〈いい子〉をやめたいと思ったら読む本
今日は本を1冊ご紹介します。
精神科医で作家の香山リカさんの著作
『〈いい子〉じゃなきゃいけないの?』
私がこの本を手にとったのは大学生1年生頃だったと思います。
10年くらい前に書かれたものですが、内容としてはぜんぜん色あせてないような
むしろこどもを取り巻く状況はより深刻になっている気がします。
この本には友達親子に象徴されるように、反抗期が少なくなっていることにも触れ
親や先生のいうことを素直に聞く、〈いい子〉たちのことが書かれています。
こども時代に〈いい子〉だったことが原因で、その後様々な問題を起こしている子たちが
香山さんの診察室にやってくるのだそうです。
香山さんはそんな元〈いい子〉たちを以下のような3つのタイプに分類しています。
1.突然、爆発型
2.体がSOS型
3.遅れてきた反抗期型
詳しくは著作に譲りますが、この子たちの特徴で気になったのは、
・周りが(とくに親)がどうしたら喜ぶか考えて、それを先回りしてやる
・周りの期待に応えないと自分は価値がない、見捨てられると思っている
結果、失敗することを極端に恐れていることです。
今なら、そんなことで親は見捨てたりしないって思えるのに
〈いい子〉たちにはそれが伝わっていない。
このすれ違いはとても悲しいなと思いました。
わたしも昔は〈いい子〉だった
なぜこの本を手にとったか(タイトルに惹かれたのか)、今ならわかります。
わたしは少なくとも高校生くらいまで、〈いい子〉っぽいところがありました。
香山さんは「無理していい子にしている場合」と「気づかずにいい子にしている場合」があると
言いますが、わたしは後者だと思います。
長女で親からもしっかりしていると思われていて、
小さい頃から自然とそのように振舞うけども、それは別にいやではないんです。
でも、いつでも両親に甘えられる妹のことが本当は羨ましいと思っていました。
また以前に親から勧められたことを、素直にやってみたいと思っている自分がいたり
お金がかかる習い事は親に悪いからと思って言い出さなかったりしました。
「そこまでやりたくないし」と言い聞かせてました。
突然爆発しててもおかしくなかったなぁと思います(笑)。
なぜ爆発しなかったかというと、
いろんな大人と関わって、見守ってもらえていると思えたからかなぁと今は感じています。
とくに大学生以降に出会った親以外の大人、
毎日は会わないけど心を開ける友達と一緒にいるときの安心感が大きかったのだと。
あなたの周りの誰かも、
無理をして または 本人も気づかずに〈いい子〉を演じているかもしれません。
近くで関わりながら安心感を与えてあげられる人になってもらえたら、と思います。