周囲の刺激に敏感すぎるあなたへ(後編)

※このエントリを読まれる前に必ず前編をお読みください

敏感すぎる人に向いているもの

さて、「敏感すぎる」ことの利点としては、以下のようなものがあります。

前編で挙げたように、敏感すぎる人は目の前の人が不快に思っていると、それを和らげようとする面があります。例えば飲み会で目の前の人が冷え性で、運悪く冷房が直撃する席に座っている場合に、すぐ気が付いて席を変わったり温かい飲み物を勧めるなど、気遣いに長けているということです。

これが意味するのは、チームワークが必要な仕事をする際に気遣いが必要なポジションに向いている、ということ。ただし、色々な刺激を受けすぎて決断や判断に迷ってしまう面があるので、先頭に立つポジションはどうしても少し苦手な傾向があるようです。

また、敏感すぎる人は何かの間違いにも敏感です。例えば会議で誰かが議事録の漢字を間違えたり、電車の車掌さんが駅を間違えて放送した場合など、敏感すぎる人は直接指摘するとまではいかないものの、心のどこかで「あっ、間違えてる!」と反応してしまいます。

ぼく自身、言われてみると小学生の頃、毎週日曜日に届く新聞の日曜版の間違い探しが大好きでした。パソコンを覚えてからも、サンリオのゲームソフトについていた間違い探しゲームに夢中になり、時間までに回答できないととても悔しがっていました。

そのほか、ひとつの物事をあらゆる方面から観察したり、ちょっとの変化にもすぐ気付きやすいこと、さらには芸術や音楽などに深く感動することができるのも敏感すぎる人の特徴です。こうして見てみると、あながち悪いことばかりではありませんね。

敏感すぎることを受け入れてみる

風船の破裂音に敏感なら、何百回と破裂音を聞いたところでその敏感な面が変わる訳ではありません。刺激をあまりにも受けすぎて逆に疲れてしまうだけ、むしろ敏感度合いがさらに増すかもしれません。

そんな無理なことはせずに、自分は敏感な人間である、だから人に無理して合わせなくてもいい、苦手なものは苦手なんだ、と割り切ることが大切ではないかと考えます。刺激を感じすぎていると思ったら、無理することなく自分の時間や安心して休息する時間を取ってあげましょう。

アメリカでは、この敏感すぎる「HSP」の人が5人に1人の確率でいるそうです。つまり、敏感すぎるということは決して不自然なことではないのです。ぼくのブログで以前HSPのことを書きましたが、ひょっとしたら気が付いていないだけで身近にもビックリするくらい敏感な人がいるかもしれません。

HSPに興味を持たれた方へ、おすすめの本

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。
「HSP」と言う定義を提唱した張本人、アメリカのエレイン・N・アーロンという心理学者が記した本です。HSPの実例や事例研究も多く載っていて、「敏感すぎる」ことがどういうことなのかとても分かりやすく説明されています。前編のHSPチェックはこの本に掲載されているものです。

もう一度書いておきますが、HSPは精神障害ではないものの、最終的な診断はお医者さんに委ねることになります。しかしながら、この世の中には敏感すぎる人がいる、ということは頭の中に置いておいても損は無い、と思います。

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この記事を書いた人

子どものころより人一倍敏感な特性を持ち、中学3年間を不登校で過ごす。大学卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画し、現在は通信制高校教員を両立しながらTRY部や不登校講演事業を中心に担当。HSP(Highly Sensitive Person)特有の繊細さを活かし、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。

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