[やり方付き]「小さな冒険が子どもにとって大きな自信になるよ」って話

「いやぁ、もうすごいんですよ!」

少し苦笑いしながら、お母さんが話してくれた。
「去年、このイベントに参加してから、何度も、何度も、話すんです。どれだけガンバったか、大変だったかを」
可愛い子には、旅をさせよ!というテーマでおこなった企画。

内容は、シンプル。

指令に書かれている物を買ってくる。

 

ただ、それだけ。

ただし、答えは考えても分からないものなので、道行く人たちに聞く必要がある。

近くには売っていないので、電車に乗って買いに行く。

子どもにとっては、小さな冒険。


去年、参加してくれた小学1年生の女の子は、楽しすぎたみたいで、今年も「絶対行くに決まっているやん」ということで、来てくれた。

今回は、20人近くの小学生が参加。

4チームに分かれ、そこに大人も入る。

大人(保護者)には、なにを買うのか、どこで売っているのかも伝えている。

しかし、基本的には、大人は見守るだけ。

子どもたちが冒険すると同時に、保護者の人たちは、黙って子どもを見守る訓練も兼ねている。

 


指令の紙を元にして、各チームは街へ繰り出す。

おろおろしてなかなか聞けないチーム。
どんどん積極的に質問をして、ヒントをもらうチーム。
「とりあえず、行ってみよう!」と言って、速攻で電車に乗るチーム。

みんなそれぞれ対応が違っておもしろい。

たった2時間のプログラム。

でも、子どもたちには大冒険。

ほとんど子どもたちだけでの行動。

一人で切符を買ったことがない子もいる。

高学年が手伝い、切符の買い方を教えてあげる。フォローをする。

帰ってきたときは、どのチームも一体感があり、すごく仲良くなっていた。

10分以上かけて行ったスーパーなのに、売っていなくて落胆したチーム。

交番へ行って教えてもらったチーム。

他にも売っているのに、わざわざ歩いて15分くらいもかかる本店まで行って商品をゲットしたチーム。

ほんと、いろんな物語があった。
子どもたちはとにかく楽しそうで、帰ってきたときには自信に満ちていた。


保護者の人が、「行くときの不安そうな顔とは打って変わって、すごく引き締まった自信溢れる顔をしていますね」と言うほど。

買ってきたお菓子をほんとうに嬉しそうに頬張る姿は、とても微笑ましかった。

戦利品のように、付いているリボンや説明書をチームメンバーで配り、それぞれが嬉しそうに持って帰っていた。

この企画、すごくおもしろい。

簡単にできて、でも子どもたちが楽しみながら、自信を得られることができる。

ぜひ、たくさんの人に試してもらいたい。
子ども会や団体などでも活用して欲しい。

下記に、簡単にやりかたを書いておくので、よかったらぜひ!

 

 

[簡単にできる ワークショップマニュアル]

 

1. 子どもたちが買いに行く商品を決めよう

今回は、滋賀でおこなったので、滋賀の名産品、滋賀にゆかりのあるものにしました。

どこにでも売っている物ではなく、限られた店にしか売っていないものにしましょう!

買うものは、お菓子などの食べ物が良いです。

帰ってきて、嬉しそうに食べられるのが、なによりのご褒美になります。

小学生を対象にする場合、会場の最寄り駅から2〜3駅以内に商品が売っているのがベストです。遠すぎると、時間内に帰って来られない可能性があります。

 

・指令の商品は、食べ物にしよう。
・買いにいく場所は、会場の最寄り駅から2〜3駅以内。

 

2. 指令書を作ろう!

商品を決めたら、お題になる指令書を作りましょう。この指令書は、道行く人に見せるものになります。ちょっとしたヒントをちりばめることが大切。ただし、簡単過ぎると、大人にばれるので、少し難しいくらいにしたほうが楽しいです。

 

・指令書は、少し難しいくらいにしよう
・ちょっとしたヒントを指令書にちりばめよう。

 

3. 答えをつくろう

大人には、答えと売っている場所を伝えます。

商品名、パッケージの写真、売っている場所をまとめたものを渡しましょう。

すべての答えをEvernoteにまとめて、URLだけ渡すのが簡単でオススメ!

・商品名、パッケージの写真、売っている場所をまとめよう。

・大人に渡す答え集をWordやEvernoteでつくろう。

 

・商品名、パッケージの写真、売っている場所をまとめよう。

・大人に渡す答え集をWordやEvernoteでつくろう。

 

4. ルールを決めよう!

このゲームのルールを決めましょう。

主に決めることは、「チームの人数」「予算」「大事にすること」「制限時間」です。

チームの人数は、4人〜5人くらいがオススメ。
予算は、今回は1チームあたり「1,500円」に設定しました。お土産は、だいたいその値段くらいで買えるので、この値段にしています。この金額は、買う商品によって変えてくださいね。

「大事にすること」は、”おやくそく”のようなもの。

僕は、「① たくさんの人に聞く ② 協力しよう ③ お礼を言おう」の3つを設定しました。これもイベントのコンセプトによって、ご自由に。

この企画では、とにかくたくさんのチャレンジをして欲しかったので、「どんどん聞こう!」と子どもたちに促しました。そして、チームとして協力することが大事なので、高学年には、積極的に低学年のサポートをするようにお願いしています。

制限時間は、何時までに会場へ帰ってくるのか。

時間が決まっているからこそ、ゲーム性が出ます。

「チームの人数」「予算」「大事にすること」「制限時間」を決めよう!
5. [当日]ルールを説明しよう

今回のイベントの趣旨やルールを子どもたちに説明します。「なんだか楽しそうだぞ!」と思ってもらえると、最高ですね。だいたいどこの駅までにあるかのヒントは与えてもよいです。遠くに行きすぎると困ってしまうので。

イベントの趣旨やルールを説明しよう

6. [当日]チーム分けしよう!

チームを分けるとき、ただ適当に分けるとおもしろくありません。ラインナップと言って、子どもたちに順番に並ばせるゲームを僕はおこないます。たとえば、誕生日順など。何度かやって、慣れてきたところで、「では、声に出さずにやって」と言って、学年順に並んでもらいます。
並び終えると、前から「いち、に〜、さん〜」と、数字を割り振り、チームに分けます。こうすると、自然に同じ学年はばらけ、バランスのよいチームがつくれます。

ラインナップを使ってチーム分けをしよう!

 

7. [当日]チームリーダーを決めて、大人も割り振ろう

保護者や大人もグループに参加。できれば、自分の子どもがいないチームに参加するのがオススメです。我が子がいると、どうても口を出したくなってしまうので。
チームリーダーは、高学年から選出。リーダーには、予算の管理をしてもらいます。初めて同士の場合は、チーム内で自己紹介をしましょう。

 

・チームリーダーを決めよう
・大人をチームに割り振ろう
8. [当日]指令書を与えよう

指令書は、チームリーダーに出てきてもらい、ジャンケンで買ったチームから、好きな司令を選んでもらいました。ここは、ランダムでもおもしろいと思います。

順番に指令書を与えよう

 

9. [当日]大人に説明しよう

大人たちに、答えと販売場所などを提示します。ヒントを出すタイミングやヒントを与えるかどうかは、各グループの大人たちに任せてください。

 

大人に答えを教えよう
10. レッツゴー

チームリーダーに予算を渡せば、準備おっけー。いざ、出発。どこへ行くのかは、各グループにおませか。

 

リーダーに予算を渡そう

11. 早く終わったチームには追加指令も

もし、思いのほか早く終わってしまったチームには、追加指令を与えてもオッケーです。比較的簡単にできる、近くで変える指令が楽しいですね。

 

状況によっては、追加指令を出そう!

 

12. [ゴールのあと]戦利品を食べよう
せっかく、自分たちで手に入れたお菓子。チームで一緒に美味しく味わおう。手を洗うのを忘れずに!

 

お菓子を食べよう
13. みんなでシェアしよう

他のチームがどんなお題で、どんなことがあったのか知りたいですよね? 各グループに、どんなことがあったのか。なにが大変だったのか、発表してもらいましょう!

・各グループで、「楽しかったこと」「大変だったこと」を発表

各グループで、「楽しかったこと」「大変だったこと」を発表

 

【まとめ】
お題を考えるのが一番難しいです。良さそうな品を見つけ、指令書を作る。適切な難易度(難しすぎず、簡単すぎず)なのが良いです。大人なら、多くの人が知っているようなもので、少し指令書を難しくするのが良いかもしれませんね。

もし、実際にためされたかたは、どんな様子だったのか、ぜひ教えてくださいね。

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この記事を書いた人

1984年 大阪生まれ 立命館大学文学部卒

中学時代は、部活に打ち込み、勉強では学年で常にトップ10以内。
しかし、中学3年生のときから学校がしんどくなり、誰とも話さなくなる。
野球選手を目指し、大阪の野球強豪校へ行ったものの、自信を失い退部。そこから学校へ行かず、河川敷で過ごす毎日をおくる。
浪人して立命館大学へ入学したものの、なにをしたいかが分からなくなり、行く意味を失う。1回生の夏から1年ほど、京都の下宿で引きこもる。
友人の支えもあり、復活。政治家の秘書やテレビ制作などのインターンをおこない、期間限定のカフェも開く。「自分のようにつらい思いをさせたくない」と思い、D.Liveを立ち上げる。
フリースクールや自信を取り戻す教室を運営。不登校に関する講演や講座もおこなっている。
京都新聞にして子育てコラムを連載中。
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