好奇心いっぱいのワニくんは、
今日もはかせに自己肯定感について教えてもらっています。
(今までの記事はこちら)
『ワニでもわかる自己肯定感(自尊感情)① 〜入門編〜』
『ワニでもわかる自己肯定感(自尊感情)② 〜勉強のやる気 編〜』
このあいだは、「受け止めてくれる大人の存在が大切」って話をしたよね?
うん。自分一人で自己肯定感を高めるのは難しいって話だった!
そうそう。今日は、どうすれば、自己肯定感を高めることができるかについて話をするよ。
なんでやねん!ちゃんと聞きなさい。ワニなのに甘いもの食べるんじゃないよ。
よろしい。では、はじめよう。自己肯定感は4つの構成要素で成り立っているんだけれど、一番大切なのは“包み込まれ感覚”なんだ。
そう。「愛されている」「見守られている」って感覚なんだ。京都府教育振興プランにも『周囲からの温かくも厳しい愛情や信頼、期待などに「包み込まれているという感覚」が大切』と書かれているんだよ。
どれだけ自分に自信があったとしても、包み込まれ感覚が不足していると心の奥で自分を信頼することが出来ないんだよ。
たとえば、すごく勉強が出来る子がエリート学校へ行って挫折してしまうという話を聞いた事ないかな?
あるある!あまりにも周りが優秀すぎてついていけなくなってしまうんだよね。
挫折しても立ち直ることが出来れば良いんだけど、それが出来なくてグレたり不登校になる子も中にはいるんだ。
原因はいくつもあるけど、1つには“包み込まれ感覚の不足”があるんだ。
う〜ん、少し違うかな。どんな親も子どもはかわいいものなんだよ。でもね、接し方によっては子どもが「愛されていない」と感じてしまうことがあるんだ。
親は愛しているのに、子どもは愛されているとは思えない?
そう。このエリートの子で考えると、「あなたは、勉強出来て賢いわね」といつも褒められていたとしよう。
”勉強が出来てえらいわね”ということは、反対に言うと勉強が出来ないあなたはダメっていうメッセージでもあるんだよ。
そっかぁ。「勉強が出来ているから好きよ」と言っていることになるのか。
これは、条件を付けてしまっているんだ。こういう関わりをしてしまうと、子どもは常に不安を感じてしまう。
条件を付けて褒められたことで、「勉強が出来る子でないといけない」と自分で思い込んでしまっているんだ。優秀な学校へ行ってその“勉強が出来る子”でなくなってしまったら、「自分は愛されない子だ」と思ってしまう。結果、自信を失って気力がなくなってしまうんだよ。
そっかぁ。“勉強出来る子”が自分の全てで、それがなくなってしまったら自分なんて価値のない人間だと思ってしまうんだね。
そう。だから、自信があったというのは「勉強が出来る」という拠り所があったからだけで、その子自身の自己肯定感はずっと低いままだったんだよ。
唯一の武器だった“勉強が出来る”というのがなくなってしまって、自信がないことが露呈してしまったのか。
「自信がありそうに見える」というのが一概にみんな「自己肯定感が髙い」ということには繋がらないんだよ。
むしろ、自信がありそうに見える人ほど、なにか挫折してしまうともろそうだね。
だからこそ、包み込まれ感覚を養うことって大切になるんだね。
そう。たとえ勉強が出来なくても、「大丈夫。私はあなたを信じているわ」「なにがあってもあなたはあなたよ」と信じているってことを伝えてあげることで、子どもは「今の自分で大丈夫なんだ」と受け入れることが出来るんだよ。
あるがままを認めてあげることで意欲は育まれていくから、勉強への意欲も少しずつ出てくるんだよ。
お読みいただきありがとうございます。
もっと自尊感情について学びたいというかたは、当法人にて『子どもの自信白書』を発行しておりますので、そちらもぜひご覧ください。