高校生の自己肯定感を高める声かけって、どうしたらいいですか?

LINEで送る
[`evernote` not found]
Pocket

先日、友人から「高校生の自己肯定感を高める声かけって、どうしたらいいですか?」というご質問をいただきました。

どうやら褒めても響かない。進学よりは就職する子が多いので、就職前の自己分析ツールで出た特性に合わせた声かけをしてみるけど、それもピンと来てないそうです。

 

そのご質問に対して答えたことをご紹介します。大体はいつもの話です。

流石に友人に話すようなフランクさではここに書けないので、書き言葉に直しています。

 

 

のっけから前提をまぜっかえす話で恐縮なんですけど、褒めるよりは相手の話を聞く方が自己肯定感を育むという点では効果的です。いくつか理由があるので、順番にご説明しますね。

 

まず1つに、褒められることを操作的に感じる子どもがいます。学校の全校集会で「きれいに整列できてえらいねー」なんて言葉を先生から掛けられることがあるじゃないですか。あれって、言外に「これからも、きれいに並びなさい」というメッセージを伝えていますよね。そういう操作的な褒め言葉を心理学者のアドラーは厳しく指摘しています。

流石に高校ですから、操作的な褒め言葉は少ないかと思いますが、急に褒められるとそんな風に訝る子どももいるという話です。

 

 

2つめに、自分が褒められたい部分じゃないことを褒められても相手はピンと来ません。おそらく「自己肯定感を高める=褒める」という図式になるのは、褒めることで子どもが自分の良さに気付き、自分の良さが増えることで自己肯定感を上がると思ってのことなんでしょう。

残念ですけど、実際のところは違います。だって、特に意識せず選んだ靴下を、「今日、靴下オシャレやね!」なんて言われても、「いや、前から履いてたし」と思われて終わりです。褒められたとも思わないでしょう。

自分の好きなものや自分が価値があると思うものがあればあるほど、自己肯定感が安定するという研究もあります。確かに今の子ども達は0か100の二元論的な世界にいますので、40点のテストに意味を見出せなかったり、惜しい結果でもダメだったと思いがちです。そういう点では、40点なりの良さや、結果ではなくプロセスの意味づけを教師がすることはとても意義があります。あるいは、子どもが当たり前に思っていることにどんな価値や意味があるのかを諭すこともそうです。

でもそれは、褒めるのでは伝える行為です。「先生は君のこの努力がこういう点で素晴らしいと思う。」と伝える。褒めなくていいんです。教師の自分が、これは意味がある、価値があると思ったことをそのまま言葉にするだけで構いません。

 

 

 

長くなりましたが3つ目です。

単純に褒められるよりも、話を聞いてくれる方が子どもは嬉しいです。自己肯定感を理解する上で知っておいて欲しいのですが、誰かに大事にされている感覚は自己肯定感を育む重要な要素の1つです。この、大事にされている感覚は相手の話を聞くことで育まれていきます。

この間、うちのフリースクールに通う生徒とボードゲームをしてたんです。結構頭を使うゲームで、勝つためには戦略を立てないといけない。そのゲームをやりながら、生徒が考えた勝つための戦略を話してくれるんです。申し訳ないことに、ぼくは生徒の言ってくれた戦略の中身がほとんど分からなかったんですよね。ただでさえ頭を使うゲームをしている最中に、生徒の話も理解して聞くのは、ぼくの脳はできませんでした。

 

けれど、できるだけ相手を見て、あいづちを打つことだけは意識していました。「うんうん、なるほどね」と、相手が言い終わるまで聞いていたんです。そのすぐ後、ちょっとぼくが席を離したら「得津さんは優しいよなぁ」と他のスタッフにこぼしていたんです。

 

聞く態度としては、きっとあまり褒められたものじゃないでしょうけど、生徒の聞くにあたってまずは形から入るのも1つではないでしょうか。

 

 

これまで、褒めるよりは聞くことの方が自己肯定感を高める上では効果的だという話をしてきました。実際、ぼくも他のスタッフも褒めることはあんまりしていません。それよりも相手の話を聞いて、相手が関心を持っていることを知ることを大事にしています。

 

ホストとかキャバ嬢って、お客さん一人ひとりのツボを的確に押さえているじゃないですか。それはまず相手の話を聞き、好みを知り、後日ちゃんと相手に合わせた話ができるからなんですよね。だからハマってしまう人も多いんでしょう。彼なら私をわかってくれる、という具合に。

 

 

先生にホストやキャバ嬢になれとは言いませんが、この技術は盗めると思うんです。まずは話を聞き、生徒それぞれの関心や好みを知ってから、声かけに生かすんです。ツボさえ押さえていれば褒め言葉も効果を発揮します。

 

それに、生徒の一人ひとりの話を聞くことは楽しいですよ。オンラインの広がりや、バイトでのエピソードなど、たくさんのことを生徒たちから教えてもらいました。ぼくたちは大人ですし。過去に生徒と同じような経験をしていても、目の前にいる生徒は感じ方が違います。彼らなりの感じ方、考え方に触れられるのは教師の醍醐味の1つではないでしょうか。

 

 

好き勝手に話したことを丁寧に聞いてくれてありがとうございました。

自己肯定感について何かぼくたちが手伝えることがあれば、いつでも力になるので言ってくださいね。

 

 

 

LINEで送る
[`evernote` not found]
Pocket

得津 秀頼

得津 秀頼

D.Live副理事/元小学校教員 自分に自信が持てない、自分を好きになれない、そんな人が自分を好きになり前向きにチャレンジできる社会を創るためにD.Liveを立ち上げた。 自尊感情に関心が高く、D.Live内では主に自尊感情に関する事業を担当。