先日、新聞社の方がフリースクール昼TRY部に取材に来られました。
このブログを書いている時点(2020年3月16日)で紙面にどれだけ掲載されるか分からないのですが、取材にかこつけて私たちスタッフも子ども達に学校についてどんなことを思っているか聞いてみました。
スタッフ:学校じゃなくてフリースクールを選んだ理由や、学校について思うことを記者の方は聞きたいそうだけど、みんなは何か思うことはあるの?
生徒A:学校行く人はへんなやつしかいてない!
スタッフ:どういうこと!?もうちょっと詳しく教えて。
生徒A:陽キャか真面目な人しかいてない。
ほかの生徒たち:わかるー!
生徒B:学校はさ、全然自分の好きな話題ができひんかった。休み時間はみんな、友だちか先生の話くらいでさ。好きな漫画とかアニメの話とか話せる人おらんかった。
スタッフ:なるほどなぁ、それは楽しくないなぁ。
生徒C:女子はみんなtiktokの話やし、やってないから分からんかった。
生徒A:あー、わかる。話ついていけへんかったから休み時間はうなずいてるだけやったわ。
ほかの生徒たち:そうそう!
スタッフ:じゃあ、休み時間早く終われって感じやなぁ。
生徒A:そうそう。もう休み時間なくてもよかったくらい。ご飯食べたらすぐ授業でいいよって思ってた。
スタッフ:そういうのって、先生には相談するの?
生徒B:いや、そんなんせぇへんやろ。
スタッフ:そらそうか。なんか大きい出来事は相談するけど、「先生、みんながtiktokの話ばかりします」なんて相談せんわなー。
生徒D:先生がなんかやってくれるなんて思ってなかったですねー。
スタッフ:フリースクールと学校の違いが記者の方が聞きたいことの1つだけど、もしさ。もし、明日から昼TRY部にいる大人がみんな学校の先生に代わったら、来る?
生徒全員:いかん!
スタッフ:えー、なんでなん!?朝、ドア開けたら先生おるねんで。「おはよう」とか言って。
生徒B:いややわー。ここ(昼TRY部)と学校は距離があるからいい。
他にもいくつか話したのですが、話題の中心はここまでです。
昼TRY部では、毎日にぎやかにすごしています。
ボードゲームをするときはいつも誰かがファインプレーをして盛り上がるし、おしゃべりしてても何かしらオチがついて楽しい。勉強する、しないの綱引きも苦じゃありません。
教室にいると、楽しそうに過ごす子ども達の姿が当たり前のように思えますが、そんなことは無いんだと取材を機に気づきました。
子ども達が学校で感じたつまらなさや、しんどさ、辛さみたいなものって子ども自身にとっては大きな問題ですが、他人の目から見れば小さいものです。きっと子ども達もそれを分かっているから、学校の先生やお家の人に相談できなかったんだと思うんです。
でも、子ども達の声を聞いていると他人から見れば小さい悩みに付き合うことこそが大切で、そういう意味では昼TRY部はスリランカの悪魔祓いに似ています。
『スリランカの悪魔祓い(上田紀行著)』という本に書かれているのですが、スリランカでは「孤独な人に悪魔が憑く」と信じられていて、孤独な人、内にこもる人が自分の村に出たら村人総出で悪魔祓いの儀式をするそうです。
しかも、悪魔が祓われるまでずっとですよ。すごくないですか。村人全員が悪魔がついた人に付き合いきるんです。
みんなが自分に最後まで付き合ってくれるって、すごく嬉しいことですよね。一人じゃない。大事にされていると実感できますから。ただ、ぼくが悪魔つきになってしまったら、嬉しさよりも何日も続く儀式への申し訳なさが勝って、てすぐに外に出てしまうでしょうけど。
今の社会は忙しく、なかなか子ども一人の悩みに付き合いきる時間なんて持てません。
だからこそ、ぼくたちのようなフリースクールがちっぽけだけ大きな悩みに付き合いきれる存在であり続けたいと思っています。
フリースクール昼TRY部ではいつでも面談・見学を受け付けています。詳しくはこちら
フリースクール昼TRY部の説明会を4月12日(日)に実施します。