代表田中と二人でゲームや不登校について話しました

9月27日(土)、傍楽主催のトークセッション『子どものゲームこのままでいいの?~ゲームの捉え方を考える~』に、代表田中と私(得津)が登壇しました。

子どもが不登校になってお家でやることがないと、子どもはついついゲームばかりしてしまいます。そんな子どもの姿を見ると、「本当にこのままでいいのか?勉強させた方がいいんじゃないか?」と、疑問や焦りがわいてくるのが親心です。

参加された方々の期待にどれだけ応えられたかは分かりませんが、次のようなことを私たちはお話ししました。

・まず、ゲームも含めて、お子さんがスマホやタブレットを使って何をしているのか関心を持ってほしいです。例えば推しのVtuberやアイドルの配信を見ているかもしれません。配信を見逃しなくないからタブレットにかじりついているのかもしれないし、友だちとオンラインで約束をしたからゲームをしているかもしれません。はたまた、ゲームそのものには関心がなく、自分の心や気持ちを落ち着ける作業としてゲームをしているのかもしれません。(これは自閉接触ポジションと言って、不安なときに髪の毛をくるくるしたり、爪を噛んだりするのと同じようなことです。)

・子どもからは、日中に一人で何をやっていいか分からないという声も聞きます。だからゲームやSNSばかりになってしまうのかもしれません。勉強や料理など、ゲーム以外にしてほしいことがあるなら手間暇がかかっても一緒にやりましょう。一緒にやって、やり方を教えないと子どもは保護者さんのして欲しいことができません。

・関心を示すためにも、お子さんとの雑談が大切。ついつい私たちは子どもに指示をしてしまいます。勉強しなさい、ゲームやりすぎてはダメ、など。このような、こちらの関心ごとから始まったコミュニケーションだと、子どもからは「楽しみを奪う敵」とみなされるリスクがあります。だからこそ、雑談です。そのゲームのどこが面白いのか、普段はどんな風に遊ぶのか、違うゲームに興味が移ったのはどうしてか、ここにお子さんの個性やゲームをする理由が詰まっています。子どもがゲームをする理由を原稿用紙2枚分くらいで言えないと、子どもをわかっているとは言えません。

・ゲーム依存はありません。20時間ぶっ通しでゲームしていても、やめられるなら依存じゃない。自分でも害になると分かっていて、トイレも食事もままならなくなったら依存の可能性があるので、そのときは専門家に相談ください。目が悪くなるというのも嘘です。

・依存は、福祉や心理では嗜癖(アディクション)とも言われます。このアディクションの反対がコネクション、つながりです。つまり、アディクションとは孤独の中で起こっています。子どもをひとりぼっちにしないためにも、一緒にゲームをするだとか、一緒に映画館に行ってみるとか、おしゃべりするとか、コネクションを作ってほしいです。

・コネクションという意味では、最近フリースクールを卒業した生徒の中に、ゲームがコネクションになった例があります。先生が機転を効かせて、生徒と一緒に学校でマリオカートをしたんです。放課後、電子黒板にゲームをつないで一緒に遊んだら、その後も放課後に来るようになった。進路の話もできるようになって、前向きな変化が見られたので生徒はフリースクールを卒業しました。これはゲームを通して先生と新しいつながりが生まれたいい事例です。

・(話題はゲームだけじゃなく進路選択にも移りました)通信制高校を選ぶのは難しい。学校の数が多すぎます。だから、子どもと一緒に高校を選ぶなら、保護者がかなり数を絞ってから選ばせることが大切。フリースクールでは、スクーリングの頻度(多い/少ない)、家からの通学時間(遠い/近い)、学習形態(オンライン/プリント)で候補を絞るようにしている。

・候補を絞ってみても、決断するのが怖い子どももいる。不登校になったことが負い目になってしまい、「ここも行けなかったら、もう本当に自分はダメなのではないか」と強迫的に考える子どももいる。だからこそ、サイコロで決めるくらい肩の力を抜けばいい。人生はゴルフみたいなもの。ゴールに向けて、少しずつ刻んで進んでいく。もし選んだ高校が合わなくても、もう一度サイコロをふればいい。強迫的に考えてしまうのは一回しかサイコロを振らないから、何度でもサイコロを振ればいい。

私と田中の二人がそろって登壇することなんて初めてでしたので、どうなるかと心配しましたが、田中語録が出るわでるわ(笑)。傍楽代表の駒井さんがスムーズな進行をつとめてくださったおかげで、笑いと学びがたくさんの会になりました。参加された方から、「場所によってはとてもどんよりした空気になる会もありますが今日はとても楽しかったです」と、嬉しいお言葉をいただきました。

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10月13日(月)たなか部長とお茶会in滋賀

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この記事を書いた人

D.Live副理事/元小学校教員
自分に自信が持てない、自分を好きになれない、そんな人が自分を好きになり前向きにチャレンジできる社会を創るためにD.Liveを立ち上げた。
自尊感情に関心が高く、D.Live内では主に自尊感情に関する事業を担当。

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