「千と千尋の神隠し」に学ぶ上手な叱り方
スタッフの得津です。
2016年もどうぞよろしくお願いします。
僕の中で、幻の本に認定している本が一冊あります。
『児童心理 2014年6月号 自己肯定感を育てる』
無いんですよ。アマゾンにも出版社にも在庫が。
定価は1,000円程度なんですが、
内田樹 先生
伊藤美奈子 先生
などなど聞く人が聞けば、そうそうたるメンバーが寄稿されているので、将来プレミアがつくだろうなんてことをこっそり思っています。
そんな雑誌の記事に
「叱り上手な『千と千尋の神隠し』の登場人物たち」という内容があり、
大変おもしろかったので、紹介したいと思います。
今日は紹介記事です。
はじめに 「怒る」と「叱る」の違い
怒ると叱るは非常に近しい言葉ではありますが、微妙に違います。
辞書では
怒る:腹をたてる。興奮して気を荒だてる。
叱る:相手よくない言動とがめて,強い態度で責める。
と書かれています。
「怒る」は感情に任せて、「叱る」は意図を持って相手の言動にあたるというイメージでしょうか。
こういう違いをぼんやり押さえた上で、本題です。
「叱り上手な『千と千尋の神隠し』の登場人物たち」
『千と千尋の神隠し』には、主人公の千尋や物語のカギをにぎるハク、カオナシ、湯婆婆以外にも個性的な登場人物が数多く登場します。そんな登場人物について、冊子ではこのように解説していました。
たとえば、ボイラーマンである釜爺の「手を出すなら、しまいまでやれ」という言葉も、先輩格の同僚リンの「あんたねぇ、ハイとか、お世話になりますとか、言えないの?」の言葉も、次にどう振る舞えばよいかが分かる具体的な叱り方である。上手な叱り方には、ただ相手の非を指摘するだけでなく、具体的にどの行為が悪かったのかやどうすればその状態を改められるかを示唆する内容が含まれている。
次に、どう振る舞えばいいかがわかる
上手な叱り方には、次にどうするかの示唆が含まれているという主旨に、僕も非常に共感します。社会人になってよく耳にするようになりました。「怒ってくれる人が減った」と。これはおそらく、失敗した時に次はどうすればいいかを指し示す人が減ったことを言ってるんだと思うんです。
もちろん社会人ですし、自分で考えなければならないことが多いでしょう。
でも、それはあくまで社会人だからであってこそ。子どもにまでこれを求めるのは酷というものではないでしょうか?
今もたまに見かけます。
感情に任せて子どもを怒ったあとに「どうしたらいいか、自分で考え!」と言ってその場を去ろうとする保護者の方の背中。
寂しいなと思うのです。
叱らず褒めるのが大事!と子育てや教育では言われます。
もちろん、その方がいいです。
ですが、実際問題どうしても叱ったり、怒ったりしてしまうことあります。
その時に、「次にどうすればいいかわかる」ことを念頭にいれた叱り方をしてみるのはどうでしょう。きっと今までのやり方よりも子ども自身もどうすればいいか分かるし、自分も叱らなくてすむのでお互いにとっていい形になるのではないでしょうか。