子どもとの関わりに悩むすべての方へ「リフレーミング」のすゝめ

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突然ですが、こちらの写真をご覧ください。

コップに残っているオレンジジュースの量を、あなたはどう思われたでしょうか。

おそらく、大まかに分けてこのどちらかを想像したと思います。

まだ半分残っている」のか、「もう半分しか残っていない」のか。

上の写真のオレンジジュースの量を言い表すのに、今挙げた「まだ半分」も「もう半分」もどちらも正しい答えです(そもそも「正しい答え」を求めているわけではないのですが)。しかし、同じ状況を言っているはずなのに「まだ半分」と「もう半分」では、ずいぶんと受ける印象が違います。

もうひとつ、こんな写真もご覧ください。

これは野球のスコアボードの写真です。現在7回裏、下段に表示されている後攻チームが4対1で勝っている状況のようです。

さてこのとき、あなたがその勝っている後攻チームの選手だとすればどう思われたでしょうか。

まだ3点勝っている」のか「3点差しかない」のか。

どちらも状況としては「4対1で勝っている」ことに変わりないのですが、やはり大きく印象が違って見えます。「3点差しかない」と思ってしまうと、とたんに余裕を失ってしまうような感じを覚えます。一方で「まだ3点勝っている」ととらえると、1点2点取られても大丈夫、と考え直すこともできます。

このように、ひとつの物事の見方を改めて、違う方向から見直すことを「リフレーミング」と言います。

私事ですが、最近この「リフレーミング」を意識しながら生活をしています。すると、今まで見てきた世界がなんとなく少し違って見えてくるような気がするのです。リフレーミングは自分の性格はもちろん、ひとつの出来事にも応用することができます。

今月の初め、別に当たっても外れてもどっちでもいいくじ引きに当たったのですが、「変なところで運使っちゃったなあ」と思うのではなく「月初めからラッキーだなあ」と考え直しました。なんてことない日常を切り取っただけですが、これも立派な「リフレーミング」の一例です。

さきほど「ひとつの出来事にも応用することができます」と書きましたが、もちろん、子育てや不登校、HSC(Highly Sensitive Child:ひといちばい敏感な子ども)の子との関わりにおいても、このリフレーミングは十分に応用することのできるスキルです。

たとえば、子どもと関わる現場において、たまにものすごくキツい言葉を発する子がいます。中にはとてもここで書けないような、言ってしまうと「暴言」のようなことを口走る子どももいます。

もちろん度が過ぎるようであれば注意しなければいけない場面ですが、ここで「リフレーミング」の出番がやってきます。なぜ、この子はこの場所でこんなにもキツい言葉を発するのでしょうか?

これは場面によりますが、僕が想像する限りこういうことが考えられます。

  • その言葉を使う必要があるほど、その子の中に何か腹が立つことがある
  • キツい言葉を心置きなく吐き出せるほど、この子はこの場所に大きな信頼感を持っている
  • または、こういう(キツい)言葉を言うとどう反応するのか、その場にいる大人を試している

このような考え方をすると、その子に対してどう関わっていけばいいのかが整理できてきます。少なくとも「キツい言葉」を単に注意するだけでは解決するのは難しいことがわかってくると思います。

何か腹立つことがあるのなら、その腹立つことを受け止めてあげる必要があります。場所に対して信頼感をもっていたり、大人を試している場合はまた違う関わり方を考えなければならないかもしれません。物事を違った角度でリフレーミングすると、先を見通すこともできるのです。

 子どものことで悩んでいる、ということは、それだけ、子どものことを心にかけているということですし、ついつい子どもにキレてしまうのは、それだけ子育てをがんばっている証拠です。
そういう自分をぜひ、認めていただきたいと思います。

引用:明橋大二『HSCの子育てハッピーアドバイス』(1万年堂出版) P162

たびたびご紹介している『HSCの子育てハッピーアドバイス』の中にもこのリフレーミングについて取り上げている章があります。上記の引用はその章の結びにしたためられている文章です。

この本自体は子育てに悩むお母さん向けに書かれているものですが、それだけではなく、子どもと関わる人すべてに当てはまるメッセージだと僕は思っています。

子どもと関わることは楽しいことばかりではありません。ちょっとした一言が刺さったり、子どもたちの行動に疑問を覚えたりすることだってあります。だからこそ、このリフレーミングを通して、考え方を変えてみたり子どもの本音に少しでも近づくことが非常に大事だと思います。

性格だってそうです。よく長所と短所は表裏一体だなんて言いますが、実際「神経質」なのはそれほど物事を丁寧に時間をかけて取り組む証拠ですし、「心配性」もあらゆるリスクに対応することができることにほかなりません。そうやって自分を見つめ直して知ることも、子どもと関わる上では重要です。

ぜひ、考え方を変える「リフレーミング」を意識して、日々の生活を送ってみてください。きっと目の前に広がる世界が変わってくるはずです。

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山本 駿

山本 駿

子どものころより人一倍敏感な特性を持ち、中学3年間を不登校で過ごす。大学卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画し、現在は通信制高校教員を両立しながらTRY部や不登校講演事業を中心に担当。HSP(Highly Sensitive Person)特有の繊細さを活かし、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。