います。こちらの記事では、学校や社会とどう繋がっていくかと、フリースクール昼TRY部やD.Liveについてお答えしております。
田中に答えてほしかった質問もあったかと思いますが、私(得津)がお答えします。また、いただいた質問について、誤字や書き損じによって判読できないもの、当日に答えたものについては除いております。あらかじめご承知おきください。
学校・社会とどうつながるか
Q.先生や保護者の方との関わりも重要なのかなと思いましたが、対応するときに工夫されていることはありますか?
保護者さんについては、当日の講演でもお話ししたので、先生との関わりについて書きますね。と言っても、あまり工夫らしいことはしていません。先生からすると、子どもと会話するための材料がほしいと思うので、毎月の出席報告のときに一ヶ月の様子を簡単にお伝えすることくらいですかね。学校の先生一人ひとりのニーズがあると思うんですが、この辺をすり合わせるための時間をなかなか持てないのが歯痒いところです。
Q.社会接続のところで課題感を感じておられるようですが、社会接続のハードルを小さくするための工夫をされていますか?
フリースクールに限った話ですが、先輩やOBの力を頼ることです。例えば通信制高校の進学についても、詳しい実情まではわからないんですよ。でも、先輩や卒業生がいれば、教えてくれます。レポートの中身や、クラスの雰囲気、面接試験の内容など、ホームページでは分からないところも教えてくれるので本当にありがたいです。塾と同じです。先輩や卒業生から教えてもらったことをデータベースにして保存し、少しでも進路や卒業に向けたハードルを小さくしています。
Q.学校に対して一番腹が立つことはなんですか
なかなか過激な質問をありがとうございます。私が生徒たちと過ごす時間を知っているはずなのに、その時間に電話が来たり、まれにアポなしで訪問されたりしたときは、さすがに困りましたね(笑)。でも、おそらく聞きたいことはこんな個人的なことではないでしょうから、学校がこうなったらいいなと思うことを書きますね。
これは、哲学者の内田樹がたびたび言っていることですが、教育と管理は食い合わせが悪いです。でも、今の学校現場はかなり細かく管理されています。学校や先生の忙しさが問題だと言われて久しいですが、その背景には間違いなく行政による細かな管理があると私は考えています。学校現場の忙しさというと、授業準備やいじめ・不登校などの対応が想像されます。もちろん間違っていないんですが、それに加えて書類仕事がたくさんあります。いろんな調査がとても多いんです。自分が先生の仕事をしていた頃でも、毎週必ず何枚かあったので、今はもっと多いんじゃないでしょうか。こんなふうに細かく現場を管理され、書類仕事に時間を取られては、現場で働く先生の力は全然発揮されません。管理やマネジメントをできるだけ少なくすることを行政に求めたいですね。
Q.我が娘が不登校になった時、学校へ相談すると、「なんでもっと学校行けって、背中を押さないのですか?」と言われて、もう相談することをやめようと思いました(笑)
先生のそういう考えが変わるためには、何が必要でしょうか?
ぜひ私たちを校内研修に呼んでほしいですね(笑)。というのは冗談として、勉強不足とか不登校への理解がないとか、それだけではなく、先ほどの細かな管理やマネジメントの話とつながると思うんです。もっとはっきり言ってしまえば、この先生の評価に関わるから学校に来てほしいという気持ちもあったかも知れません。詳しい背景がわからないので、もちろん違うかも知れないです。ただ、先生お一人の考えだけでなく、学年内や管理職から登校を促すように言われた結果の言葉というのは十分あり得ます。やはり締め付けすぎる管理は学校に馴染まないと思います。
Q.保護者、当事者以外の方との連携についてどのように考えていますか?
大事だと思いながら、なかなか手が回らないことの1つです。恥ずかしい話です。ですので、今回の乙訓絆サークルのような情報交換や連携のきっかけになる場はたいへん貴重で有意義な場だと思っています。
フリースクール昼TRY部について
Q.子どもの学力向上にはどれくらい重きを感じていますか?
長くフリースクールに通ってくれている生徒には、学習の機会を他の生徒よりも大切にしています。これは私見ですが、不登校の子どもにとっての卒業は3つあると考えています。1つ目は、形式的な卒業。卒業式のことです。2つ目は心理的な卒業。学校に行けないことのしんどさや辛さを過去のものとして語れるようになったら、心理的に不登校を卒業できたと考えています。3つ目は社会的な卒業。通信制高校でも、専門学校でも、バイトでも、なんでもいいのですがフリースクール以外の場所を持つことができれば、社会的には大丈夫かなと思っています。フリースクール以外の場所(高校や大学など)に進むには受験等を課されることが多いので、長く在籍している生徒ほど勉強を大切にするのは、こういう理由です。
Q.フリースクールを出て「働く」となった時、どこか繋がって支援することなどありますか?「フリースクール → 社会に出る」ここが難しいと感じています。
難しさについては、おっしゃる通りだと思います。ただ、私たちは今のところどこかと繋がって支援する体制が整っておりません。若者支援や就労支援をされている団体様や事業者様とは、仲良くしたいです。
Q.18歳以降のフリースクールの卒業生は、どこにつながることが多いですか?
あくまで昼TRY部の場合ですが、専門学校や大学が多いです。長くフリースクールをしている団体はOB向けの事業をしているところもあると聞きます。『「コミュ障」の社会学』(貴戸理恵著)が詳しいと思うので、よければ手にとってみてください。
Q.(私は)児童養護施設の子どもに向けたお仕事体験をしています。D.Liveはそういうこともしていますか?
大人のひきこもり状態から抜け出すきっかけは、どんな事がありますか。
私たちはお仕事体験や職場体験などは受け付けておりません。大人のひきこもり状態からの抜け出しも、専門外なので「これだ」ということは言えないです。若者支援をしている知り合いは、小さいステップをコツコツ伴走することだと言っていました。どの分野でも同じなんでしょうけれど、伴走してくれる人は心強いですよね。
Q.金銭的理由でフリースクールに通えない子どもさんに対する工夫はありますか?
昼TRY部としての工夫はありません。講演で触れたように、滋賀県では複数の市町村が、保護者に向けてフリースクール利用に関する補助をしていますので、それを紹介しています。
D.Liveについて
Q.NPO法人の補助金を増やしてほしいといつも思っています。その点は、どうされていますか?
申請できる補助金があれば嬉しいですけれど、これも大切だと思いながら手が回っていないことの1つです。また、補助金の増額や補助金の創設を訴えるようなロビー活動もおこなっておりません。
Q.運営のメンバーはおふたり以外にどんな方が居られますか?運営、経営、等の確保はされてますか?
NPO法人ですから、正会員や監事などもおります。運営を担っているのは代表の田中と得津の2人です。その他、事業に応じて業務委託のスタッフやボランティアさんがおります。
Q.もし今の仕事をしていなかったら、どのような仕事をしてましたか??
不登校の人で就労までを見届けた人はいましたか?もしくは特に印象的な人はいましたか?
どんな仕事をしていたんでしょうね。きっと似たような教育や対人援助に関する仕事はしていたんじゃないかと思います。フリースクール卒業後に就職した卒業生もおります。印象的というか、4月からの見通しが立たないまま卒業した生徒は、どうなるんだろうとハラハラしましたね。
D.Liveでは、不登校の子どもが通うフリースクールやオンラインコミュニティを運営しております。また、不登校や自己肯定感に関する講演・研修もおこなっております。それぞれ、詳細は下のボタンをタップしてください。
