ワニでもわかる自己肯定感(自尊感情)③ 〜高める方法 編〜


好奇心いっぱいのワニくんは、
今日もはかせに自己肯定感について教えてもらっています。


(今までの記事はこちら)

 『ワニでもわかる自己肯定感(自尊感情)① 〜入門編〜』
 『ワニでもわかる自己肯定感(自尊感情)② 〜勉強のやる気 編〜』

解答者の写真
このあいだは、「受け止めてくれる大人の存在が大切」って話をしたよね?

質問者の写真
うん。自分一人で自己肯定感を高めるのは難しいって話だった!

解答者の写真
そうそう。今日は、どうすれば、自己肯定感を高めることができるかについて話をするよ。

質問者の写真
ぼく、パンケーキ食べに行ってきますわ。

解答者の写真
なんでやねん!ちゃんと聞きなさい。ワニなのに甘いもの食べるんじゃないよ。

質問者の写真
すんまへんなぁ。

解答者の写真
誰やねん。ちゃんと聞いてね。大事なところだから。

質問者の写真
はーい。

解答者の写真
よろしい。では、はじめよう。自己肯定感は4つの構成要素で成り立っているんだけれど、一番大切なのは“包み込まれ感覚”なんだ。

質問者の写真
つつみこまれかんかく??

解答者の写真
そう。「愛されている」「見守られている」って感覚なんだ。京都府教育振興プランにも『周囲からの温かくも厳しい愛情や信頼、期待などに「包み込まれているという感覚」が大切』と書かれているんだよ。

質問者の写真
へぇ、とても大切なことなんだね。

解答者の写真
どれだけ自分に自信があったとしても、包み込まれ感覚が不足していると心の奥で自分を信頼することが出来ないんだよ。

質問者の写真
そんなことあるの??

解答者の写真
たとえば、すごく勉強が出来る子がエリート学校へ行って挫折してしまうという話を聞いた事ないかな?

質問者の写真
あるある!あまりにも周りが優秀すぎてついていけなくなってしまうんだよね。

解答者の写真
挫折しても立ち直ることが出来れば良いんだけど、それが出来なくてグレたり不登校になる子も中にはいるんだ。

質問者の写真
その違いってなんなのかな?

解答者の写真
原因はいくつもあるけど、1つには“包み込まれ感覚の不足”があるんだ。

質問者の写真
愛されていないってこと?

解答者の写真
う〜ん、少し違うかな。どんな親も子どもはかわいいものなんだよ。でもね、接し方によっては子どもが「愛されていない」と感じてしまうことがあるんだ。

質問者の写真
親は愛しているのに、子どもは愛されているとは思えない?

解答者の写真
そう。このエリートの子で考えると、「あなたは、勉強出来て賢いわね」といつも褒められていたとしよう。

質問者の写真
勉強出来てぼくえらいもんねって思えるんだね。

解答者の写真
だけど、これは非常に危険な声かけでもあるんだ。

質問者の写真
危険?

解答者の写真
”勉強が出来てえらいわね”ということは、反対に言うと勉強が出来ないあなたはダメっていうメッセージでもあるんだよ。

質問者の写真
そっかぁ。「勉強が出来ているから好きよ」と言っていることになるのか。

解答者の写真
これは、条件を付けてしまっているんだ。こういう関わりをしてしまうと、子どもは常に不安を感じてしまう。

質問者の写真
さっきの挫折して立ち直れない子だとどうなるの?

解答者の写真
条件を付けて褒められたことで、「勉強が出来る子でないといけない」と自分で思い込んでしまっているんだ。優秀な学校へ行ってその“勉強が出来る子”でなくなってしまったら、「自分は愛されない子だ」と思ってしまう。結果、自信を失って気力がなくなってしまうんだよ。

質問者の写真
そっかぁ。“勉強出来る子”が自分の全てで、それがなくなってしまったら自分なんて価値のない人間だと思ってしまうんだね。

解答者の写真
そう。だから、自信があったというのは「勉強が出来る」という拠り所があったからだけで、その子自身の自己肯定感はずっと低いままだったんだよ。

質問者の写真
唯一の武器だった“勉強が出来る”というのがなくなってしまって、自信がないことが露呈してしまったのか。

解答者の写真
「自信がありそうに見える」というのが一概にみんな「自己肯定感が髙い」ということには繋がらないんだよ。

質問者の写真
むしろ、自信がありそうに見える人ほど、なにか挫折してしまうともろそうだね。

解答者の写真
そうなんだ。心は見えないから、難しいよね。

質問者の写真
だからこそ、包み込まれ感覚を養うことって大切になるんだね。

解答者の写真
そう。たとえ勉強が出来なくても、「大丈夫。私はあなたを信じているわ」「なにがあってもあなたはあなたよ」と信じているってことを伝えてあげることで、子どもは「今の自分で大丈夫なんだ」と受け入れることが出来るんだよ。

質問者の写真
そうやって自己肯定感を高めてあげるんだね。

解答者の写真
あるがままを認めてあげることで意欲は育まれていくから、勉強への意欲も少しずつ出てくるんだよ。

質問者の写真
じゃあ、僕も10年くらい勉強しなくてもいいなー。

解答者の写真
あ〜、またママワニに怒られるよ。

質問者の写真
それは、ワーニング(危険)だぁぁぁぁぁぁ

 


お読みいただきありがとうございます。
もっと自尊感情について学びたいというかたは、当法人にて『子どもの自信白書』を発行しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

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この記事を書いた人

1984年 大阪生まれ 立命館大学文学部卒

中学時代は、部活に打ち込み、勉強では学年で常にトップ10以内。
しかし、中学3年生のときから学校がしんどくなり、誰とも話さなくなる。
野球選手を目指し、大阪の野球強豪校へ行ったものの、自信を失い退部。そこから学校へ行かず、河川敷で過ごす毎日をおくる。
浪人して立命館大学へ入学したものの、なにをしたいかが分からなくなり、行く意味を失う。1回生の夏から1年ほど、京都の下宿で引きこもる。
友人の支えもあり、復活。政治家の秘書やテレビ制作などのインターンをおこない、期間限定のカフェも開く。「自分のようにつらい思いをさせたくない」と思い、D.Liveを立ち上げる。
フリースクールや自信を取り戻す教室を運営。不登校に関する講演や講座もおこなっている。
京都新聞にして子育てコラムを連載中。
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