大学生に伝えたいことは、ただひとつ
梅花女子大学でゲストとして授業をさせていただきました。
「社会調査入門」の授業で、実践をおこなっている人ということでお話。
「団体の活動について自由に語ってください」というオファーをもらい、どんな内容にしようかを考えました。
大学や講演などでお話するときに僕が気をつけるのは、2点。
1. 依頼してくれた人の想いとオーダーに答える
2. 伝えることを明確にする
自分が話したいことだけをしゃべるのは、ただの自己満足。
せっかくお声かけいただいたのだから、期待に応えたい。
依頼してくださったかたは、僕たちを呼んだのには理由があります。
「こんなことを話して欲しい」「生徒たちがこんな風に変わってくれたら」
先方のオーダーに120%答えたい。
期待以上の成果を出したい。
そう思っていつも準備をしています。
そして、大切なのは詰め込み過ぎないこと。
あれもこれもになっても、理解するのは難しいのでなにを伝えるのかを明確にするように心がけています。
梅花女子大学の場合
対象の生徒は、多くが心理学科の子。
NPOや教育にそこまで詳しいわけではありません。
団体のことを話すにしても、「いや、興味ないし。。。」で終わってしまうだろうなと思いました。
以前、うちの生徒(中学生)かこんなことを言っていました。
「学校で夢について考える時間があって、大人がゲストで来るねん。ほんで、今の仕事をしたキッカケとかを話すねんけどさ、別にしらんやん。あんたがその仕事についたとかこっち関係ないし」
聞いていて確かにそうだなと思ったのです。
まず、前提としてその人に興味を持つことが出来ないと、そのあとの話は一切聞いてもらえなくなるのです。
今回は、まさに似たような状況。
授業に関係しているゲストとはいえ、語弊を恐れずに言うと生徒たちにとっては招かれざる客なわけです。
そこで、いきなり話はじめるのではなくて、どんな話をするのか。なぜ自分が話しをおこなうのか。どんなことを伝えたいのか。
そのあたりを出来るだけ丁寧に伝えてから、用意していたスライドにうつりました。
団体の活動、活動をおこなうようになったキッカケ、活動していく中での苦悩などをお話させていただきました。
1限目で眠たい中、みんな熱心に聞き入ってくれました。
今回のめあて
いただいたオファーは、「団体の活動について話して下さい」ということでした。
しかし、団体の活動や調査についてだけ話していても大学生にとっては魅力的ではないなと考え、1つの伝えたいメッセージを決めました。
「試してみることに失敗はない」
これは、僕が大好きな「しごとはたのしいかね?」という本のフレーズ。
実際にこのコトバを講義の中で口に出すことはなかったのですが、この気持ちを伝えたいなと思って、全てのスライドを作り、授業をおこないました。
大学生って迷いますよね。
自由すぎてなにをしたらいいかわからない。
就職についても考えないといけないし、自分がなにをしたいのかも見えない。
自分自身の学生生活を振り返っても、とてもモヤモヤする時期でした。
だからこそ、生徒さんたちになにか一歩踏み出せるキッカケにしてもらえたらいいなぁと思ったのです。
それが、僕が考えるオーダーに120%答えるというミッションの回答でした。
90分という時間の中で、どうやってそのめあてを達成出来るかを考え、スライドを使って話をするのは25分ほどにとどめました。
あとは、全て質問コーナー。
あえてざっくりとしたスライドにしておき、興味をもったところを突っ込んでもらいように仕向けたのです。
はじめはみんな後ろのほうに座っており、「前にきてくださーい」と言ってもなかなか移動してくれず、どうなることかと思いましたが、思っていた以上に多くの質問をもらうことができ、時間が足りなくなるほどでした。
いくつかやりとりをご紹介。
Q : なんとなくやりたいことがあるけれど、つい違うことにも興味をもつことがあります。
そんな場合、どうすれば良いでしょうか?
A : 好きな食べ物ってありますよね?それ、食べたことがないって人いますか?
どうして自分がその食べ物が好きかわかるかって言うと、食べたことがあるからなんですよね。
仕事とか将来やりたいことも同じ。
やってみないと、本当のところはわからないんですよ。
だから、迷ったらやってみましょう!
Q : 来年の就活が不安ですけど、今やっておいたほうがよいことはありますか?
A : 就活ってびっくりコンテストじゃないんですよね。「こんなにスゴイことしましてん」ってアピールってあまり必要ないと思うんです。なにを見ているかって言うと、「この人と一緒に働きたいかどうか」と「しんどいなかでもガンバれるか」の2つなんじゃないかなと。
そう考えると、就活の準備だからって特別にあせる必要はないです。
有利だから資格取るとか、インターンしておいた方がいいからやるとか、人のものさしでなにをするかを決めるんじゃないんですよ。
極論をすれば、「学校の勉強必死にやりました!」ってのも充分にアピールです。
だって、出来る人少ないし。
大切なのは、自分が全力を出してガンバったことを作ること。
なんでもいいんです。恋愛でもバイトでも。
ちょっとやりたいこと、興味あること、どんなことでもいいので、一所懸命に取り組む。
それが、大切です。
コトバの裏の想いは、「ガンバれ!!」でした。
なんとか、背中を押したい。
チャレンジする一歩を踏み出して欲しい。
そう思いながら、質疑応答の時間もコトバをつむいでいきました。
まとめ
授業の最後に今日の感想を書いてもらいました。
伝えたいメッセージがキチンと届いたようで嬉しかったです。
「行動しよう!」と思っても、翌週には忘れているのが人間。
今回話したことで学生の彼女たちにどれだけ届いたのかはわかりませんが、少しでも人生のボディブローとしてなにかの折りにでも思い出してもらえたら嬉しいなと思いました。
(もらった感想を少しご紹介)
様々なことを恐れずに挑戦していきたいと思いました。
自分のペースで自分のやりたいことを見つけていきたいです。
今日の話を聞いて、やりたいことを一つずつやっていこうと思えました。
やりたいことを見つけて目指すことや小さな目標を決めることの大切さがわかりました。
目標を少し低くしてガンバってみようと思いました。
大学に行くと目標が決まると思っていたけれど、なにも決まらないままでした。
今回のお話を聞いて、ひとつずつなにかをやっていければ答えが見つかるのかなと思いました。
さいごに
僕自身が後悔するような大学生活を送っていたので、大学生の人たちに伝えたいことはたくさんあります。
「学生時代の過ごし方」や「やりたいことの見つけかた」などのテーマで大学やいろんな場所で講演(講義)をさせていただいております。
お問い合わせやご質問などございましたら、info@dlive.jpまでご連絡くださいませ。