なんでだろう。。。
どうして、「逃げ恥」はこんなにもおもしろいの?
ふと、感じた疑問。
モヤモヤしながらも、毎週ムズキュンしていながら見ていたんです。
火曜日が待てず、見逃し配信を何度も見る日々。
先週くらい、「あっ!」とわかったのです。
このドラマここまで私たちの心を掴んで離さない理由が。
契約結婚が『逃げ恥』の大きな軸です。
しかし、その陰に隠れて、もう1つの軸があります。
それは、“自尊感情”
みくりが臨床心理士の資格を持っていることから、この言葉は何度も出てきます。
僕は、学校の先生や保護者に向けて自尊感情の講義や研修をしています。
いわば、自尊感情の専門家です。
『子どもの自信白書』という、自尊感情に関しての冊子も発行しています。
元々、このドラマを見始めたキッカケは自尊感情というフレーズから出てくるからでした。
勉強がてら見ようと、とても軽い気持ちで見たら、抜け出せなくなったのです。
ドはまりしました。
火曜日が待てなくなりました。
古田新太さん(沼田)で笑い、藤井隆さん(日野)の一挙手一投足にクスッとなる。
情熱大陸やプロフェッショナル、ザ・ベストテンなどなど、どんどん盛り込んでくるパロディにニヤリとする。
どっぷりとハマりました。
恋ダンスもこっそり家で練習しています。
そして、僕と同じようにたくさんの人が『逃げ恥』に夢中となっているのです。
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みんなの心を捉えて離さないんですよね。
このドラマ。
先日、『逃げ恥』が大好きなうちのスタッフとドラマの話をしていました。
そのとき言っていたのが、「いやぁ、僕は毎回泣いてますよ。号泣です」と。
「いやいや、泣くとこどこにあるの?」と思いました。
でも、調べてみると、確かに泣いている人がいるのです。
少なくない人々が!
しばらく考えてみると、その原因がわかりました。
みんな、ガンバれ!ガンバれ!と思って見ているのです。
津崎さんがなにか行動できる、関係が進展すると「やった!」と思い、泣くのです。
もう、これはドラマを見ている人ではありません。
まるで、おばあちゃんのような心境。
「平匡よくやったのう」と。
普通の恋愛ドラマだと、「こんな恋愛いいなぁ」とか「こんな人と付き合いたいなぁ」とかってなると思うのです。
でも、『逃げ恥』は少しちがう。
応援したくなっちゃう。
孫を見ているような気持ちになる。
先日、記事に書いた「逃げ恥の津崎平匡(星野源)は、どうして自尊感情が低いのか?」ように、津崎さんは自尊感情が低いです。
みくりが指摘するように、津崎さんは恋愛の自尊感情が低く、人と深く関わることを避けます。
でも、このドラマではハッキリと言及されてはいないのですが、隠し味があるのです。
それは、「みくりも自尊感情が低い」ということです。
ドラマでは、みくりがリードしていきます。
お得意の小賢しさを使って。
しかし、それはみくりの自尊感情が高いのではなく、津崎さんよりも恋愛の経験が少しばかりあるからに過ぎないのです。
契約結婚になった経緯を振り返ってみましょう。
家事代行を辞めないといけなくなり、津崎さんにその旨を伝える。
そのときに、網戸のことを褒められ、「できることならずっと続けて欲しかった」と言われて興奮。
就職という形の結婚を提案しました。
みくりは、このときの気持ちを津崎さんに話します。
私、就職活動で全敗だったんです。
大学卒業のときも。大学院でてからもどっちも。
派遣先でも私ともう1人。どっちかっていう局面で、やっぱり選ばれなくて
誰にも認めてもらえなくても、自分は自分としてガンバればいいってわかっちゃいるんですけど。。
だから、津崎さんが網戸に気づいてくれたり、家事をお願いして良かったって。もっと続けて欲しかったって言ってくれたとき、ああーって。ああ、これだーって思って。嬉しくなっちゃって。
頭もいい。
家事もできるし、気も使える。
見た目も悪くない(いや、かわいい!!!!)
でも、就職という大きな壁(「就職活動恐怖症」by ゆりちゃん)がみくりにとってはずっと立ちはだかっていたのです。
津崎さんは、そんなみくりを見てこんな風に思いました。
同じだと思った。
だれにも選ばれない。必要とされない。
好意をもった相手に受け容れられたことがない。
自分とおんなじだと。
こんな自分にもなにか出来るだろうか。
だから、みくりの突飛な提案にも真剣に検討し、一緒に暮らすことになったのです。
このドラマがここまで私たちの心を掴んで話さない理由は、ここにあります。
みくりも津崎さんもお互いに自尊感情が低いのです。
低いからこそ、お互いに補う。
居場所を作り、それぞれを包み込んでいるのです。
みくりが津崎さんを見下すことがないのは、本質的に自分と似ていると思うからです。
自分も同じだからこそ、気を遣うし、惹かれていくのでしょう。
津崎さんもみくりも、一見すると自尊感情が低いようには見えません。
頭も良いし、いろいろな面でとても優秀です。
でも、自尊感情が低い。
自尊感情が低い2人だからこそ、私たちは津崎さんとみくりを応援したくなるのです。
「ガンバれ!」と拳を握り、ムズキュンし、号泣するのです。
ドラマにハマっている人の多くは、自分に自信を持てていない人。
自分に自信を持てていなかった経験がある人です。
だからこそ、共感できるのです。
「ああ、自分も津崎さんのようだ」
「みくりのようだ」と。
「ガンバれ!」と送るエールは、実は自分に向けて発している言葉なのかもしれません。
「大丈夫!自分もガンバればうまくいく」
そう思いたく、2人に自分を重ねている人もきっと少なくないのだと思います。
ガンバっても結果がでない。
自分を認めてもらえない。
愛する人に受け容れてもらえない。
そんな気持ちが2人にシンクロするからこそ、『逃げ恥』は私たちの心を捉えて放さないのです。
ああ、もうほんと火曜日が待ち遠しいですよね。
津崎さんがメールを読んで喜ぶところ、「二回目のキスはないのかしら…」とみくりが言うところ。
大好きなシーン、ムズキュンする箇所を挙げればキリがありません。
早く火曜日になって欲しいという気持ちがある反面、もうすぐ終わってしまうというジレンマにもだえる毎日です。
『逃げ恥』どんな気持ちで見てますか?