ひといちばい敏感で繊細なあなたに届けたい、HSPブックリスト【Part4】

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ちょうど1年前のお盆の時期、たまたま自分がまとめてHSP(Highly Sensitive Person:人一倍繊細な特性を持つ人)に関する本をかなり買い込んだという、ただそれだけの理由で「HSPブックリスト」という記事を書きました。

で、これが、思った以上に反響をいただいて、結局その夏はHSC(Highly Sensitive Child:人一倍繊細な特性を持つ子ども)編も合わせて合計4記事更新しました。1記事あたり5冊ご紹介したので、これまで4回で20冊取り上げたことになります。

あれから1年、HSPに関する本は気づかぬ間に続々と刊行されており、今回久しぶりにブックリストをまとめることにしました。今回はHSPの日常生活についてまとめた本や、イラスト・漫画などでHSPを表現するなど、あまり専門的な話題がなくとっつきやすい5冊をセレクトしてみました。

[HSPブックリストリンク]  Part1 / Part2  Part3 / Part4 /  HSC編

かほり『「HSP」で「ひきこもり」だけど私は元気です。』ソシム

最近HSPの本の中で一番と言っていいほど注目を浴びている『「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本』(Part1で紹介済)の著者・武田さんが解説として参画しているこの本、右ページに漫画が、左ページには解説が掲載されている、わかりやすいレイアウトになっています。

ウサギに見立てた主人公(著者)のHSPのストーリーは、それぞれ「暗黒期」「転換期」「成長期」とわかりやすく整理され、そのエピソードひとつひとつに武田さんの解説がついているという、なんとも親切かつ豪華な構成です。

「暗黒期」では、著者のひきこもり体験談を中心に描かれているのですが、イラストレーターである著者がパートナーの助けを得ながら外へ出るためにもがく姿と、それにあわせた武田さんのやさしくあたたかい文章は必読です。繊細が故に外に出るのを躊躇ってしまう人にオススメしたい1冊です。

染井アキ『ダメ人間だと思ったらHSPでした!』産業編集センター

この本のタイトルの「ダメ人間」という言葉に引っかかる方も多いと思いますが、それはこの本を読み進めていけば違和感が払拭できると思います。ちなみに僕はそもそも「ダメ人間」という言葉になんの違和感もなくこの本を手にしましたが。

この本がおもしろいのは、何度も転職を繰り返していたHSPの著者がふとエッセイストを志し、そこで見つけた企画募集サイトで出版社の目に止まって誕生したというその経緯。これまで取り上げたHSPの本は専門家や精神科医の著書が多かったですが、これはかなり当事者目線で書かれている一冊です。

こういう文章はnoteなどWebサイトではよく見かけますが(僕も個人のnoteでHSPの日常をよく書いています)、出版物となると意外と貴重です。それゆえに、「あるある!!」と共感する文章も非常に多かったです。

ちなみに、僕がこの本で一番「なんだこりゃ!」と思ったのは、著者がマルチ商法に引っかかりそうになる話。実はHSPの人の中には、「断ったら申し訳ない」とこういう誘いを断りきれない人もままいらっしゃいます。先に書くとこの話にオチはないのですが、それでもハラハラさせられました。

高野優『HSP! 自分のトリセツ 共感しすぎて日が暮れて』1万年堂出版

HSP関連の出版物がたいへん多い1万年堂出版からの本。著者は写真の帯にもあるように「育児マンガ家」として活動されています。

「トリセツ」の名の通り、HSPとHSC、そして繊細でありながら刺激を追求するタイプであるHSS(High Sensation Seeking:詳しくは後述)の3要素で構成され、それぞれの特徴についてまとめています。章末には、D.Liveでもお世話になった明橋大二先生と著者の対談も収録され、よりわかりやすくなっています。

各パートごとに色分けされ、また文章も余白が多くすっきりと読みやすいレイアウトになっているのも良いポイント。とにかく難しい知識はいらない!HSPやHSCのことを知りたい!という方にはうってつけの一冊です。

おがたちえ『繊細すぎて生きづらい ~私はHSP漫画家~』 ぶんか社

「HSP漫画家」というサブタイトルにもあるように、こちらは全編漫画で構成されています。

HSPの人はクリエイティブ、かつひとりで黙々と取り組む仕事に向いているので、ここまで紹介した著者の中にイラストレーターや漫画家などの職に就く人も多いのは自明の理です。ただ、だからといって生活の節々で繊細さや敏感さを感じないわけではない。その「リアル」が詰まった一冊です。

文章を読むよりかはイラストや絵のほうが情報として入ってきやすい、という方にはおすすめです。また、作者のおがたさんの息子さんもHSCということで、HSPの親から見たHSCの子どもの様子や気持ちの受け止め方にも触れられているのが大きなポイントです。

HSP才能開発サポーターなお『HSPHSSあるある50選』(Kindle)

昨年、HSPに関するインタビューをしてもらったなおさんによるKindleの電子書籍です(紙媒体ではありません)。実はKindleの電子書籍にもHSPに関する本が多くあり、一部は月980円で読み放題になる「Kindle Unlimited」でも読むことができます。

5人に1人いるHSPの人のうち、約3割ほど繊細でありながら刺激を追求するタイプがいると言われています。この人たちをHigh Sensation Seekingの頭文字を取って「HSS」と分類するのですが(僕もこの傾向が強いです)、この電子書籍はそのHSS型HSPの人にしぼって書かれているのが大きな特徴です。

この本に取り上げられている50の「あるある」はAmazonのページに掲載されていますが、たとえば「いっぱいいっぱいになりやすい。「もう無理!」」という繊細な一面もありながら、「ライブ好きが一定数いる」など、一見するとHSPには当てはまらないのでは?と思う項目にも多く触れられています。

なおさんご自身もHSS型HSPということで読者目線に立ち、かつ電子書籍ながら非常に読みやすいレイアウトに文章を整えているという点も大きなポイントの一冊です。

まとめ:敏感で繊細「じゃない」からこそ手にとって欲しいHSP本

HSPの本はピンキリで、小難しく様々な心理学用語を用いてHSPを解説しているものから、今回ご紹介した5冊のように平易、かつイラストなどを駆使してわかりやすく「HSP」の日常を描いたものも存在しています。Part2で紹介した『敏感にもほどがある』もこの枠組みに入れたい1冊です。

僕はぜひ、敏感で繊細「ではない」人に、こうしたわかりやすいHSPの日常本を読んでいただきたいと思っています。

「ひといちばい敏感で繊細な世界」とはどんなものなのか。あらゆるものを繊細に受け取ってしまう人は普段何を思い、困難なことにどう立ち向かっているのか。おそらく「こんな世界があったのか!」と、目からウロコが落ちる世界だと思います。

身近な家族、大切なパートナーが、自分が別にそうでもないのに生活の節々で「おや?」と思うほどに敏感な様子を見せていたり、何かをものすごく気にする仕草を見せる。こういうときにどうすればいいのだろう?どう関わっていけばいいのだろう?

そんな疑問が、こうしたHSPの日常生活を描くこの5冊で解決するのかもしれません。

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山本 駿

山本 駿

子どものころより人一倍敏感な特性を持ち、中学3年間を不登校で過ごす。大学卒業後、不登校ボランティアを経て2014年よりD.Liveに参画し、現在は通信制高校教員を両立しながらTRY部や不登校講演事業を中心に担当。HSP(Highly Sensitive Person)特有の繊細さを活かし、今を生きる子どもたちの先生でも友達でもない「ナナメの関係」になることを目指しています。